宮崎の10代の短歌　サラダ記念日俵万智さんが解説　NHK宮崎

2022年09月27日

このコーナーでは宮崎の「わけもん」若い世代の瑞々しい短歌を紹介していきます。
9月のテーマは「光」です。

このテーマにちなんだ短歌を詠むテーマ詠としばりのない自由詠、
それぞれの優秀作品を毎回1首ずつ紹介します。

テーマ詠「光」

テーマ詠は日向市立財光寺小学校6年の、初田樺奏さんの作品です。

「ほたるだよ」という初句がとても印象的ですね。これでグッと読者をひきつける歌になっていると思います。それからもう一つ、夜空に浮かぶ光を「一、二、三、四、五」と、ちゃんと歌の中で数えているという所がいいですね。

まさに作者はきっと、「ほたるだ！ほたるだ！」って数えたんだなってことが、こうやってちゃんと数字で表した所で伝わってきます。リズムの上からは「一、二、三、四、数えきれない…」という風にした方がまとまりはいいんですね。

ただ、それをあえて「一、二、三、四、五」まで言うことで、この作者は本当に数えたんだなということが伝わってくるんじゃないかなと思って。こういう字余りだったらOKじゃないかと思います。

自由詠

自由詠は、宮崎市立広瀬小学校6年の、大坪星那さんの作品です。

この歌は比喩・例えがとても素敵な歌ですね。短歌にとって例えというのは本当に大切なことで、それが上手くいくか、いかないかで、一首の命が決まるようなところがあります。

この作者は、夏の海の海面、キラキラと光っている所を、ビーズをたくさん浮かべたようって表現したんですね。なるほどという風に思いました。

私自身、川面にキラキラとしているのを「光の粒がまかれているようだ」っていうような歌を詠んだことがあるんですけれど、そうか、この人はビーズっていう風に表現したかと思って、たいへん関心した歌でした。