ココデオワルハズガナイノニ TIGER & BUNNY 2 いよいよ最終回
- 2023年09月23日
アニメ『TIGER & BUNNY 2』に登場するキャラクター、バーナビー・ブルックス Jr.に私がコスプレした写真。『あさイチ』推し特集でリポーターとして出演した際の放送に使ってから、仕事でも何かと使っています。12年前に第1シリーズが放送された年、年末のイベントで友人に撮影してもらったものです。この12年で変わった、私なりの “ココデオワルハズガナイノニ” 解釈を読んでから、今夜の最終回を見ていただくと、より楽しめるかもしれません。
(アナウンサー 松岡忠幸)
NHK総合で毎週土曜24時から放送されてきたアニメ『TIGER & BUNNY 2』の放送が、今夜最終回を迎えます。他局で放送されていた第1シリーズから12年の時を経て、NHKで第2シリーズが放送されたという珍しい作品。放送開始を控えた今年3月には、NHK主催のファンミーティングが開催され、私はファン代表アナウンサーとして金沢から東京に出張して司会を務めました。第1シリーズのファンだった私も、まさか自分の局で第2シリーズが放送されることになるとは思いもよらず、人生が長くなってくるといろんなことがあるものだと感じています。
“ココデオワルハズガナイノニ” というのは、第1シリーズのオープニングテーマ曲UNISON SQUARE GARDEN『オリオンをなぞる』の一節。この歌詞の意味をかみしめ続けて12年、第2シリーズを見ながら、自分の解釈が変化していることに気付きました。
人生が上り坂だと感じていた12年前は、「これからまだまだ輝くぞ!」という意味だと感じていました。でも、12年経って45歳になって老化も始まった今となっては、「輝きが弱まっても人生は続くんだよ」という意味だと感じるようになったのです。
ヒーローのように、一時の輝きが強ければ強いほど、それが弱まってきたとたんに、「オワった」と言われがちです。きっと、『TIGER & BUNNY 2』の中のヒーローたちも、シュテルンビルト(作品の舞台)市民たちから「オワった」と言われる日が来るのだと思います。でも、「オワった」と言われた後も、人生は “オワルハズガナイ” がないのです。それぞれのヒーローは、自分なりに社会の役に立とうと必死でもがき続けるのだと思います。そして、じつは社会は、そんな「オワった」なりにもがき続ける人たちが支えているのだと思うのです。
「オワった」と言われるようになったところで、輝いていた “昨日までをちゃんと愛し” た上で、今の自分なりにできることを懸命にがんばれば、 “十分適度にドラマチック” なのです。
12年経つと、放送業界の立ち位置も大きく変わりました。テレビ放送は「オワったコンテンツ」と言われてしまうことも増えているだけに、そんなテーマを描いてくれている(と私は勝手に解釈している)『TIGER & BUNNY 2』は、改めて私の深いところに刺さっています。
今夜の最終回、みんなで盛り上がりましょう!
テレビ放送を同時に見ている全国のファンがSNSで自分の感想をいっせいにつぶやく体験は、街頭テレビをいっしょに見上げているような独特の興奮があって、放送ならではだなと、テレビ放送の “ココデオワルハズガナイ” “新未来” を感じています。
「どんどんパワーアップするヒーロー」ではないヒーローを描いてくれる『TIGER & BUNNY 2』
ありがとう!そして、ありがとう!
※“ ” の部分は『TIGER & BUNNY』第1シリーズOPテーマで第2シリーズでも使用されたUNISON SQUARE GARDEN『オリオンをなぞる』(作詞作曲:田淵智也)より引用