三重 いなべ市の丸山で日帰り登山 絶滅危惧種の花に出会う
- 2024年04月24日
標高1000m前後の山をご紹介する「ゆる山へGO!」。
今村キャスターが東海北陸の初心者でも登りやすい、ゆる山登山に挑戦します。今回登った山は、三重県いなべ市にある標高650mの「丸山」です。春に咲き始める希少な花々を探しながら山頂を目指します。
標高650mの丸山
東海環状自動車道の大安(だいあん)インターチェンジからおよそ30分。
今回登るのは、標高650mの丸山。近年、登山道が整備され、歩きやすくなり、多くの登山客が訪れています。
ガイドは、三重県在住の登山家で山岳ライターの、金丸 勝実(かなまる かつみ)さん。動画サイトで自身のチャンネルをもっていて、自ら撮影した三重の山々の映像を配信しています。
今回の山の見所はいかがでしょうか?
希少な花が咲く山として知られていて、今日も絶滅危惧種が何種類かあります。それから野鳥も見られると思いますので、今日は双眼鏡をもってきましたので、これでしっかり観察しましょう。
標高およそ220mの孫太尾根(まごたおね)登山口を出発。春に咲き始める希少な花々を探しながら山頂を目指します。
登り始めは、スギ林の中を進んでいきます。
すると金丸さん、急に双眼鏡で何かを眺め始めます。
あれ、きれいでしょ。
どれですか?あ、あの緑の…
双眼鏡で見てください。遠くのものを観察する時は野鳥だけじゃなくて、こういった植物も観察できます。これキブシっていいますね。
黄緑色の花をブドウのように房状につけるキブシ。その実はかつて、お歯黒の染料に使われていたそうです。
これは花なんですね。ちょっと実みたいなのがたくさん連なって、結構目立ちますね。
石灰岩の登山道を歩く
山の中腹にさしかかると、景色がガラッと変わります。
あっすごい。岩が。なんかこう、空に向かって上がって行ってるような。
開放感がありますね。登山のだいごみですね、こういうところが。
絶滅危惧種の花に出会う
登山口からおよそ45分。ゴツゴツした石灰岩の山道を歩いていると
あっ!ありましたね。これ絶滅危惧種ですね。
白っぽい
ユリ科のヒロハノアマナ。同じユリ科のチューリップに近いことから和製チューリップと呼ばれることも。
葉っぱの真ん中に白い筋がありますよね、普通のアマナは真ん中の筋がないんですよ。で、少し幅があるので、ヒロハノアマナっていう。
さらに…
お~咲いてる、これ。ちょっと時期が早いかなと思ってたんだけど、咲いててくれましたね。
金丸さんが見つけたのが、カタクリです。
登ったのは4月上旬で少ししか咲いていませんでしたが、このあと見ごろを迎えるとのことでした。
つぼみがいくつかあると思うんですけど、花が開いたのは昨日今日と天気が良かったからだと思います。気温が上がって。
間近で見られる野鳥
この山の魅力は花だけではありません。
ヤマガラ、あそこに止まってる。
木の枝に止まっていたのは、体長14センチほどの野鳥、ヤマガラです。頭が黒くて、お腹が赤茶色をしているのが特徴です。
肉眼でも見える大きさでしたね。
双眼鏡でもバッチリ見えたでしょ。茶色と黒と白とメリハリがある鳥。
右側見て。
だんだんと高度が上がってきて、伊勢湾が一望できますよね。
あっ本当ですね。遮るものがないからすごい。
とその時、スタッフが近くの木に何かを発見します。
見つけたのは、キツツキの一種、コゲラでした。
木を突いていましたね。
コゲラですね。
体長は15センチほどで、日本で最も小さいキツツキとして知られています。
いろんな鳥がいますね。
登山口からおよそ1時間40分。
花や野鳥を観察していると、あっという間に山頂へ。
丸山山頂、標高650m。(今日の目標)山頂に到着しました。
やっとだ。着きました。到着!
この山頂にも見どころがあるんです。この山で最も希少な花が咲いているといいます。
ありましたね。これです。
下向きに咲いているんですか?
そう、これは下向きに咲くんですね。
その希少な花というのが、ユリ科のミノコバイモです。
三重県では、極めて絶滅の危険性が高いランクに指定されています。
三重県で言えばここと、入道ヶ岳に少しあるだけで、本当に希少な植物です。だから、この孫太尾根、これを目指してくる人が多いです。
今日の山は標高650mと聞いていたので結構簡単に登れる山かと思って登ったんですけど、傾斜が大きくてきつかったですね。ただ私、石灰岩の山って好きで非日常じゃないですか。ふだん見られる景色じゃないのでいつもと違う場所に来たのがすごく実感できる登山だなと思いました。
だから希少な草花が多いのかもしれませんね。
下山までにかかった時間はおよそ2時間半。
歩いた距離はおよそ4キロ。
消費カロリーは、ご飯2.5杯分でした。
<今回ご紹介した花と野鳥>
・キブシ:かつてお歯黒の染料に使われていたそう
・ヒロハノアマナ:絶滅危惧IB類(三重)
・カタクリ:準絶滅危惧種(三重)
・ミノコバイモ:絶滅危惧IA類(三重)
・ヤマガラ
・コゲラ:日本で最も小さいキツツキ
注意事項
・中腹を過ぎた辺りから石灰岩質のゴロゴロした石が多くなるので落石などには注意。
・絶滅危惧種の花が他にもあるので、取って持ち帰ったりすることはやめましょう。