寒い避難所対策・車中泊 低体温症とエコノミークラス症候群予防
冬におきた能登半島地震。寒さの中の災害で避難所や停電した自宅、車の中で生活する…。厳しい状況の中で不安も重なり疲労も大きいことと思います。低体温症やエコノミークラス症候群予防。少しでも体調を崩さずに過ごす注意点についてまとめて紹介します。
2024年の能登半島地震関連ニュースで紹介
目次
避難所・避難生活学会が緊急の呼びかけ
2024年1月1日の能登半島地震を受けて医師や災害の専門家からなる「避難所・避難生活学会」は緊急の呼びかけを行いました。低体温症などの健康被害の危険性があるとして寒さや車中泊などの対策をとるよう訴えています。
「避難所・避難生活学会の緊急呼びかけ」(NHKサイトを離れます)低体温症に注意
まず注意が必要なのが低体温症です。
冬の時期の災害で避難所などに十分な暖房がない場合、お年寄りを中心に低体温症の危険性があるとしています。体の震えが止まらない、呼びかけへの反応が鈍いなど低体温症の兆候がある場合にはすぐに体を温めるか、病院に搬送するようにしてください。
✅防寒の服を着用する
✅乾いた衣類を重ね着する
✅上着の中に新聞紙などを詰める
✅体を寄せ合う
✅ベッドやマットレスなどを使う
✅温かい飲み物を飲む
車の中で避難している人へ
車中泊は避難者の把握や支援物資の供給が滞るおそれがあるのでなるべくさけてほしいですが、やむをえずに車の中で避難をしている人は一酸化炭素中毒やエコノミークラス症候群に注意が必要です。
ガレージなど閉鎖された環境でエンジンをつけていると排気ガスの一酸化炭素を吸い込むおそれがあります。また、長時間、狭い車内で足を曲げた状態で過ごすと足に血栓が生じやすくなるとされています。
✅定期的に歩いて足を動かす
✅足を伸ばせるようにする
✅トイレを我慢しない
✅カフェインの入っていない水分をとる
停電中の自宅 一酸化炭素中毒に注意
暖を取るため室内で炭や練炭を燃やしたり発電機を使ったりするのは、一酸化炭素中毒の危険性が高まるため避けてください。
停電しているとガス警報器が動いていない可能性があるため、カセットコンロなどを使う場合はガス漏れがないことを十分確認するよう必要があります。地震が相次いでいる場合は火事にも注意が必要です。目を離さないようにしましょう。
【解説動画】寒さ対策・エコノミークラス症候群対策など
「寒さ対策を実演」動画でくわしく「エコノミークラス症候群防止」動画でくわしく
「寒さ対策・乳幼児連れた避難」動画でくわしく
「長引く避難 “栄養”に注意し食事を」動画でくわしく
「避難生活の高血圧 注意点は?」動画でくわしく
「感染症対策」動画でくわしく
「長引く避難 体力衰え防ぐには」動画でくわしく
「災害時の口内ケア」動画でくわしく
「子どもの心のケア」動画でくわしく
「認知症の人と家族 課題や支援は」動画でくわしく
避難生活の注意点「身体機能 どう維持」動画で詳しく 「“誤えん” 少しの工夫で防ぐ方法」動画でくわしく
「医療的ケア児の現状と必要な支援」動画でくわしく
「被災した方にどう接すれば」動画でくわしく
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