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【ブログ】藤原、貸してみたin牧場 番組制作の裏側!

スタッフが語る 番組の舞台裏!
  • 2024年03月15日

 

2024年3月放送の「藤原、貸してみたin牧場」。今回は「番組制作の裏側編」として、担当ディレクターがこの番組を制作する過程で感じた、牧場に関わる皆さんの馬への愛をご紹介します!

馬の老人ホーム!?大橋牧場長の思い

今回の舞台は、牧場。そのなかでも、競馬や馬術などの現役を引退した馬を預かる「養老牧場」です。
牧場長の大橋和明さんのことばを借りると、「馬の老人ホーム」。
皆さんはそんな牧場があること、ご存じだったでしょうか?
恥ずかしながら、私は知りませんでした。

牧場長
大橋さん

今までがんばってくれた馬たち。そんな馬の残りの時間を、最高の環境で幸せに過ごさせてあげたいんです。

そんな思いのもと、馬の飼育に適した山梨県北杜市・八ヶ岳のふもとに養老牧場を作ったのは10年前。大橋さん自身が長年馬術競技を共にしてきた愛馬のミンクス(28歳 人間でいうと110歳以上…!)の余生を考えて、この牧場が始まったのだそうです。

大橋さんと愛馬のミンクス

番組内でご紹介したように、餌やりを1日6回に分けていたり、馬ごとに草の配分を調整するなど、馬ファーストな大橋さんの牧場。他にも馬房が通常の乗馬クラブより広かったり、放牧をする馬場が多かったり、24時間いつでも馬の様子を確認できるカメラが各馬房に設置されていたり、馬用のウォーキングマシーンがあったり…馬のことをとことん考えた造りになっています。
しかし、大橋さんいわくこのような養老牧場は全国的にはまだ数が少なく、現役引退後に余生を過ごせる馬はごくわずかだといいます。

牧場長
大橋さん

大げさかもしれませんが、馬の世界の現状を皆さんに知っていただくことで、馬の幸せを考えてくれる人達を増やしたいんです。それを僕自身の余生のライフワークにしたいと考えています。

取材中に聞いた、大橋さんの思い。私は今回の「藤原、貸してみた」の制作を通して、初めて馬の世界の現状を知ることができました。この番組を通し、馬の魅力が1人でも多くの方に伝わり、馬の余生について考えるきっかけになればうれしいです。

藤原アナの指導係・渡辺さんの思い

今回、藤原アナの初めての牧場仕事を指導をしてくださった渡辺淑恵さん。
貸した藤原、見てみた」で藤原アナも話しているように、1つ1つの作業がなぜ必要なのか、馬に関する知識とともに丁寧に教えてくださった渡辺さんですが、馬と関わるようになったのは40代になってからだといいます。

渡辺さん

幼いころ、馬術競技に打ち込む少女の姿が描かれた漫画を読んで、「一度は馬に乗って障害物を飛んでみたい」と思っていました。そのまま馬に乗る機会がなく保育士として働いていましたが、たまたま家の近くにできた乗馬クラブに通い始めたら、馬に乗っているという感覚が楽しくなっていって…

乗馬にのめりこみ、自分の馬を持つまでになった渡辺さん。2021年の9月にこの牧場で働き始め、その1か月後に年老いた愛馬も呼び寄せました。しかし2023年12月末、大切にかわいがってきた愛馬は亡くなってしまったそうです。

渡辺さん

亡くなる最後の最後まで自分の足で歩いてお散歩をしたがっていたのですが、お腹に1.5kgぐらいの腸結石ができてしまって…その願いはかないませんでした。
愛馬が死んでしまうかもしれないと思ったとき、「私がここにいる意味もなくなってしまうのでは」と思っていましたが、今でもそばにいるような気がしていて、毎日寂しいというよりかは、常に「大丈夫だよ」「まだまだ他の馬のために仕事をしとけよ!」と言われているような気がしていて。

そんな渡辺さんのスマホケースを見せてもらうと…

愛馬の写真のスマホケース
渡辺さん

いつも肩あたりに乗ってる気がします、大きいですけど。笑
本当に馬たちって、そばにいるとぬくもりを感じるし、エネルギーをくれるんです。

渡辺さんの馬への大きな愛を感じました。

馬を預ける オーナーの皆さんの思い

今回の番組を制作するにあたり、事前の取材と撮影と、合わせて10回ほど牧場に足を運びました。驚いたのは、いつ牧場を訪れても、ビスケットのオーナーの田村さんをはじめとする各馬のオーナーさんたちがいらっしゃったことです。

田村さんとビスケット
愛馬に餌をやるオーナーさん
ブラッシングをするオーナーさん

お話を伺うと、東京や神奈川から車で通っている方や、元々は近畿地方から通っていたものの「馬の近くに居たい」と山梨に移住してこられた方など、とにかく馬を愛していることが伝わってきます。愛馬について聞いてみると、性格や好きな食べ物、これまでの出会いから馬術競技で苦労した話などを、とびきりの笑顔でお話してくださいました。
馬のために遠方から週に何度も足を運び、じっくり時間をかけてお世話をする。体のお手入れや散歩、馬場で運動をさせているようすなどを見ると、「本当はずっと一緒に過ごしていたいんだろうな」とひしひしと伝わってきました。

「オーナーさんに愛されている馬は幸せだな」と思うと同時に、これほどの熱を持って愛することができる馬がいるオーナーさん達もまた、幸せだろうなと思う日々でした。
「馬は大切な家族」であること、そしてその家族を預ける「信頼」がこの牧場にあること、そんな温かい関係性を感じて、私にとっても貴重で心温まる時間でした。

オーナーの皆さん 大橋さん 渡辺さんと一緒に

ほかにも、Webコンテンツでは番組の裏話や制作の舞台裏を、藤原アナやスタッフが赤裸々に語っています。こちらの一覧からお楽しみください↓

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