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岡山特産の白桃 原田アナウンサーがお手伝い!「袋かけ編」

  • 2023年08月07日

フルーツの産地として知られる岡山県。
これからの季節、楽しみなのが「白桃」です。
その名の通り透明感のある白さが特徴の桃で、岡山の人はこれが大好き。
もちろん、岡山生まれの私も大好物ですが、そんな桃がどうやって作られているのかは
なかなか見る機会がありませんでした。
そこで、桃農園にお邪魔して、白桃の白さを守るために欠かせない「袋かけ」とよばれる作業を体験させてもらいました。そこには驚きの技と工夫が詰まっていました。

(原田裕和アナウンサー)


伺ったのは、岡山市東区瀬戸町。県内有数の桃の産地です。
梅雨入り直前の5月のある日。
40本ほどの桃の木は、緑の葉っぱで埋め尽くされていました。

農園の代表、岡本昌也さんです。
 (写真は4月、桃の花が満開の頃のもの。まさに桃源郷でした)
岡本さんは、祖父の農園を受け継ぎ、7年前から栽培を始めました。

最初に岡本さんが、袋をかける前の枝を見せてくれました。
葉の間に実が見えるのが分かりますか?ちょうどゴルフボールほどの大きさです。
落ちたものや余分な実を摘み取ったものを集めてくれた岡本さん。
よく見ると、小さいながらもしっかりと桃の形をしています。

これくらいの大きさになると、「袋かけ」のタイミング。
ことしは5月17日から始めたそうです。

使うのは長方形の紙の袋。上と下が開くようになっています。
白桃のきれいな白さを守り、病害虫から守るためには欠かせない重要な作業です。
どうやってかけていくのか、まずは、岡本さんにお手本を見せていただきました。

枝を挟み込むような形で袋の左右の端を持ち上げ、枝の上でクロスさせます。

そこに袋の端についている針金を巻き付けたらできあがり。
 

この間、わずか10秒ほど。まさに、「目にもとまらぬ早業」です。

これなら出来そう!と私も挑戦しましたが、これが難しいのなんの!
 

苦労して結んだ部分が...

簡単にほどけて、外れてしまいました。
(写っていませんが、がっくりと膝に手をついています。)


実は、この袋かけ、「正確に」かつ「しっかり」しないと、桃農家の損失につながりかねません。 
急いで結んで中に葉を入れてしまうと、袋の中で大切な実に傷がついてしまうそうです。 
また結んだところに隙間があると、雨が入り実を傷めます。 
そんな気をつかう作業を、この木だと全部で600袋。大きな木になると1000もするそう。 
肩や腰にも負担がかかる大変な作業です。 しかもこの時期(5月に取材しました)は天気も不安定。
天気予報を心配する日が続きます。

さらに、袋そのものについても知らないことだらけでした。
袋は、桃の種類によって、厚さや色が違うものを使い分けるんです。
このオレンジ色のものは、収穫時期が遅い「おかやま夢白桃」などの品種に使われます。
桃の実がゆっくり時間をかけて成長するよう、太陽の光が通りにくいものが選ばれています。

一方、こちらは外が白く中が黒い袋。
9月以降に収穫する桃に使います。
できるだけ光をカットするよう、紙の厚みもあり中は黒くなっています。
15品種を手がける岡本さんの農園では、8種類もの袋を使い分けているそうです。
 

岡本さんの農園は、他にも2か所あり、全部で90本を栽培しています。
ことしかけた袋の数は、すべて合わせると35000!!

岡山の夏に欠かせない白桃は、農家の皆さんのこうした大変な苦労があって
はじめて私たちのもとに届くのだと実感できた貴重な機会でした。

  • 原田裕和

    岡山放送局 アナウンサー

    原田裕和

    桃とぶどうをこよなく愛する
    岡山生まれの54歳

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