ページの本文へ

NHK宮崎WEB特集

  1. NHK宮崎
  2. 宮崎WEB特集
  3. ”テゲバウォッチャー”福西&前園の目 連敗からどう立て直す?

”テゲバウォッチャー”福西&前園の目 連敗からどう立て直す?

  • 2022年06月28日

前節までの5試合で1得点と決定力不足が課題となっているテゲバジャーロ宮崎。26日に行われた岐阜戦では、前半に工藤壮人選手のゴールで3試合ぶりに先制しましたが、前半ラストプレーでコーナーキックから同点に追いつかれ、後半は立て続けに3失点。終わってみれば1-4と今季最多の4失点で完敗でした。試合を解説した元サッカー日本代表の福西崇史さんと前園真聖さんにチームの課題とこれからの戦い方を伺いました。

勝負を分けた”後半の入り方”

福西:テゲバの選手たちから勝ちたい気持ちは伝わってきた。「これ以上負けたくない」との思いで前半はチームがまとまっていたし、「こぼれ球への意識」や「相手へのプレッシャー」にも表れていて非常に良い入りだった。ただ後半は、前半の最後に失点したことがショックだったのか立ち上がりから相手の勢いにのまれてしまい、自分たちのペースに戻せなかった。

前園:今日のように点差が開くような力の差はなかったので非常に残念。暑かったので前半からギアを上げるなかで、後半どう戦うかのコントロールが難しかった。試合の経験も含めてですが、もう少しやり方があったのではと感じた。

福西:FC岐阜は後半16分に点が獲れて、そこからリズムをあげられた。テゲバは少し受け身になってしまったのが残念。僕がピッチにいたらサイドにスペースがあったので、サイドのどちらかにまずは起点を作ってサイドに人を寄せるようにする。岐阜はまえがかりに来ていたので、中央で時間を作るのは少し難しかった。

前園:テゲバはボールをしっかりつないでいくスタイル。福西と似ていますが、(ピッチの)中が密集したときにはサイドに起点を作って、数的優位の状況を作ることが大切。外を使ったら今度は中を空けて…という臨機応変な対応をしていきたい。千布選手がいるので中央での攻めではいい形で縦パスが入っていたが、ちょっと中に密集し過ぎている印象がある。中とサイドの両方を使い分ける”メリハリ”をつけたほうがよい。

これからのテゲバに必要なことは?

福西:チームに対して”怒れる人”というか「こうしよう!」という”メッセージを出せる人”が今日はいなかった。もちろんボールでコントロールする方法もあるが、相手のプレッシャーが早いと自分たちのやりたいことを実現させるのは難しい。想定外の状況になった時こそ、ゲームの最中にも「いまはこう対応しよう!」というメッセージを攻守の要である千布選手や、キャプテンの代選手が、率先して示さないといけないし、彼らにはそれを期待したい。

前園:先に点を獲ったら「2点目をどう獲りにいくか」が大事。”決定力”が足りないと指摘されているが試合を決めにいく「タイミング」、実際に決めきるためのパスの質や人の動きといった「最後の判断」の部分で、最近点がとれていない所以が垣間見えてしまった。タイミングの意思統一、最後の判断に精度が加われば変わるのではないか。

福西:周りは決定力不足って簡単に言うけどね。フィニッシュのところまでに相手をどう崩しているかでシュートのときの余裕は全然違う。その前のパスがしっかりしていたら、次のシュートもしっかりする余裕がある。1つ1つの積み重ねをこだわりながらやらないといけない。
これからのテゲバは「頭を動かすこと」が大事。前半は疲れもあるけど、足が動いてるから頭も動いている。相手が変化をつけてきた時に頭を動かしている人がどれだけいるか。今日は行き当たりばったり、その場しのぎになっていた。どうポジショニングをとるかセカンドボールはどこに来るか、ミスしたらどうカバーするか。予測していれば足も動いて反応が早くなる。疲れる中でも頭を動かせと言いたい。それだけで全く変わってくる。

前園:最初にも言いましたが、この点差が広がるような戦力差ではなかった。これからの季節は暑くなってくるので試合運びがより大事になってくる。今日みたいに前半に前からプレスをかけて点が獲れればいいけど、あれをやるなら前半にもう1点獲ってほしかった。あの運動量を90分続けるのは暑い夏場では無理なので、後半疲れてきたらどう戦うか、フィールドでのリーダーシップも含めて全体的なゲームコントロールをもう少し上手くできるようになってほしい。

テゲバへエールをお願いします!

福西:今日この点差で負けたからといって落ち込む必要は無い。ただし、やるべきことはしっかりやり続けないといけない。これから暑さが加わって、難しい場面も出てくるだろうけど、パス回しやプレスなどの連動はこだわってやってほしい。それがチームにとってプラスになるだろうし、結果にもつながると思う。今まで続けてきたことは間違っていないので、こだわりを持ってやってもらいたい。

前園:シーズンは長いのでうまくいかない時期はあるし、我々もたくさん経験してきた。まずは”切り替える”こと。そのうえで自分たちが積み上げてきたことは続けて、修正すべきことは修正する。その中で、リーダーシップをとってチームを引っ張る選手が出てこないといけないし、その選手だけでなくチーム全体がチームを変えていこうという気持ちを持ってほしい。

テゲバジャーロ宮崎は14節を終えて、4勝6分4敗で11位につけている。次の試合は7月2日にアウェーでいわきFCと対戦します。3連敗とチームとして苦しい状況は続きますが、気持ちを切り替えて次の試合に臨んでほしいと思います。

ページトップに戻る