大学生が干しいもの「残さ」でレシピ開発 高栄養&SDGsに貢献
- 2024年04月05日
茨城県は干しいもの生産量日本一を誇りますが、加工する時に捨てる部分、「残さ」が大量に出て課題になっています。それを食品として生かそうと地元の大学生が奮闘中!!
(水戸放送局 ディレクター 小澤昌之)
原料の4割が使われていない・・
秋に収穫したサツマイモを熟成させ、冬から春にかけてつくる干しいも。ねっとりとした食感と独特の甘さがあり、ビタミンCや食物繊維が豊富。幅広い年代に人気があります。
干しいもは、蒸したサツマイモの皮をむいてから干します。この際、黒ずんでいる実の外側まで、厚めにむいていきます。これにより、光沢のある美しい干しいもができあがり、消費者から高い評価を受けてきました。
課題は大量に発生する未利用部分、「残さ」です。干しいもの産地・茨城県東海村の2018年の調査によれば、原料のサツマイモの4割が残さとなり、村全体では年に920トンにのぼります。残さは、畑に埋めて処分すると悪臭などの問題があり、産業廃棄物として対応すると生産者の負担が大きくなります。
そこで立ち上がったのが「干し芋残渣削減プロジェクト」。民間企業、東海村、茨城大学の産官学が連携し、干しいもの残さを食品として活用する挑戦を2年前にスタートしました。
捨てていたのに・・・驚きの栄養と甘さ
まず、干しいもの残さをペースト状に加工して、栄養分析を行いました。
その結果、糖度は40から50度と高く、ポリフェノールはいもの内側の約4倍。食物繊維も豊富なことが分かりました。
このすぐれた特徴を様々な料理に生かそうと、レシピ開発に乗り出したのは茨城大学教育学部で家庭科を学ぶ学生たち。現在、4年生7人が活動し、考案したレシピは20以上にのぼります。
プロの目にとまり 続々と商品化
活動の情報は毎日SNSで発信。すると、さまざまな業者から残さを活用したいという反響がありました。
かりんとう、アイスクリーム、スイートポテトや生ドーナツなども商品化。
この春、活動は3年目に入り、残さを活用した食品の生産・販売をさらに拡大し、具体的に残さの削減につなげていくことを目指しています。