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そもそも鹿児島県って?どんな課題があるの?

  • 2022年11月01日

     

    西郷隆盛が生まれた地としても知られる鹿児島県。

    観光地として有名な桜島に屋久島、食では焼酎や黒豚などなど。

    でも、そもそも鹿児島県ってどんなところ?イチから調べてみました。

    鹿児島県ってどんなところ?

    九州の南に位置し、43の市町村があります。

    総面積は9000平方キロメートル、薩摩半島と大隅半島という2つの半島と、種子島、屋久島、奄美大島などの有人離島が28あります。このため、南北距離が長いのも特徴で、約590キロに渡ります。

    また、鹿児島県によりますと、離島の人口と離島の面積は、いずれも全国1位だということです。

    人口は約156万人で、九州沖縄の8県の中では3番目の人口規模です。(2022年9月1日現在 鹿児島県の毎月人口推計)

    鹿児島県の地域資源にはどんなものがあるの?

    ・産業

    主な産業は農業です。農林水産省の統計によりますと(※)、鹿児島県の農業産出額は、北海道に次いで全国2位となっています。(北海道は1兆2667億円、鹿児島県は4772億円)

    中でも、肉用牛、豚肉などは、全国1位の産出額です。

    ※令和2年 農業産出額及び生産農業所得

    ・温泉

    鹿児島は、全国屈指の温泉県で、源泉の総数は大分県に次いで全国2位、温泉を利用した公衆浴場の数でも全国3位となっています。(環境省 令和2年度温泉利用状況)

    指宿市の砂むし温泉

    中でも、温泉地として知られる指宿市には「砂むし温泉」という名物があります。

    海岸の地下にわく温泉で温められた砂を利用した“和風サウナ”で、砂浜にあおむけに寝て、上から砂をかけてもらいます。波の音を聞きながら“砂蒸しにされる”貴重な体験ができると、人気のスポットとなっています。

    ・焼酎

    鹿児島県の焼酎メーカーの本格焼酎の出荷量は、宮崎県に次いで全国2位です。

    全国の酒造会社でつくる「日本酒造組合中央会」によると、酒造りの年度の区切りとされる2021年7月から2022年6月までの1年間に、鹿児島県の焼酎メーカーが出荷した芋や麦などの本格焼酎の量は91,293リットル。

    8年続けて、全国2位となっています。ちなみに、1位は8年連続で宮崎県です。

    鹿児島県の課題は?

    いくつかありますが、ここでは人口と観光を課題として挙げたいと思います。まずは、人口についてです。

    ・転出超過

    鹿児島県は、県外に転出した人が県内に転入した人を上回る「転出超過」の状態が続いています。

    総務省が住民基本台帳に基づいてまとめた2021年の人口の動きは、次のようになっています。

    ・県外から転入した人
    26,452人 前年比521人増(2%増)

    ・県外に転出した人
    28,000人 前年比884人減(3.1%減)

    鹿児島県では「転出超過」が続いていて、その数は現在の方法で統計を取り始めた2014年以降、毎年3000人から5000人に上っていました。

    鹿児島県の霧島市嘉例川駅

    ただ、2021年の転出超過は「1548人」と、最も少なくなっています。

    コロナ禍で東京など大都市から地方に移り住む人が増えていますが、ある専門家は、その動きが鹿児島にも波及していると考えられると指摘しています。

    ・市町村別の人の流れ 

    市町村別で見ると、人の流れには温度差もあります。

    「転入超過」となったのは、鹿児島市、そのベッドタウンでもある姶良市や日置市、それに離島の自治体など13の市町村でした。

    一方で、「転出超過」となったのは、指宿市、南九州市、伊佐市など30の市町村に上っています。

    「転入超過」よりも「転出超過」の自治体は2倍以上あり、いかに雇用を創出し、定住支援の充実を図っていくかが課題となっています。

    ・人口減少

    鹿児島県も少子高齢化を背景に人口減少に歯止めがかかっていません。

    住民基本台帳をもとに総務省がまとめた外国人を含む鹿児島県の人口は、次のとおりです。(2022年1月1日現在)

    1,605,419人 前年同時期比12,431人減(0.77%減)

    また、2022年に生まれた人は、11,621人だったのに対して、亡くなった人は、21,844人でした。

    亡くなった人が生まれた人の数を上回る「自然減」の数は、外国人を含めた統計を発表し始めた平成25年以降、初めて1万人を超えました。

    市町村ごとの人口の増減では、鹿児島市を含む39の市町村で人口が減少しています。また、鹿児島県内でも特に少子高齢化が進む、大隅半島の自治体では、人口の減少率が軒並み2%を超えています。

    JR日豊本線 姶良市から桜島が見える

    一方、人口が増加したのは、姶良市、東串良町、離島の龍郷町と三島村です。

    このうち東串良町は、鹿屋市などへのアクセスの良さを生かして、手厚い移住支援策を進めていて、この10年間で初めて人口の増加に転じています。

    観光の課題は?

    コロナ禍で、かつては大勢訪れていた外国人観光客が大きく減少しています。

    鹿児島県の推計によりますと、外国人宿泊者は、近年順調に増加していて、2019年には約84万人と過去最多を記録しました。

    屋久島

    しかし、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大によって、2020年には12万人余りと85%以上も減少しました。

    また、鹿児島は観光都市としての潜在力はあるものの、十分に生かし切れていないという指摘もあります。

    2017年に民間のシンクタンク、野村総合研究所が全国100都市を対象に行った「成長可能性」のランキング。

    この中で、実績と将来のポテンシャルの差「伸びしろ」が大きい都市として、鹿児島市は福岡市に次いで2位でした。

    実際、鹿児島県が2020年にまとめた「鹿児島県観光振興基本方針」によりますと、観光立県を目指す上での課題として「地域資源のさらなる活用」を1番目に挙げ、「効果的なプロモーションの展開」も課題の1つだとしています。

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