天皇杯・準決勝 ロアッソ熊本 7年越しの恩返しを
- 2023年10月07日
サッカー天皇杯・準決勝の会場は、柏のスタジアムです。
7年前の熊本地震の後、ホームで試合ができなかったロアッソの会場として、手を上げてくれたのが柏のスタジアムでした。
その7年前の試合に出場した選手と 運営に関わったクラブスタッフに、柏戦に向けた思いを聞きました。
(熊本放送局キャスター・渡慶次 秋穂)
ロアッソの 上村 周平(かみむら・しゅうへい)選手。
ジュニアユースのチームに入って以来、ロアッソ一筋です。
2度の震度7に見舞われた益城町の出身です。
実家にいて 前震の時はテレビを見ていて、本震の時は寝ていて。
近くにグランメッセというところがあるんですけど、そこの駐車場にいろんな人たちが避難してきていて一緒に避難していました。
サッカーには身が入らなかったというか、本当に地震のことばかり考えていました。
いつまた大きな地震がくるかわからなかったし、サッカーのことは あんまり考えられなかったという感じ。
クラブスタッフの 岩水 香織(いわみず・かおり)さん。
地震が起きた当時から スタッフとして働いています。
地震の後のチームの動きを話してくれました。
当時の社長、強化部とか監督が 柏レイソル出身だったということもあり、いろんな事があって 柏レイソルさんにJリーグと当時の社長がお願いして、快く引き受けていただいて会場が決まった。
どちらかというと ホッとしたというか、やっと試合会場が決まったという状況だったと思う。
地震から1か月後、被害を受けたロアッソのスタジアムに代わり、柏の本拠地がリーグ戦の会場となりました。
当時の(柏の)スタッフの方に 「クラブ総出で手伝いをするので大丈夫だよ」と言ってもらった。本当に “ 感謝 ” という気持ちしかなかった。
上村選手は、この試合にフル出場。
チームは敗れましたが、強い印象が残ったといいます。
それまでリーグ戦というのは 毎週のように当たり前に行われていたが、あらためてそれは当たり前じゃないんだなと感じたし、こうやってたくさんの人が応援してくれているんだなと実感できた。
「いつもの黄色いスタジアムが赤くなるんだ。すごいな」と私たちも思った。
試合中も「ゴール裏に人がたくさん入っているな」と思いながら。
試合も見ていましたけど、どちらかというとたくさん応援してくれる人を見ていたので、それはすごく今でも印象に残っている。
今シーズン、上村選手は中盤の要としてチームを支え、40試合に出場しています。
J1柏に対して真剣勝負の舞台でやり合っている姿が、一番の恩返しかなと思います。
もう楽しみしかないです。不安もないし、自分たちがチャレンジャーだと思っているので、どこまでやれるのか楽しみ。結果を求めてやりたいと思います。
チームを裏側で支え続ける岩水さん。
地震の時に助けてくれた柏の選手やスタッフ、サポーターに いまのロアッソの思いを見せたいと考えています。
柏に行くのは2016年に試合をした以来。
7年前にたくさんの人に助けていただいた感謝の思いとかそういうのを、形としては届けられないかもしれないけれど、思いを届けられたらいいなというふうに思う。
天皇杯JFA第103回全日本サッカー選手権 準決勝
「ロアッソ熊本」対「柏レイソル」
【総合】10月8日(日)午後1時05分(全国)
負けたら終わりの一発勝負!格上を連続撃破中の熊本か!J1の柏か!
頑張れ!ロアッソ熊本!!~三協フロンテア柏スタジアムから中継~
【解説】森岡隆三【アナウンサー】下境秀幸【リポーター】酒井博司,中村泰人