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「顕著な大雪に関する気象情報」とは?どう行動する?

通称「顕著雪(ケンチョユキ)」などとも呼ばれる「顕著な大雪に関する気象情報」。急激に雪の量が増えた時に発表される、とても怖い情報です。大規模な車の立往生の危険も。どんな情報なのか、どう行動すべきなのか、まとめました。

大雪関連ニュースなどで紹介した内容です

目次

    雪が急増しています!

    急に雪が強まって、一気に降雪量が増えている。

    そんな時に気象庁が発表するのが「顕著な大雪に関する気象情報」です。

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    発表の目安には地域性がありますが、

    (1)おおむね6時間で30~40センチの降雪が観測され
    (2)今後も降り続くおそれがある場合

    に発表されます。

    「今、まさに危険な雪が降っている!」と注意喚起する情報という意味では、大雨の時に発表される「記録的短時間大雨情報」の「雪版」と考えても良いかもしれません。

    対象となるのは、13府県(滋賀、京都、兵庫、鳥取、島根、岡山、広島、新潟、富山、石川、福井、山形、福島)です。

    急激に雪が増えると、除雪が追いつかないため、道路にも一気に雪が降り積もります。その結果、大規模な立往生が発生する危険性が高まります。

    大規模な立往生が起きるおそれ

    「顕著な大雪に関する気象情報」は、2018年1月の首都圏、2月の北陸の大雪で、大規模な立往生が発生したことがきっかけで作られました。生活物資が運べないなどの影響も出ました。

    情報ができて以降、実際に「顕著な大雪に関する気象情報」が発表された時には、多くのケースで立往生が発生しています。

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    2021年1月の北陸道での立往生

    中でも、2021年1月に福井県内で相次いで発表された際には、北陸自動車道で一時、1000台を超える車が巻き込まれる大規模な立往生が発生しています。

    運転を止めて避難を

    顕著な大雪に関する気象情報が発表された時は、運転は止めてください。

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    運転をしている人は、近くのサービスエリアやパーキングエリア、道の駅などの駐車場に車を入れて避難しましょう。こうした場所であれば暖を取り、トイレを使うこともできます。道路状況に関する情報も入ってきます。

    既に渋滞に巻き込まれて動けないという人は、こまめに車のマフラー周辺の除雪をしてください。一気に雪が増えてマフラーをおおってしまうと、排気ガスが車内に逆流して一酸化炭素中毒のおそれがあります。

    家にいる人は、外出を控えてください。予定を変更し、家で過ごしましょう。慣れた道だから大丈夫…と油断しないでください。

    NHKはテレビ・ラジオでもお伝えします

    NHKもテレビ放送では画面にテロップを出してお知らせします。

    ラジオでも番組の途中で情報を上乗せしてお伝えします。

    大阪放送局 災害担当記者 藤島新也


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