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「肱川あらし」をねらえ!天気カメラを設置 大洲

放送の裏側 技術業務をご紹介します
  • 2023年11月29日

「肱川(ひじかわ)あらし」、愛媛にお住まいの方は聞いたことがあると思いますが、実際に見たことはありますか?
初冬の朝、上流の大洲盆地でできた霧が肱川の上を滑るように降りてくる、白い霧を伴った冷たい強風が河口を吹き抜けていく現象です。河口の町の長浜は霧にすっぽりと包まれます。とても珍しい気象現象で、その様子はどこか幻想的な雰囲気があります。
そんな肱川あらしをカメラに収めて愛媛の方々にお届けしたい!いつ見られるかわからない自然現象を撮影するべく、私たち技術チームは季節限定の「天気カメラ」を設置しました。

(NHK松山放送局エンジニア 寺川季里)

天気カメラとは

「天気カメラ」とは、放送局から遠隔で操作できる屋外カメラです。
「ひめポン!」や「ひるどき四国」などの番組で、県内各地の今現在の様子を映した映像を見たことがありませんか?これらは全て放送局からの操作で撮影しています。愛媛県内の様々な場所に設置していて、その日の天気の状況や番組で取り上げる話題などからカメラを選んで番組の中で使っています。

「肱川あらし展望公園」でのカメラ設置作業

そんな遠隔操作で撮影ができる天気カメラを、期間限定で愛媛県大洲市の「肱川あらし展望公園」に設置しました。事前に大洲市役所から設置にあたっての許可を得ています。

肱川を河口から広く見ることができる展望台の上にカメラを設置します。この日はあいにくの雨の中での作業となりました。

カメラを設置するにはたくさんの機材が必要です。まずはスタッフで協力して展望台の上まで運び込みます。天気カメラを使うためには、撮影するためのカメラ部分だけではなく、撮った映像を電波に乗せて放送局まで届ける機器も必要になります。様々な精密機器が強い風や地震などで動くことがないように頑丈な足場を組み立て、機器をしっかり固定し、電波を発射するためのアンテナを取り付けます。下の写真は足場を組み立ているところです。

そうして組みあがった送信装置がこちらです。

上部についている白くて丸いものが送信アンテナです。これを使って電波を発射し、山の上にある受信基地を経由して放送局に映像を届けているのです。肱川に向けたカメラと、組み立てた伝送装置を接続して、設営は完了です。この後、放送局からの遠隔操作や映像・音声の品質に問題がないことを確認して、作業終了となりました。

映像は、テレビでもWEB/SNSでも

この日は雨ということもあって肱川に沿って薄く霧が見え、肱川あらしの片鱗を感じました。これからテレビで見られることを楽しみにしていたところ、早速朝の番組でリアルタイムの「肱川あらし」をお届けすることができました。(下の動画をご覧ください)今後も愛媛県向け・四国向けの放送だけでなく、「おはよう日本」での全国向け放送やWEB/SNSで紹介できるよう頑張ります。

テレビの中で何気なく見ている映像の裏側には、私たち技術スタッフの仕事があります。その中の一つとして今回は「天気カメラ」の設置を紹介しました。「天気カメラ」は各地の天気の様子をリアルタイムでお届けすることができますが、災害時にはいち早く現場の状況を捉えて放送するという大事な役割も担っています。日々のニュースの中で見かけた時に「こんなところにもカメラが付いているんだな」と気にかけると、ニュース番組をもっと楽しく見られるようになるかもしれませんね。

放送した映像がこちら

2023/11/22(水) 07:45 「おはよう四国」より

  • 寺川季里

    寺川季里

    2023年入局。放送に関わる技術業務を担当。 福井県出身。入局して驚いたことは、天気カメラは思っていたよりも操作の自由が利くこと。天気カメラで撮影しているお気に入りの風景は、夕方の来島海峡。

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