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J2昇格目前 愛媛FC広報に聞く

  • 2023年10月30日

J2昇格、J3優勝を目指し、首位をひた走る愛媛FC(33節終了時)。 
今節(34節)、11月5日(日)にホームで行われるY.S.C.C.横浜戦では、条件次第でJ2昇格が決まります。大一番を前に、愛媛FC広報の菅浩雅さんに見どころなどをお聞きしました。 
※10月30日(月) 「ひめゴジ!」ラジオ第1(愛媛) で紹介した内容を再編集してお伝えします。

アウェーで連勝 波に乗る愛媛FC

岸本 
まずは、前節の奈良戦についてお尋ねします。敵地で、リーグ最少失点(前々節終了時)の堅い守備を誇る奈良から3点を奪い、快勝しましたね。試合をどうご覧になりましたか?

菅さん 
現地に同行しましたが、多くのサポーターが奈良まで応援にきてくれたことがうれしかったです。そんな中で今季最高といっても良いほどのパフォーマンスを選手が披露してくれました。J3優勝、J2昇格争いとプレッシャーが続く状況の中、アウェーの連戦で勝ち点を持って帰ってこられたことが大きいです。今節のホーム戦、Y.S.C.C.横浜との試合を最高の状態で迎えることができます。

3位の富山が引き分けたため、今節、富山が引き分け以下で、愛媛が勝利すれば、J2昇格が決まります。ようやく昇格の文字が見えてきたのではないでしょうか?

石丸監督が普段から口にしているように、「我々はまだ何も成し遂げていません」ので、しっかり地に足を付けて、今節の試合に臨みます。 
ただそうは言っても、昇格の可能性がある試合なので、スタッフとしてもその準備はもちろんしております。

<MEMO>愛媛FC 今節(34節)での昇格の条件 
J2昇格は2チーム。 
3位以下の18チームが、首位の愛媛FCの勝ち点を上回る可能性が消えた時点で、愛媛FCの昇格が決まる。 

・愛媛FCの勝ち点は64。今節勝てば67。 
4位の今治以下の17チームは、残り5試合全勝しても届かない。 
3位の富山の勝ち点は53。残り5試合全勝すれば68で上回るが、1試合でも引き分け以下になると、最高でも66までしか伸びず、愛媛に届かない。 
つまり 
今節、富山が引き分け以下(引き分けか負け)、愛媛が勝利すると、J2昇格が決まる。 
富山の試合は11月4日(土)、愛媛は11月5日(日)。 
富山の結果を受けて、愛媛が試合を行うことになる。

若手の台頭とベテランの融合

今季は、ここまで首位をキープしています。6月から14試合負けなしの後、9月下旬から10月上旬にかけて、3試合勝利がない状況が続き、ここにきて、また3連勝(33節終了時)と復調してきました。チームの状況はいかがですか?

鹿児島と富山に2連敗した直後は、さすがにチーム内の空気もピリッとしていました。取材の依頼などもお願いしづらいくらいに・・・。 
ただチームは“ここまでやってきた自分たちのサッカースタイル”を信じて、敗戦後も基本的なメンバーなどは変更しませんでした。また石丸監督中心に、ベテランの森脇選手らが若いこのチームを裏から支えていることなどが復調の要因かと思います。

今季は、中盤のボランチコンビ、谷本選手と深澤選手、ゲームメイカーの石浦選手など、20代前半の若手選手の活躍が目立っていますね。若手の活躍をどう見ていますか?

J3リーグ全体でみても、我々は試合に出場する選手の平均年齢が若いチームです。 
谷本選手・深澤選手は大卒1年目の選手ですし、プロキャリアこそ二人より先輩ですが、石浦選手はその二人より一つ年下の21歳(11月で22歳)で、この3人が今の愛媛FCの中心といっても過言ではないくらい今の愛媛には必要な3選手です。 
谷本選手は、守備力こそ不安ですが打開力のあるボランチです。前を向く技術や、前に向かう姿勢が彼の一番の武器です。 
深澤選手は、谷本選手のウィークポイントを補ってくれる守備力と展開力を持っています。 
小学校時代から知っている二人だからこそ、ピッチでは息のあったコンビプレーを見せてくれています。 
ここにゲームメイカーであり、同時に意外性も併せ持つ石浦選手が加わることで中盤がさらに活性化されているという状況です。 
石浦選手は華やかなプレーを好む選手でしたが、ここ愛媛で泥臭く献身的にプレーすることを身に付けました。見た目とは相反するプレースタイルも魅力的な選手です。 
この3選手ともにいえることですが、シーズン序盤は試合に起用されることが少なかったのですが、シーズンを通してコーチ陣を中心に若手を成長させることができるのが愛媛FCの魅力の一つでもあります。

小学生のころから知り合いの深澤選手(左)と谷本選手(右)

若手が活躍する一方で、32歳のフォワード松田力選手や、37歳の森脇選手など、ベテランもいます。昇格に向けて、プレッシャーがかかる中で、こういったベテランは、チームにとってどんな存在でしょうか?

ベテランの存在はやはり大きいですね。今年の愛媛FCは非常に若いチームなので、GK徳重選手・DF森脇選手・FW松田選手のように、チームを引っ張ってくれる存在は見本にもなりますし、道しるべにもなっています。
特に、10月15日に行われたホームのギラヴァンツ北九州との試合前に、森脇選手自らチーム全体に“優勝したい気持ちは一旦ロッカーにおいて、試合を楽しもう”と、優勝・昇格で気持ちがまとまり切れていないチームに対して、ベテランらしい経験談でチームを一つにまとめてくれたことは“さすがだな”と感じました。

サポーターを楽しませたい

今年は4年ぶりに、ホーム勝利後の餅まきが復活しましたが、ホームでの勝利も多く、かなり盛り上がっているのでは?

餅まきが行われる時間帯ですが、広報の私は記者会見や選手の取材対応で全く外の様子はわかりません・・・苦笑。
お客さんも非常に喜んでくれているのはもちろんなのですが、何よりも選手たちもこういった企画に楽しんで参加してくれるのはスタッフとしても嬉しいことです。残り3試合全てのホーム戦で勝利し、餅まきやりたいですね。

選手も観客も一体となって楽しむ勝利の餅まき

話変わりますが、動画配信サイト『YouTube』の愛媛FCの公式チャンネルで、『解説するけん』という企画がありますね。ゴールを決めた選手自身が、そのプレーを動画で解説するというものです。先日の奈良戦も、さっそくアップされ、ゴールを挙げた石浦選手や森下選手が詳しくゴールシーンを解説されていました。この企画の意図は?

単純に“サッカー選手ってすごいんです!”ってことを伝えたかったのがきっかけですね。“サッカー選手の視点・感覚ってどういったものなのか?”を言語化し、それを実際の動画を見ながら振り返ることで、サッカーをしたことない人にも少しでも彼らのすごさが伝われば良いかなという気持ちで企画しています。 
反応も上々で、多くコメントもいただいています。まだまだ伸びしろのあるコンテンツです。

昇格決めるか 運命のY.S.C.C.横浜戦

さあ、今節、昇格の可能性があるホームY.S.C.C.横浜戦を迎えます。NHK松山局でも、その注目の一戦を総合テレビで生中継しますが、対戦相手の特徴などをふまえ、見どころを教えてください!

8月下旬に倉貫監督就任してから非常に調子が良いY.S.C.C.横浜との試合になります。また直近4連勝と勢いのあるチームです。我々も前半戦は終了間際に失点を重ね、2-3で敗戦しておりますので、絶対にリベンジします。 
特にこの4試合は、元愛媛FCの小島秀仁(2015~2017)選手が全てスタメンで出場しているので小島選手がキーになっている可能性がありますし、彼とのニンスタでの対戦が非常に楽しみです。

<MEMO>転機となった“悪夢のY.S.C.C.横浜戦” 
6月10日(土)第13節 inニッパツ三ツ沢球技場 
Y.S.C.C.横浜3-2愛媛FC(前半1-1 後半2-1) 

前半2分に先制されるが、その後、愛媛はベン・ダンカン選手と松田力選手のゴールで逆転に成功する。 

勝利目前の後半アディショナルタイム、相手にペナルティーキックを与えてしまい、Y.S.C.C.横浜の福田翔生選手に決められ同点。さらにその2分後、ディフェンスラインの裏に抜け出した福田選手にハットトリックとなる3点目を決められ、痛恨の敗戦。 
掌中に収めかけた勝ち点3が、試合終了間際のわずか数分間でこぼれ落ちたショッキングな敗戦となった。 
しかし、愛媛FCは、この試合以降、14試合負けなしと快進撃。チームが変わる大きなターニングポイントとなった。 
なお、この試合でハットトリックを達成したY.S.C.C.のFW福田翔生選手は、J3での活躍ぶりが注目を集め、移籍期間中の8月に、J1の湘南ベルマーレに移籍した。

J2昇格&J3優勝に向け、残り5試合です。今後に向けての抱負をお願いします。

ホームでJ2復帰(昇格ではなく、あえて“復帰”という表現で)を決めて、最後はJ3優勝で締めくくりたいと思います!

注目の今節、愛媛FCは、11月5日(日)、ホームのニンジニアスタジアムで、9位のY.S.C.C.横浜と対戦します。この試合は、NHK総合テレビで午後1時5分から生中継します。

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