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北九州ラヴァーズ#22ダイナマイト九州さん/社会人レスラー

  • 2023年11月08日

北九州市を拠点に活動する社会人プロレスの団体「がむしゃらプロレス」。ことし結成20年を迎えます。この団体の最古参のレスラー、ダイナマイト九州さん(41)。“プロレスで北九州を元気にしたい”と仲間たちと続ける活動の原点に迫りました。

覆面レスラー 職業はパティシエ

覆面レスラーの「ダイナマイト九州」さん。ふだんはパティシエとして、小倉南区でケーキ店を営んでいます。甘い香りが漂う店内に入ると、マスクを外した優しい笑顔の店主として迎えてくれますが、今回の取材はマスク着用で受けてもらいました。

ふつうはマスクかぶらないです(笑)。きょうは特別です。体の大きい人だなと常々言われます。何かされているんですかと言われるので、プロレスやっていますと言うとけっこう驚かれます

仲間のレスラーと練習

ダイナマイト九州さんが所属するのは、ことし結成20年を迎える北九州のプロレス団体「がむしゃらプロレス」。仕事終わり、小倉北区にある貸倉庫の道場で仲間たちと練習に励みます。18年前から団体に所属し、ムードメーカーとして団体を支えています。

世話焼きだね、いいやつなんだよ

めちゃくちゃよくしてくれる先輩です、面倒見いいですよ

プロレスが好きというメンバーですね。みんな北九州にゆかりのあるメンバーしかいないですね

プロレスで北九州を元気に

長年の活動で大切にしているのは、“プロレスの楽しさを伝えて北九州を元気にしたい”という思いです。

市内各地でプロレス興行

試合を見る機会が少ない人にも楽しんでもらおうと、15年以上にわたり、障害者施設や老人ホームなどを訪れプロレスを披露してきました。

元気が出たと言われるとうれしいですね。プロレスを僕らも楽しんでする、それを見てもらって楽しんでもらう、元気をつけてもらう。北九州が盛り上がってくれたらいいなと思います

引き継ぐ、創設者の思い

ふだん仕事をしながら、なぜここまで長く活動を続けてこられたのか、話を聞くと、ある人物の存在に行き着きました。

「がむしゃらプロレス」の創業者 矢野貴義さん

「がむしゃらプロレス」の創業者、矢野貴義さんです。ダイナマイト九州さんが心の支えにしている人で、3年前、がんのために亡くなりました。

面倒見のいい兄貴ですね。不思議と人が集まって、僕もその1人だと思う。この人が面白いと思うのは面白いというか。根拠はないけど、行動力だったり、人徳だったり。それを見ていると、僕らも一緒に面白いことできるんじゃないかと思わせてくれる人だった

居酒屋の店主だった矢野さんがプロレス好きの常連客に声をかけて立ち上げた「がむしゃらプロレス」。店内には、プロレスラーの名前をもじったメニューが並び、いまでもメンバーが集まって話に花を咲かせています。

居酒屋のメニュー

矢野さんが亡くなった2020年。新型コロナが世界中に広がり、試合は何度も中止になりました。

ダイナマイト九州さんは、矢野さんに教わった“どうすれば人を楽しませるプロレスにできるのか”を胸に、活動を止めることなく続けてきました。

独りよがりになっていない?と言われて、それって九ちゃん(ダイナマイト九州)が楽しいだけじゃだめじゃないと言われて、はっとしたんです。来てくれている人って楽しんでいるのかなって。対戦相手だけではなく、その先にお客さんがいて、大会があってと考えるようになって変わりました

“楽しませるプロレスを”

子どもたちへのプロレス教室

以前と変わらず試合ができるようになったことし。「がむしゃらプロレス」は、市内の各地で毎月のようにプロレスイベントを開催しています。ことし10月、八幡西区の小学校の体育館で行われたイベントでは、子どもたちへのプロレス教室も行いました。

そして、始まった試合。繰り広げられる戦いに、会場の熱気も一気に高まりました。

大会のメインイベントとなる試合には、ダイナマイト九州さんが登場。強烈なキックを受けても、何度でも、何度でも立ち上がります。

“訪れた人を楽しませるため”。最後は得意のヒップアタックで盛り上げました。

笑いもあるけどしっかり技が決まるときにはスカッとします

地元に密着して盛り上げてやろうというのはとてもいい

社会人プロレスのレスラー、ダイナマイト九州さん。北九州を、これからも熱く盛り上げます。

地元の方々と一歩一歩、一緒に面白いことをしていけたらと思います。プロレスを通じて北九州を盛り上げる思いは変わらず持ち続け、来てくれるお客さんにいろんな楽しみを与えられる存在でありたいです

  • 玉本重陽

    北九州放送局 記者

    玉本重陽


    2012年入局。富山→静岡→東京と勤務し、北九州に。

    プロレスには中学生のころにはまり、毎週、深夜の放送を楽しみにしていました。

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