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『絵本専門士』ってどんな人? 読み聞かせ専門家に極意を聞く

  • 2023年06月05日

高知県内で活動している「絵本専門士」に、子どもの興味を引く読み聞かせの方法やコミュニケーションの秘けつについて、実際に体験しながら聞いてきました。
(高知放送局・キャスター 矢島夏)

「絵本専門士」が行う、読み聞かせ会に潜入!

新型コロナウイルスの感染症法上の5類移行に伴い、県内でもさまざまな「対面コミュニケーション」の活動が再開しています。

そのひとつに「絵本の読み聞かせ会」が挙げられます。その活動をけん引しているのが、「絵本専門士」のみなさんです。

 

今回、香南市にある野市保育所で行われた「絵本の読み聞かせ会」の様子を見せてもらいました。

 

この日の読み聞かせ会には、27人の子どもたちとその保護者、そして保育士が参加しました。

子供たちは笑い声をあげながら楽しんだり、時には真剣な顔で食い入るように聞いたりしていました。

読み聞かせを行うのは、「高知こどもの図書館」の司書、大木由香さんです。 大木さんは、絵本に関する専門知識や読み聞かせの技能を備えた「絵本専門士」という民間の資格を持っています。

現在、この「絵本専門士」は全国で568人。高知県内には4人しかいません。

大木さんは、学校の先生や保護者など、子どもに接する機会が多い人たちに絵本の魅力を紹介したいという思いで活動しています。

読み聞かせのコツとは?

私も、絵本の読み聞かせのコツを教えてもらいました!

1つ目は、「本の選び方」

今日はどんな話をしようか、まずテーマを決めて、それに沿ったものを何冊か選びます。

季節とか、旬の食べ物だったりとか…

テーマを決めることで、その日の読み聞かせ会が「まとまり」のあるものになります!

あとは、ロングセラーの、評価の定まった絵本ばかりを選ばないようにしています。

新しい絵本の中には、ジェンダーの役割などに配慮した作品もたくさん出てきているため、新旧のバランスを考えて絵本を選んでいます。

2つ目は、「印象に残る絵本の見せ方」

絵本が開きやすくなるように、一度、しっかりと開く

絵本を選んだら、次は下読みです。

どういう内容なのかをしっかりと理解します。

下読みをしている時に、破れや開きにくさをチェックします。

ほかにも、絵本をめくる時は腕がページにかぶらないようにするなど、気をつけることがたくさんあります。

私も読み聞かせに挑戦してみました!

長時間持ち続けると、右腕が震えてきました

実際にやってみてどうでしたか?

絵本を持つ角度や読む速さなど、意識することがたくさんあって予想以上に難しかったです!

慣れていない人は本がぐらつくこともありますが、何回もやっていればピタッと止まるようになります。

聞き手の方に目を向けることにも気を配っていただけたし、とても上手だったと思います。

ありがとうございます!

今度は、実際に子どもたちの前で読み聞かせをしてみたいです!

大木さんに、絵本を通した子どもとのコミュニケーションについて伺いました。

絵本を1冊読んでもらうだけでも、子どもにはすごく満足感があります。

大好きな人に読んでもらうほうが子どもにとってはうれしいことだと思いますので、ぜひご家庭でも、 本を置いて楽しんでもらえたらと思います。

読み聞かせはハードルが高い、と感じている方にも

大木さんは、保護者向けの「家庭での読み聞かせ」講座も行っています。

講座の中では、子どもが読んでほしい本を優先的に読んであげるなど、家庭での絵本の楽しみ方について話していました。

読み聞かせ講座を依頼したいという方は、「高知こどもの図書館」までお問い合わせください。

  • 矢島夏

    キャスター

    矢島夏

    私が好きな絵本は、「おちゃのじかんにきたとら」です。

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