タコ・魚の目・イボ 見分け方のポイント
タコ・魚の目・イボの見た目はよく似ています。自分の足のトラブルに合った対処法を実践するためにも、見分け方のポイントを知っておきましょう。
※本記事では、皮膚科で多く見られ、魚の目との見分けが難しい尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)を「イボ」としています。
見た目
タコは黄色っぽく、皮膚が硬くなり、なだらかに盛り上がっています。魚の目は外側が少し盛り上がっていて、真ん中が少しへこんでいて、よく見ると、丸く芯のようなものが見えます。イボは表面に凹凸があり、ざらざらしています。血管が黒い点々にように見えていると、イボの可能性が高くなります。
痛みの有無
タコ・魚の目・イボのうち、強い痛みがあるのは魚の目だけです。魚の目は芯があるため、圧迫すると痛みます。タコはほとんど痛みがなく、イボは魚の目ほど強い痛みがでることはありません。
できやすい場所
イボはウイルスが原因でできるため、露出している手や足にできやすいものの、体のどの部分にもできます。タコと魚の目は、部分的に繰り返し摩擦や圧迫をされたときにできやすいため、足にできることが多くなります。
原因
タコは正しい歩き方ができていないときや合わない靴を履いているときに、体重が分散されず、皮膚への刺激が集中してしまうと多く起こります。魚の目は靴が合わないことが大半の原因だと言われています。いわば、タコと魚の目は生活習慣病の一種と考えられているためケアが必要です。
一方、イボ(尋常性疣贅)の原因は、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染です。
タコ・魚の目・イボの対処法
イボの治療法
液体窒素凍結療法
液体窒素を使って細胞を凍らせて破壊する治療法です。治療の際に痛むことがあり、足の裏などの皮膚の硬い部分にできたイボは、数回に分けて治療をする必要があります。
サリチル酸外用薬
硬くなった皮膚をふやかして除去するための薬で、塗り薬やばんそうこうタイプなど、市販薬として販売されています。ただし、薬がイボではなく、健康な皮膚にあたってしまうと、皮膚が弱ってかえってイボが増える可能性があるため、注意しましょう。
タコ・魚の目の治療法
タコと魚の目もイボと同様、サリチル酸外用薬で取り除くことができます。市販の外用薬はたくさんありますが、中にはタコや魚の目にかかる圧力や摩擦を軽減する「保護パッド」がついているものもあります。イボの治療と同様に、薬剤がずれて健康な皮膚をふやかすことのないよう、注意が必要です。
タコがある患者さんの診療では、専用のカッターで角質を削ることがあります。セルフケアの際は、お風呂でしっかり足を洗った後、皮膚が少し柔らかくなったタイミングで、角質ケア専用のやすりを使用して硬い角質を削ります。皮膚を削りすぎないよう注意し、削った後はクリームなどで保湿しましょう。
タコ・魚の目 靴選びのコツ
タコ・魚の目を除去することは対症療法であり、根本的な対処法にはなりません。
靴に自分の足を合わせるのではなく、自分の足に靴を合わせることを意識し、タコ・魚の目の解消を目指しましょう。
サイズ
同じサイズ表記でもメーカーによって大きさや形が異なるため、靴を選ぶときはサイズ表記だけで判断せず、自分の足の幅も測るようにしましょう。また、足の大きさに左右差があることもあるので、必ず両足とも試し履きし、自分の足にあった靴を選ぶようにしましょう。また、足は夕方になるとむくむので、できれば夕方に靴を選びましょう。
安定感
安定感があって歩きやすい靴を選びましょう。足先は5本の指が自由に動かせるだけの空間が必要で、つま先から1センチほど余裕のあることが目安です。このとき、つま先部分には適度な高さがあり、指や爪が上に当たったり圧迫されたりしていないか確認しましょう。
足の甲で靴と足を固定しましょう。甲を覆う面積の大きい靴は足にフィットしやすく、ひもで自分の足幅ぴったりに調節できるものは特におすすめです。足の甲が覆われていない靴を履く場合は、足首や足の甲の部分にストラップなどが付いているものを選ぶようにするとよいでしょう。
ハイヒールなどを履く場合ですが、運動靴を履いてハイヒールを持って行くなどの工夫をし、ハイヒールを履く時間を短くしましょう。また、前滑りしないよう、シリコンの滑り止めやストラップ等を活用するようにしましょう。ヒールが太く、高さが4センチ以下のものは安定感があります。
タコ・魚の目を予防する足指ストレッチ
靴を長く履き続けると、足の指が凝り固まってしまい、タコや魚の目ができやすくなってしまいます。そのため、足の指をストレッチでほぐしてタコや魚の目を予防しましょう。
- まず、足の指の付け根から指先に向かって、指を1本ずつ押していきます。
- 次に、親指と人差し指を一緒に握り、前後に揺らします。人差し指と中指、中指と薬指という風に小指まで続けましょう。
- 最後に、手の指を足の指の間に入れて足首を大きく回しましょう。
足を毎日しっかり洗うなど、日頃から足を触り、ケアすることは大事です。毎日、歩いて疲れた足をストレッチし、いたわってあげましょう。