子どもの味方 高知おもちゃ病院奮闘中!
- 2023年12月18日
子どもたちの壊れたおもちゃを「治療」してくれる「高知おもちゃ病院」。子どもたちの笑顔のために県内で活動するおもちゃドクターたちを取材しました。
放送後1週間以内は、NHKプラスの見逃し配信でご覧いただけます。
高知おもちゃ病院とは?
子どもたちの壊れたおもちゃを「治療」する「高知おもちゃ病院」。
おもちゃ病院では、病院と同じように愛情を込めておもちゃを扱うので「修理」を「治療」と言います。
地域のシニア世代が自分の持っているスキルを生かそうと2015年に開設しました。
おもちゃドクターは全員ボランティア。部品代を除き無料で治療します。
持ち込まれるおもちゃは、修理の保証期間を過ぎていたり、部品が手に入らないものがほとんど。
ぬいぐるみの治療が得意なドクターやクレーンゲームのドクターなど、それぞれ専門分野があります!
治療が難しいおもちゃも…
子どもたちが持ってくる壊れたおもちゃの中には、現場で治療が難しい重症のおもちゃもあります。
そんな場合は「入院」となります。
入院したおもちゃは,、おもちゃドクターが家に持ち帰って治療。
部品が無いときは、折れた部品を細い針金でつなぐなどドクターの工夫で治療されます。
しかし、つないだ部品が再び壊れてしまわないか、不安が残る状態でした。
そこで、その不安を解消するために新たな機械が導入されました。
現れた救世主
それが、3Dプリンターです!
3Dプリンターは樹脂を固めてゼロから部品を作り出すことができる機械です。
高知おもちゃ病院・代表の竹内博則さんです。
今年4月からおもちゃに使われている歯車や骨組みなど手に入らない部品を3Dプリンターで作りはじめました。
3Dプリンターで、ぬいぐるみの足となるパーツをゼロから作りました!
壊れた部品と同じ形の部品が作れるようになったことで、治すことができるおもちゃが増え、治療の質も上がったそうです。
私が取材した日も入院していたネコのおもちゃを迎えに来た家族がいました。
このネコのおもちゃも3Dプリンターで作った部品のおかげで、無事に退院!
これは、息子がおもちゃ屋さんで一目ぼれして買ったものです。壊れてしまった時に自分たちで直そうとしてみたものの修理できず、今回、おもちゃ病院に持ってきました。息子にとって愛着のあるおもちゃだったので、治療できたという報告を電話でいただいた時もキャーと喜んでいました。(おもちゃの持ち主のお母さん)
「モノを大切にする気持ち」を届けたい
おもちゃを修理していると、「子どもたちのためにどうにかして治してあげたい」という気持ちと「どうしても治したい」という気持ちが出てきます。持ってこられた方が「もういい」と言っても、自分的には治したいな、と。そのような挑戦する気持ちがあり、達成感も非常にあるので、おもちゃドクターの全員が熱心にやっているんだと思います。(高知おもちゃ病院代表・竹内博則さん)
大切なおもちゃを再び子どもたちの元に送り届けるおもちゃ病院。
病院のドクターたちは治療を通して、子どもたちにモノを大切にする気持ちも届けています。