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鹿児島のシンボル桜島 活火山のそばで生活する私たち

  • 2022年10月24日

ことし7月、噴火警戒レベルが最も高い「5」に引き上げられ、身近な桜島について改めて考えるきっかけになった方も多かったかも知れません。その後警戒レベルは「3」に引き下げられましたが、あれから3か月 鹿児島のシンボル桜島は私たちにとってどんな存在なのか取材しました。

(NHK鹿児島ディレクター 齋藤周也)

あなたにとって桜島は

埼玉県出身で山とは無縁の環境で生まれ育った私。ことし7月の噴火は、活火山のそばで生活していることを改めて実感するきっかけになりました。ふだん何気なく見ている桜島を鹿児島に住む人たちはどう考えているのだろうと気になり、街に飛び出してインタビューをしてみました。

「自然が豊か」「どんと構えている」「また灰だ」「洗濯物が汚れる」「鹿児島のシンボル」「生まれたときからずっとそこにある」

皆さん桜島に対してさまざまな思いを持っている様子。ただ「当たり前すぎて深く考えたことはない」との意見も。ならばと桜島に深く関わる人たちを探して、さらに深掘りしてみることにしました。

街の至る所から見える桜島

桜島ジオガイド 吉田茉莉子さん
桜島ってかっこいいじゃないですか。生きていると感じられる場所だなって。

東京都出身で桜島に移住してきた桜島ジオガイドの吉田茉莉子さん。7年前に旅行で訪れた桜島に一目ぼれして以来、“火山女子”として桜島の魅力を発信しています。

桜島の姿に皆さん驚かれて、かっこいい、力強いですねと言われます。

鹿児島市の至る所から桜島が

東京ではありえなかった、街の至る所から見える活火山。吉田さんはこんなすてきな場所は世界中を探してもなかなか無いと話します。

異世界ですよね。なんで街からこんなに近くに活火山があるんだろうって。すばらしいものがある場所に自分たちは住んでいると、自慢してほしいと思います。

恵みをもたらす桜島

温泉ソムリエ師範 六三四さん
わたしにとっての桜島は鹿児島の温泉の源です。

鹿児島市内の温泉にさっそうと入っていく男性。鹿児島市出身の温泉ソムリエ師範 六三四さんです。鹿児島の温泉の魅力を語ってくれました。

鹿児島市は源泉数が267で、県庁所在地では日本一。鹿児島は塩の温泉が多いのと鉄分が豊富に含まれているので、あがったあとのぽかぽか感の持続が普通の温泉と比べると長いんです。

温泉の壁にも噴煙をあげる桜島

鹿児島の人にとって当たり前の温泉。その恵みをもたらしてくれる桜島は県民に欠かせないものだと言います。

桜島のまわりにいろいろな温泉がある。火山の恵みを感じます。

鹿児島といえば桜島

小池島廻り踊り保存会 横山幸さん
桜島は自分の庭みたいな感じ。「きょうは噴煙を上げてないね、お利口さんだね」とか山に向かって話します。

最後に話を聞いたのは、桜島に住んで60年の横山幸さんです。豊作を祝い江戸時代に始まったとされる桜島伝統の踊り「島廻り踊り」を教えています。

踊りでは、太鼓をたたいて「頑張れ、きばらんか」と応援をしています。

人口減少が続く桜島。「島廻り踊り」を伝えていくことで、ふるさと桜島を思い出すきっかけになればと活動を続けています。

町はだいぶ変わりました。さみしいとは思いますけど踊りを続けていれば、桜島の「島廻り踊り」だと思い出してくれることを願いながら教えています。

私にとっての桜島は

桜島ジオガイド 吉田茉莉子さん
桜島はめっちゃかっこいい推しです。

温泉ソムリエ師範 六三四さん
桜島があって温泉に入れる。ありがたい。

小池島廻り踊り保存会 横山幸さん
鹿児島って言うと桜島、桜島と言えば鹿児島。 

取材後記

桜島とともに生きる。大変なこともあるけれど、桜島への深い愛をさまざまな人が語ってくれました。唯一無二、鹿児島ならではの魅力を再確認する機会になった取材でした。

  • 齋藤周也

     NHK鹿児島放送局ニュースディレクター

    齋藤周也

    2017年入局 津放送局を経て2020年から鹿児島局。桜島の目の前に住んでます。

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