宮崎初！プロ野球チーム・サンシャインズのトライアウトに挑む

宮崎初のプロ野球チーム「宮崎サンシャインズ」

２０２２年１１月５日。ヤクルトのキャンプ地、西都原運動公園野球場。
来季から独立リーグ・九州アジアリーグに参入する「宮崎サンシャインズ」の
第１期生を選考するトライアウトに、全国からおよそ６０人が集まりました。

“門川の神童” トライアウトに挑む

宮崎・門川町からやってきた２０歳の田中大豊さん。
直前の９月まで、関西独立リーグのチーム（堺シュライクス）に所属していましたが、
このトライアウトを受験するために迷わず退団。一番乗りで申し込みました。

田中さんは小学校の頃から、地元では知られた存在。
「高卒でプロ野球（NPBのセパ１２球団）に入りたい！」と強豪・延岡学園に進み、
１年生から外野手として活躍してきました。
しかし、甲子園には出られぬまま、３年生の夏のラストチャンスは、コロナ禍に奪われます。

いったんは関東の強豪大学に進みますが、
「一刻も早くプロに行きたい」と、卒業を待たずに関西の独立リーグを受験し合格。

そして、やっとの思いで、レギュラーの座をつかみかけた時でした。

今度は、練習中に打球を追って頭を強打し、血管が破裂する大けがを負ってしまいます。

地元でチャンスをつかみたい！

地元に球団ができるなら、心機一転、もう一度挑戦したい。
田中さんが再び前を向けたのは、ずっと見守ってきてくれた友人がいたからです。
高校時代のチームメイト、飛松大希さん（とびまつ・だいき）。
田中さんが受験のために帰郷して１か月、会社の休みには必ず、母校での練習につきあってきました。

１００人いた部員の中でもいちばん仲が良く、遠征に向かうバスでもいつも隣りどうし。
諦めずにもがく田中さんを、「自分で決めた道を信じろ」と励まし続けてきました。

自分はもう野球を辞めてしまった。
だからこそ親友には、納得のいくまで夢を追ってほしいと言います。

トライアウト 運命の３打席

いよいよ、実戦形式での試験が始まります。

参加者たちを集めた、球団代表の深江義和さん（52）。
野球の技術もさることながら、宮崎に生まれる待望のプロ野球チームをゼロから一緒に作り上げ、地元を盛り上げようとしてくれる選手が欲しいと、こう呼びかけました。

まずはバッティング。チャンスは、３打席。

田中さんは、ノーヒットに終わります。

それでも、支えてくれた仲間に恥じぬよう熱さだけは伝えたいと、全力でプレーを続けました。

選考の現場に密着 田中さんの結果は！？

そう振り返った田中さんでしたが、首脳陣の評価は。

・・・「合格」です。

再びスタートラインに立った田中「選手」。まずは開幕スタメンを目指します。

トライアウトを受験した延べ８０人のうち、合格したのは３０人。
その中で、宮崎出身は田中選手１人です。延岡学園時代の同級生は、
ほとんどが野球を辞めているそうで、彼らのためにも
「自分が代表としてプロに行くんだ」と誓っていました。
開幕戦は３月１８日です。