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あの夏 もう一度 元甲子園球児のリベンジ

大人達が目指す憧れの”甲子園”
  • 2023年08月09日

夏の全国高校野球が開幕中ですが、この夏、甲子園出場をかけて白球を追ったのは高校球児達だけではありません。高校野球卒業生たちが、世代を超えて同窓会チームを結成し、もう一度甲子園球場を目指す「マスターズ甲子園」の地域予選が7月に行われました。
長野県からは強豪 佐久長聖高校の卒業生チームが参加。ある選手のリベンジを取材しました。

グラウンドに集まったのは佐久長聖高校野球部の卒業生たち。

メンバーは19歳から最高齢の69歳まで。
あの夏の夢、甲子園出場を目指し一丸となって汗を流します。

佐久長聖高校は県内予選で優勝 北信越・東海地方代表とのトーナメントに挑みます。

今回、強い思いを持って大会に臨む選手がいます。
神津大輔さんです。

甲子園へ出場したときの記念のお皿。まぁ、背番号はなかったんですけどね。

当時、ファーストを守っていた神津さん。
しかし、2年生の秋、部員間の投票でマネージャーに選ばれました。

本当はね、ここにね、背番号をもらってユニフォームを着ていられたらっていうのはね
やっぱ、ずっと思ってましたよね。

マネージャー、イコール裏方だから、選手としてベンチ入りが目指せないんですよね。
それがすごい悔しくて悔しくて。

野球をする夢をそれからいっぱい見たんですよ。プレーしている夢を。何回も何回も。

当時の監督から、甲子園はマネージャーで決まると言われていたので、じゃあ頑張ろうと切り替えましたよね。その時は。

神津さんはグラウンド整備から、時には下級生の洗濯まで買って出ました。

3年生の夏、念願の甲子園出場。チームは1回戦で敗退。
神津さんは最後の夏をマネージャーとして終えました。
野球部を引退してから父親に言われた言葉が胸に長く残りました。

おまえは野球で成功できなかったけれども、社会人になったら、そいつらを見返せるぐらいの男になってやれ。

神津さんは大学卒業後、歩合制の営業職として就職。
一時は月に一度休めるかどうかのペースで働きづめでした。

その後転職にも成功。しかし、無理を続けたツケが襲います。

仕事中に倒れちゃって。自律神経失調症で、ちょっと鬱の気も入っているみたいな感じで。
体が悲鳴を上げちゃって、それが何かのサインだったんじゃないかなとは思ったりもするんですよ。そろそろ考えも変えなきゃいけないかなって。

休職してしまった神津さん。復調のキッカケは少年野球を始めた息子の存在でした。

長い間触れなかったボールを手に息子と過ごした時間が力になったと言います。

野球やって笑顔になっている姿が自分もそれで救われたていうか、自分もやりたいなというか。
やっぱ野球しかないなって思っちゃいましたね。

 

 


 

 

この夏、選手として再び甲子園を目指します。

6回、選手交代で回ってきた神津さんの打席。

 

 

 

 

全力疾走むなしく、結果はサードゴロ。

佐久長聖高校OBチームは毎回チャンスを作るも、あと1本が出ず、4対8で敗退。
甲子園出場を逃しました。

佐久長聖高校OBチーム監督 土屋道成さん

我々の甲子園へのチャレンジは今年で終わりじゃないし、3年という期限がついているわけじゃないので一生チャレンジしたいなと思っていますので。

悔しいです。体はどんどん動かなくなっていくけど、トレーニングをしてまた来年のマスターズ頑張りたいと思います。

高校野球から社会人、甲子園を目指し続ける神津さんの道はこれからも続きます。
 

  • 長野放送局

    古島洋太

  • 長野放送局

    甘利昇平

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