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星野元県議不起訴 衆院選で「金銭要求」と泉田議員が刑事告発

新潟政界への影響は
  • 2023年05月24日

2021年の衆議院選挙の際に金銭を要求されたとして、自民党の泉田裕彦 衆議院議員から公職選挙法違反の疑いで刑事告発され、その後、書類送検された星野伊佐夫 元新潟県議会議員について新潟地方検察庁は5月24日に不起訴としました。
両氏のコメントや新潟政界関係者の受け止めなどをまとめました。

"裏金”と指摘 不起訴に

2021年の衆議院選挙をめぐって、自民党の泉田裕彦 衆議院議員は、星野伊佐夫 元新潟県議会議員から2000万円から3000万円の金銭を要求されたと訴えたのに対し、星野氏は全面的に否定しました。

2022年2月、泉田氏が公職選挙法違反の疑いで星野氏を刑事告発。警察は任意で捜査を進め、書類送検しました。

そして新潟地方検察庁は2023年5月24日付けで「不起訴処分」としました。検察は処分の理由を明らかにしていません。

星野氏「今後も要望があるかぎり政治には関わり続けたい」

星野氏は長岡市出身の83歳。

県議会議員選挙で連続12回の当選を重ね、この間、自民党県連会長や県議会議長などを歴任しました。

2021年12月には「党に迷惑をかけた」などとして自民党を離党。改選を迎えた2023年4月の県議会議員選挙には立候補しませんでした。

不起訴となったことについて星野氏は24日、NHKの取材に対し「検察がしっかり捜査をしてくれた結果だと受け止めている。私が裏金を要求したという指摘は全く事実ではない。時間はかかったが結果が出て私自身うれしい。今後も要望があるかぎり政治には関わり続けたい」とコメントしています。

泉田氏「社会的制裁を受けた」

一方、泉田氏は「刑事告発から処分までの非常に長い間に県議会議員選挙があり、星野氏が立候補できなかったことは社会的制裁を受けた結果と受け止めています。民主主義の根幹をなす選挙が金の力で左右されることがないように期待します」というコメントを発表しました。

なぜこのタイミング?政界への影響は?

この件について新潟県政担当の山田剛史記者が解説します。

刑事告発から1年余りがたって検察が判断を発表。どうしてこのタイミングに?

双方の主張が真っ向から対立しているだけに、慎重に捜査を進める必要があったためとみられます。刑事告発を前に泉田氏は当日のやりとりを録音したとする音声データを公開しました。一方、星野氏は「選挙に必要な経費の話はしたが裏金を要求したというのは作り話だ」と反論していました。

検察の判断が政界に何らかの影響を与えそうか?

星野氏が自民党に復党するかどうか、この点に政界関係者の注目が集まると思います。星野氏は県議会議員を退きましたが政治には関わり続けていて、長岡市を中心に一定の影響力を保っています。4月の県議会議員選挙では自民党の一部の公認候補の支援に回り、議席の獲得につなげました。こうしたことを背景に星野氏自身、周辺に復党への意欲をにじませています。
自民党県連の関係者からは「今は議員ではないことや、これまでの功績を考慮すると一党員として復党を認めてもいいのではないか」といった意見が出る一方、「政治とカネの問題で批判を招いた以上、そう簡単な話ではない」とか「もし復党した場合、ハレーションが起きるおそれがある。次の衆議院選挙が終わるまで復党は難しいのではないか」といった意見が出ています。
岸田総理大臣が衆議院の早期解散に踏み切るのではないかという臆測が与野党双方の間で飛び交う中、星野氏にどのように向き合うのか、自民党の対応が焦点となります。

  • 山田剛史

    新潟放送局 記者

    山田剛史

    2018年入局。新潟局が初任地。長岡支局経験者。現在は県政担当。

  • 豊田光司

    新潟放送局 記者

    豊田光司

    2017年入局。大阪局を経て2020年から新潟局に、2021年11月からは長岡支局で中越地方などの取材を担当。

  • 油布彩那

    新潟放送局 記者

    油布彩那

    令和元年入局
    警察取材や拉致問題を担当

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