ページの本文へ

NHK宮崎WEB特集

  1. NHK宮崎
  2. 宮崎WEB特集
  3. 台風14号 給食に「非常食カレー」断水続く高原町で調理できず

台風14号 給食に「非常食カレー」断水続く高原町で調理できず

  • 2022年09月27日

台風14号による断水が続く宮崎県高原町。そんな中21日から町内の小中学校3校で始まったのは非常食の給食。高原町の学校生活への影響や災害時の非常食を取材しました。

高原町では7割余りが断水

台風14号による断水が続く高原町では、山あいで発生した土砂崩れで、町内の7割余りの世帯に水を供給する常盤台水源地と浄水場を結ぶ配管が壊れ、町内の広い範囲で断水が続いています。町によると26日未明に仮設の配水管の設置作業を終えて、今週30日(金)の断水解消を目指して水質の検査などを進めることにしているということですが、断水の長期化で、幅広く町民の生活に影響が出ています。

断水地域の給食で提供されたのは…

そんななか、町内の小中学校あわせて3校で21日から「非常食」が給食として提供され始めました。断水の影響で一部の地域では給食の調理ができないためです。このうち高原中学校では、生徒たちがタンクにためた水を使って手を洗ったあと、米とルーが一緒に袋に入っていて、そのまま食べられる非常食のカレーなどを食べていました。非常食は急きょ、町が用意したもので、断水が復旧するまでの当面の間は続く予定だということです。

高原中学校に取材をしたところ、週が明けた26日(月)にはパンと牛乳、ぶどうゼリー、ジャムが提供され、27日(火)には月曜日の内容にウインナーが追加され、28日(水)にお弁当が届く形に変更される ということでした。

21日(水)に提供された「救給カレー」は、災害時、ライフラインが途絶えた中、救援物資が届くまでの72時間、「命をつなぐ」ための非常食として開発されたものだということです。

学校生活への影響は給食以外にも

学校の授業自体は通常どおり行われていますが、このほか断水の影響でバケツにためたプールの水をトイレに利用しているほか、家庭で洗濯ができない生徒もいることから、制服以外の服装での登校を認めるなどの対応をとっています。

水の入ったバケツを2時間目終了後の「休憩」や「昼休み」に、子どもたちが中心となって、各トイレに補充しています。先生たちは「子どもたちは苦しい表情を見せず、笑顔で作業を行っているのでとても頼もしく感じます」と話していました。

給食を食べた3年生の女子生徒は「非常食ですがおいしかったです。学校ではトイレや手洗いなども思うようにできず困っています。節水に取り組みたい」と話していました。

そのほかにも「水の大切さに改めて気づいた。水の出しっぱなしには気をつけたい」と話す男子生徒もいました。

甚大な被害が出た今回の台風14号。普段の生活が送れないことで、日頃から十分な備えをすることが大事だと改めて気づくことがありそうです。

ページトップに戻る