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岩手取材ノート

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岩手県知事選挙 候補者の最初の演説(全文)

  • 2023年08月17日

8月17日の告示日に行われた、2人の候補者の最初の演説をそのまま掲載します。

達増拓也氏

岩手県民の皆様、達増拓也でございます。ありがとうございます。
世界的なパンデミック。ウクライナでの戦争。そして、地球規模の気候変動など、世界全体で起きていることがこの岩手の仕事や暮らし、学びの現場に大きな影響を及ぼしています。一方で私たちは毎日のように大谷翔平さんの世界的な活躍にエンパワーされています。また、ニューヨークタイムズ紙が盛岡市を高く評価した記事によって、私たちは地方の良さというものを改めて見直しています。

生成AIというようなものも出てきておりまして、ここ数年の世界の変化、また私たちの身の回りの変化も大変ものすごいものがありますが、このような時代、世界やまた日本全体のことを意識しながら、この岩手の未来を生成していくためには、一人一人の県民を大切にする県政こそ必要なのではないでしょうか。ありがとうございます。

こういう時代だからこそ、世界を動かすことは地方からできます。むしろ、世界は地方から動かしていかなければならない。それが、私が達増拓也、35年前外務省に入って以来の経験を積み重ねた結果であります。岩手県民の皆さんと働くことを通じて、この岩手からこそ、全国を変え、また世界に対しても働きかけていくことができる。それをしなければならない、私がそれをすると覚悟しております。ありがとうございます。

今、目の前の喫緊の課題であります、燃料費・物価高騰に対しましては、これは緊急の対策を年度の途中にも随時行い、生活の場や、また事業の場で困窮に直面している皆さんに県からも迅速に支援をしてまいります。

また、人口減少問題も一人一人の生き方の問題です。結婚、そして出産、子育てが両立するような働き方。また両立するような十分な賃金が得られる職場を岩手につくっていかなければなりません。このような働き方改革、また賃上げとそして経済活性化のサイクルを岩手の中にしっかりつくってまいります。

岩手の財政はこの16年間で県債残高の減少などかなり改善をしてきました。この点、岩手県職員の皆さんにもだいぶ頑張ってもらいました。ありがとうございます。しかし、これから人口減少時代が続くことを考えますと、県財政、油断することはできません。そこで昨年、有識者の皆さんに希望行財政研究会を立ち上げて検討をしていただき、その結果を報告書にまとめました。あらゆる分野で効率化を図り、県の財政健全化を図ってまいりますが、今まで岩手が全国各都道府県に比べ、1人当たりの予算を多く使ってきた医療と教育については、これは岩手の強みとしてさらに充実させてまいります。ありがとうございます。

優れた事業構想が公共事業や、また民間投資を呼び込む時代になっています。東日本大震災津波の復興の成果でもある復興道路など、これを活用しながら岩手沿岸の底力を発揮する三陸復興防災ゾーンを発展させてまいります。内陸では北上川流域の自動車半導体産業集積をさらに促進し、先端的な産業と第1次産業、そして、世界遺産や神楽などの伝統文化が共生する北上川バレーゾーンを発展させてまいります。

そして岩手の北部につきましては、最先端の学術と特徴的な地域資源。そして豊富な再生可能エネルギーの可能性を結び付けた北岩手イノベーションゾーンを発展させてまいります。道路についても北北道路、大船渡内陸道路、そして陸前高田市と一関を結びます新しいトンネルの可能性。こうした復興事業以降の新たな道路ネットワークの整備につきましてもしっかりその手順を重ねてまいります。

岩手は東日本大震災津波、そこからの復興、そしてコロナ対策を通じて、一人一人の県民に寄り添う行政を発展させてきました。これを生かして県民の幸福度を高めてまいります。計画的に10の政策分野ごとに幸福関連指標を設けまして、県民、さらには岩手に関わるすべての人たちが、岩手での学び、岩手での仕事、岩手での生活を通して幸福度を高めていくことができる、そのような岩手を推進してまいります。

そのような岩手を推進するに当たって33市町村との連携をさらに強化してまいります。 4期16年の知事の仕事を通じて最も私が深く感じているのは、33の市町村の魅力とそれぞれの可能性です。特に人口の少ない町村。これが光り輝くようでなければなりません。人口の少ない町村を守り抜く。これを岩手県民の共通目標としながら33の市町村がすべて光り輝く魅力にあふれる岩手県、それが希望郷その先です。みんなで一緒に行きましょう。ありがとうございます。

千葉絢子氏

おはようございます。きょう、この日をついに迎えることができました。
立候補表明から8か月がたち、県内を4周させていただきました。
さまざまな地域の皆様と話をし、圧倒的に足りていないのは県とそれから県民の皆様との対話であるということを確信する日々でございました。

例えば1次産業の振興の問題、農家の所得を上げるためにはどうすればいいか。 わたくしはこの岩手に生まれ育ち、子どもを養っている身としては、農業政策をしっかりし、命の源となる食糧生産県岩手のプライドを取り戻すことがなによりも大切だというふうに感じております。

農家の所得を上げるために今この固有品種である銀河のしずくを、栽培条件を緩和し全県で栽培できるようにすること、岩手のお米のブランド力を高め、それがしっかり農家の所得向上につながっていくこと。これを基本に考えていきたいと思っております。

また岩手県の県土のおよそ8割を占める森林資源を生かし、新しい産業とのコラボレーションのもと、県民の皆様の所得向上のために岩手にある資源を有効に活用していくこと、このことも非常に大切だと思っております。

また、地球環境に影響を及ぼしている二酸化炭素の削減のため、出した二酸化炭素をしっかり回収しそれを植物の成長につなげ、林業、あるいは海岸での藻場の再生に使うなど、さまざまな利用をしていく、新しいアイデアを、雇用それから産業の振興につなげていく。 まだまだ岩手には潜在能力がたくさんあると思っております。

こういったもとからあるもの、そしてこれから新しく作り上げていくもの、そういったものをしっかりと県民の皆様の将来につなげていくこと、そのことが人口減少社会の中でもしっかりと経済成長を実現し、100年先も本当に安心してここで家族を作り、仕事をし、安心して年を取っていける岩手をつくっていくのだとわたくしは確信をしております。 本日まで皆様方にお支えをいただいて、この日を迎えられたこと、17日間、皆様お一人お一人の顔を浮かべながら戦っていきたいと思います。

私たちは変えられます。この岩手を変えるために、すべては未来の岩手のために、一生懸命頑張らせていただきます。どうか皆様わたくしを信用して、後押しをして、そしてついてきていただきたい。どうかよろしくお願いいたします。ありがとうございます。

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