多彩な素材のクラフトビール
- 2024年04月11日
今回は伊那市でクラフトビールに詰め込んだ思いを伺います。
冨成和枝さんです。
信州大学大学院農学研究科を修了した後、一旦は地元・愛知県の食品メーカーに就職しました。 しかし、6年間暮らした長野県に愛着を感じ、移り住みました。
そして、始めたのがクラフトビール造りです。
長野県はたくさんの農家さんがいて農産物があるのでそういうものをうまく活用して造れないかなということでクラフトビールに出会いました。
いろんな農家さんと出会ったりきこりさんと出会ったりして魅力的な素材を教えてもらって使っています。
冨成さんが手がけるのは、個性豊かでユニークなクラフトビールです。
地元の方との会話からヒントを得て、素材を見つけます。
とうがらしや塩、そして木曽地方の漬け物として知られる「すんき」など実に様々。
醸造を始めてからの6年間でおよそ25種類のビールを造ってきました。
一番最近のユニークな食材はアカマツですね。
松ですか?
松枯れ病が深刻になっているという話を聞いてクラフトビールを通してより多くの人に知ってほしいと思いアカマツを使うようになりました。
森の中にいるような爽やかな香りと清涼感が感じられる味わいに仕上がっています。
これまでに無かった1杯を、これからのために造るその姿にキュンとしました!
冨成さんがクラフトビールづくりの序盤、麦汁造りで大切にしていること。
それは、適度なアルコール分と味わいを左右する「甘さ」です。
麦芽にお湯を入れただけのモノを特別に頂きました。
ほんのり甘い!
麦芽にあるでんぷん質をここで糖分の液体に変えます。
それが麦汁というものです。
こちらのタンクではさきほどのタンクで造られた麦汁を煮沸して殺菌したりホップをいれたりします。苦みと香りを出すのが大切です。
ホップも、ドイツ産やイギリス産など、複数の種類を使うことが冨成さんのこだわり。
バランスを見極めて混ぜ合わせる量を微調整し、理想とする苦みと香りに近づけていきます。 味を決定づける素材も、最高のタイミングで入れてその良さを引き出します。
アカマツを入れるとどんな香りになるんですか?
全体的にはミントみたいな清涼感があります。
理想通りの味が仕上がった時ってどうですか?
よしって感じ。ガッツポーズしています。
その後、酵母を入れて発酵させ、熟成を経ると完成です。
はやくて3週間で仕込みの日から提供できるようになります。
3週間かかるんですね!
日本酒とかワインに比べればとても早いので…。
このタンクがたくさんあればその分種類が作れるので、それが魅力の1つです。
全ての工程に妥協せず、最適を見極めて造る姿にきゅんとしました!
冨成さんが長野県に惹かれる理由。それは豊富なビールの素材だけではありません。
地域を知り、地元を発信するアーティストの皆さんとの交流もです。
この地域でアート活動をしている方がたくさんいて、アートが素敵で気に入りました。そういうアートをラベルのパッケージにしたいっていうのもあって、声をかけてラベルになりました。
一つひとつのラベルに過去の思い出が詰まっています。
この時期にふさわしい桜のデザインは、 冨成さん自身がインスピレーションを受けて考案しました。
3月8日って国際女性デーなんですよね。
女性として参加したいっていうのがきっかけで、華やかな桜で女性をイメージしました。日本らしさもあるし、伊那の高遠の桜が有名なので使いました。
すごいおいしいです。桜の香りしっかりしますね。
フローラルの香りの後に口あたりがまろやかです。最初に甘みを感じました。
和菓子と合わせると桜餅の味わいになりますし、苦みのあるお料理に合わせると桜の香りが引き立つかなと思います。
冨成さんは、さらに明るい未来を思い描いています。
この地域の魅力を発掘して、いろんな人に伝えたいです。
それがその人たちの生活を豊かにしてくれたらいいなと思います。
そういった人や素材とかに出会ったりとか、前向きにそういったものに出会えるように活動していきたいです。
クラフトビールには、長野県の魅力がギュッと詰め込まれています。
前向きに生きる一杯を届けようとする姿にとってもキュンとしました!
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