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辺野古 大浦湾側の工事を記録する 1月13日~1月20日

普天間基地移設問題の行方は
  • 2024年01月21日

アメリカ軍普天間基地の移設先となっている名護市辺野古沖の代執行に伴う大浦湾側での工事について、防衛省は必要な準備が整ったとして、2024年1月10日に着手しました。

軟弱地盤がある大浦湾側では、地盤を改良するため、およそ7万1000本のくいを海底に打ち込む工事が必要で、すべての工事や手続きが終わり、普天間基地の移設が可能になるまでには12年ほどかかるとされています。

2019年に行われた県民投票(投票率52.48%)で7割を超える人が「反対」に投じた辺野古の埋め立て。NHK沖縄放送局では、この工事を記録していきます。

2024年1月13日

作業船から台船に土砂を乗せる様子を確認

午前中、アメリカ軍キャンプシュワブの北側・大浦湾側では、作業船から台船に土砂を乗せる様子が確認できました。また、キャンプシュワブの南側・辺野古側では、複数のトラックが行き交う様子が見られました。

一方、作業船から石材を投入する様子は 確認できませんでした。

2024年1月15日

午後1時20分ごろ、NHKのヘリコプターから撮影した映像では、辺野古沖の埋め立て予定地周辺で複数のトラックが行き交う様子が確認できました。また、大浦湾側の立ち入り禁止区域を示すブイの内側では、作業船から大型の台船に土砂を積み込む作業が行われていました。

石材を積んだ作業船の上では複数の作業員の姿が確認され、午後1時半ごろから石材の投入が始まりました。2台のショベルカーを使って次々に石材が投入されると、海中が灰色や白く濁っていきました。午後2時前まで、上空から移設に反対する人たちが乗った船は確認できませんでした。

2024年1月16日

午前10時半すぎからNHKの取材班が名護市瀬嵩の高台から撮影を始めると、大浦湾側の立ち入り禁止区域を示すブイの内側では、作業船から重機を使って石材の投入が行われていました。作業船の横に設置された石材を入れる囲いの周辺には作業員の姿も見られました。また、禁止区域を示すブイの近くには警戒にあたる船が1隻確認できました。

午前11時ごろまでの間、ブイの周辺には移設に反対する人たちが乗った船やカヌーは見られませんでした。

午後2時前からは作業員が石材を投入している囲いの中に棒を伸ばし、ひもでつながったおもりのようなものを海中に落としている様子が確認できました。作業員は場所を移動しながら棒を引っ張り上げたり下げたりする動作を繰り返していて、石材がどこまで積み上がったか測っているようにも見えました。その後、午後2時ごろからふたたび重機が動き出し、まもなく海中への石材の投入が再開しました。

その後も投入を中断し作業員が棒を伸ばす様子が確認できました。

2024年1月17日(工事着手から1週間)

午前11時ごろにNHKのヘリコプターから撮影した映像では、辺野古側の埋め立て予定地でロードローラーと呼ばれる重機を走らせて土砂を固めていく作業が確認できました。

一方、大浦湾側の区域では工事に着手して以来、連日のように海に石材を投入する作業が行われている船に動きはありませんでした。その周辺では土砂が積み込まれた台船の上で、重機が動いている様子が見られました。

また、辺野古崎周辺の海では、ダイバーによる潜水や作業員がスノーケリングをして海の中を観察しているような様子が確認できました。

工事車両が出入りするゲートの前では、午前9時ごろから移設に反対する人たちおよそ30人が「美ら海殺すな」「サンゴ守ろう」などと書かれたプラカードを持って工事の中止を訴えていました。

およそ10分後、警察官が座り込む人たちを抱えるなどしてゲートの脇に移動させると、石材や工事用の資材を積んだダンプカーなどが次々と中に入っていきました。

辺野古に暮らす67歳の男性は「いくら国の事業であってもあきらめないし、大浦湾には何万本ものくいが打たれますが、私たちの心にはくいを打たせない。海や命、安全を守るために工事を止めたいです」と話していました。

那覇市の72歳の女性は「国は石材を投入し私たちの気持ちをくじこうとしているのだと思います。環境が破壊されていくのを見ると胸に詰まるものがあり、怒りもあります。おかしな点をチェックして県と一緒に頑張っていきたいです」と話していました。

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