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アルビレックス新潟 決めた6季ぶりJ1復帰 昇格への戦い サポーターは

  • 2022年10月11日

サッカーJリーグ、アルビレックス新潟は10月8日にホームで行われたベガルタ仙台との試合に3対0で快勝し、6シーズンぶりにJ1昇格を決めました。この1年の軌跡とともにサポーターや地域の喜びの声をまとめました。

待ち望んだ瞬間 スタジアムは

新潟市のビッグスワンスタジアムは昇格決定の瞬間を見届けようというアルビレックスのサポーターで、チームカラーのオレンジ色に染まりました。

試合は立ち上がりからアルビレックスが流れをつかみ、何度もチャンスを作りますが、得点を奪えません。前半終了間際の44分にはペナルティーエリア手前でフリーキックを獲得、伊藤涼太郎選手が直接狙ったシュートはゴールバーにはじかれ、得点はならず、0対0で折り返します。

ⒸJ.LEAGUE

それでも後半に入り、19分、ゴール前でパスを受けた伊藤選手がシュートを決め、ついに先制点をあげました。このあともアルビレックスは攻撃の手をゆるめず、32分には伊藤選手の2点目のゴールで追加点を奪いました。さらに試合終了直前のアディショナルタイムに交代で入ったアレクサンドレゲデス選手がゴールを決め、アルビレックスは3対0で快勝しました。

この結果、勝ち点を81に伸ばしたアルビレックスはシーズン2試合を残して自動的に昇格できる2位以内が確定し、ホームのスタジアムに訪れたサポーターの前でJ1昇格を決めました。

ⒸJ.LEAGUE

アルビレックスは2017年のシーズン以来、6シーズンぶりのJ1復帰です。

キャプテン堀米「結果で恩返しできてよかった」

試合後の選手の言葉です。

堀米悠斗選手ⒸJ.LEAGUE

J2に降格した2017年から在籍しているキャプテンの堀米悠斗選手
勝って決めることができてうれしい。試合が終わった瞬間は色々なことが頭をかけめぐりこみ上げるものがありました。優勝に向けて全員で最後まで走り抜けたい。大歓声の中でプレーできて幸せだった。サポーターの支えがなければこのチームは成り立たない。結果で恩返しをすることができてよかった。

伊藤涼太郎選手ⒸJ.LEAGUE

2得点の活躍を見せた伊藤涼太郎選手
自分のゴールで決めたいと思っていたのでほっとした。決めた瞬間はすごく気持ちよかったしサッカー選手になってよかったと思った。もっと新潟の方々に愛される選手になっていきたい。

シーズン終盤の試合中のケガで離脱した高木善朗選手(スタジアムで応援)
ピッチに立てない悔しい気持ちがあったが、本当に嬉しかった。この仲間とサッカーをできてよかったと思った。しっかりリハビリして来年はJ1で戦える体を作っていきたい。

今シーズンの軌跡 アルベルト流を基礎に積極的に前へ

アルビレックス新潟はコーチだった松橋力蔵氏を新しい監督とする体制で今シーズンに臨みました。

松橋監督(21年12月7日就任会見)
前線でのボールが入った時に孤立してボールを失うケースが非常に多かった。攻撃が1回で終わるのでなくて1次攻撃、2次攻撃、3次攻撃、奪われたらすぐ切り替えてボール奪ってもう一回4次攻撃、そして5次攻撃。どんどん連動性をこのチームでもっともっと磨きをかけていきたい。

2021年までのボールをキープして優位に立つスタイルを基礎により積極的に前にボールを運ぶ姿勢が強化されました。

浦和レッズから加入した伊藤涼太郎選手など新戦力も躍動。
得点ランキング上位の選手がいないなかでリーグ最多の得点をマークしています。

安定した堅い守りも光りました。とくに、ゴールキーパーの小島亨介選手は全試合に出場。チームの失点の少なさはここまでリーグ2位です。
(得点・失点の記録はいずれも第40節終了時点)

さらに選手層の厚さ。シーズン途中、10番を背負う本間至恩選手がベルギーリーグへ移籍。
また攻守の要、高木善朗選手が試合中のけがで離脱しましたが、チーム力は変わりませんでした。

堀米選手(9月26日のコメント)
高木選手がここまで引っ張ってくれた。そこはチームメイト誰もが疑いようのない事実。勝つことが1番安心してまた次の治療に向かっていけると思うのでなんとしても、どんな形でも勝ち点3取りたかったので本当によかった。他のチームどうこうではなく、自分たちが勝ち続けることによってJ1昇格をつかみ取りたい。

9月、ホームの一部エリアで声出し応援が解禁されるとアルビレックスの勢いは加速しました。そしてリーグ首位で迎えたベガルタ仙台との試合。チーム一丸で戦った2022年のシーズン、ホームのサポーターを前にJ1昇格を決めました。

地域からは喜びの声 横断幕も

新潟市内も盛り上がりました。

新潟市中心部の古町はアルビレックスのチームカラー、オレンジ色で染まり、雰囲気を盛り上げています。

街の人からも喜びの声が聞かれました。

70代女性
とにかく家で祈っていました。中継のテレビを見ておめでとうございますと声かけちゃいました。応援はアルビレオのころからしていたので本当によかったです

10代男性
J1のトップレベルのチームが新潟に来て、アルビと試合するというのを見るのが楽しみ。J1の上位争いしていたチームとJ2から上がったアルビがどんな感じで試合するのかなというのがとっても気になります。

JR新潟駅では改札の前に昇格決定を知らせる掲示と駅員の有志によるお祝いのメッセージが張り出されました。

毎年、アルビレックスの選手たちが必勝祈願に訪れる、新潟市中央区の神明宮。

神明宮 権禰宜 倉島崇さん 
「祝・昇格」の御朱印、2種類です。オレンジと白のものを頒布させていただく運びとなりました。

昇格を祝う、特別な御朱印が枚数限定で作られました。
9日には御朱印を求めて朝から行列ができていたということです。

神明宮 権禰宜 倉島崇さん 
新潟市民のみなさまも昇格してほしいという願いが強かったと思いますので非常に親近感、親しみを覚えておりましたので、喜びもひとしおとなっております。まずは楽しむことが第一で、できれば勝ち上がって勝ち続けていただきたいです。

入場でトラブルも 今後に課題

アルビレックス新潟がホームでJ1昇格を決めた10月8日の試合では一部の観客が試合開始の時間までにスタジアムに入場できないトラブルがありました。

8日のベガルタ仙台戦は3万2000人を超える観客が訪れました。

スタジアムの周囲では多くの観客が長い列をつくり、入場開始を待ちましたが、一部の観客が試合開始の時間までにスタジアムに入場できないトラブルがありました。

アルビレックス新潟は入場前に待機する列への観客の誘導などが不十分で、来場が集中する時間帯に入場用の端末が不足し十分な数の入場レーンが準備できなかったことが原因だったとしています。

アルビレックス新潟は「試合を楽しみに来場いただいた皆さまにご不便と大変不快な思いをさせてしまいましたことを心よりおわび申し上げます」としています。

その上で「今後開催するホームゲームでは入場ゲートのレーン数を増やすことを図るなど運営計画の見直しを行い、観客がスムーズに入場できるよう努めていく」としています。

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