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私たちの食べ物がピンチ【インスタ画像でわかりやすく解説】

お米に、野菜に、果物。

私たちの食卓で当たり前だった国産の農産物が今、大ピンチに。

多くの農家が赤字経営に陥っているとみられていて、農家をやめていく現状も…。

(NHK「クローズアップ現代」より)

※サムネイルの画像を矢印に沿ってスワイプすると、インスタグラム「地球のミライ」で投稿した画像の続きを見ることができます。

当たり前のように食べている 私たちの食べ物がピンチに!

私たちの食卓を支える農家が危機に...
国際情勢の影響で農作物の生産に必要な燃料は4割アップ、エサは5割アップ、中でも肥料は7割アップしています。しかし、農畜産物の価格はほぼ横ばいに。この大きなギャップにいま、農家の人たちは追い詰められています。

2022年11月に行われたアンケートによると、比較的規模の大きい農業法人のおよそ半数が「経営が赤字になった」と回答。こうした中、「価格転嫁できていない」という答えが55%と半数以上を占める結果に。

値上げできないワケ

東京大学大学院 鈴木 宣弘 教授

「通常の農作物の流通はJAや市場を通していて、全国チェーンのスーパーなど小売りが大きな交渉力を持っています。スーパー間の競争が激しく、価格が上がるとほかに客を奪われるので極めて値上げがしにくいのです」

そもそもなぜ値上げに?

いま、生産に不可欠な化学肥料の値段が高騰しています。最大の輸入先である中国が肥料輸出を規制したことや、ウクライナへの軍事侵攻によって、輸入先だったロシアやベラルーシーからの流通が減ったことが背景にあるのです。実は、日本は化学肥料の原料のほぼすべてを海外からの輸入に頼っているのです。さらに、コロナの影響で主食用の米があまる現象が起き、価格が下落しているという状況も追い打ちに…。

東京大学大学院 鈴木 宣弘 教授

「1俵60キロで1万5,000~6,000円だった米の価格が9,000円台まで急落した地域があり、現在も回復していません。これまで農家の我慢で何とか持ちこたえてきましたが、このままでは本当に農業をする人がいなくなります」

世界で拡大 農薬・化学肥料を使わない持続可能な有機農業って

いま、世界で有機農業が注目されています。有機農業は、化学肥料や農薬を使用しない、遺伝子組換え技術を利用しない、環境への負荷をできる限り減らす農業のことをいいます。日本は有機農業の耕作面積を全体の25%に拡大する目標を掲げていますが、最新のデータでは0.6%に。(農林水産省まとめ)

愛知学院大学 関根 佳惠 教授

「従来型の農業を行ってきた農家は―
・日本は温暖多湿で農薬がないと病害虫の被害が深刻
・除草剤を使わなければ草刈りに余計な人手が…
・肥料を使わないと収穫が激減する
と考えている人が多く、いまひとつ広がっていません。有機栽培に転換しても土壌の微生物が回復するまで3~5年ぐらい収量が下がる事が多く、やめてしまうケースも」

愛知学院大学 関根 佳惠 教授

「国や自治体などの公共施設で、有機食材を積極的に利用するというやり方も。フランスでは学校給食はじめ、公共施設で20%以上有機食材を導入することを義務化しています。有機農業の市場をつくり、有機農業を普及する方法です。日本でも全国の自治体で学校給食に有機食材を導入し、有機農業を地域に定着させる取り組みが急速に広がっています」

私たちが安心して暮らすためには、地球環境と調和した食料・農林水産業が必要。有機農業を推し進めることは環境への負荷を減らすだけでなく、生物多様性の保全や地球温暖化防止などに高い効果を発揮すると期待されています。農村のSDGs達成にも貢献!

インスタグラムでも画像を公開中

インスタグラム「地球のミライ」では、環境問題や気候変動のほかSDGsの達成に向け、いま課題になっていることを写真やグラフィックで紹介しています。こちらも合わせてご覧ください。

インスタグラム「地球のミライ」※NHKサイトを離れます

インスタグラム「地球のミライ」はこちらから※NHKサイトを離れます

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