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地域おこし協力隊ではなく「地域おこし隊」 わけもんラボ

Eチーム
  • 2022年11月18日

    ご紹介するのは自然に関心のあるEチーム!
    メンバーはずっきーさん、さぼさん、ももりんさんの3人。

    そんな3人が抱える共通の思いは、
    まだあまり知られていない鹿児島の自然をPRしたい!」ということ。

    初回のオンライン会議の行方は…

    まずはみんなの推したい鹿児島の自然はどこなのか、候補を探すことに。

    ずっきー

    やっぱりイチオシは皆さん、藺牟田池(いむたいけ)ですよ!

    さぼももりん:(爆笑)

    ずっきー

    でも、それ以外だったらまずは南九州市。
    日本で唯一のタツノオトシゴ養殖所・タツノオトシゴハウス、大野岳、釜蓋(かまふた)神社、茶畑、武家屋敷だったり、見どころがたくさんあります。

    ももりん

    南九州市だったら、番所鼻自然公園も良かったですよ。無加工でいい写真が撮れました。いちき串木野市の冠岳もどうかな。あとは霧島も気になっています。ゲンジボタルなどは特に関東圏にない魅力だからPRするのも良いかも?

    さぼ

    確か南九州市は頴娃町の地域おこしが盛んでしたよ。古民家再生に力を入れているみたいです。大野岳の近くにある茶寿階段というところも面白そう。
    あとは、僕もいちき串木野市が気になっています。地域おこし協力隊の活動が活発で、連携してみるとか。自然系のイベントが多く、そこと何かできたら面白そう。地元で見ている人に話を聞き、現状を聞いてから、何をするか、知られていないところをどうPRするか、探した方が良いかもしれないです。

    ずっきー

    確かに現地の人の話を聞いてみたいですね!

    ももりん

    今まで難しく考えていたけど、とりあえずは現地の人の話を聞いてみる方が良いかも!

    そこで、まずは実際にいちき串木野市の地域おこし協力隊に、どんな取り組みをしているのか、課題に感じていることなどを中心にお話を聞いてみることに!

    いちき串木野市の地域おこし協力隊の人に会いに行ってみた

    お話を伺ったのは、Aチームもお世話になった後藤香音(ごとう かのん)さん。

    東京都出身。2021年3月大学卒業。現在はいちき串木野市地域おこし協力隊として活動。

    インタビューの場所として3人が案内されたのは、なんと去年閉校になった小学校の校舎!
    今は地域の人のお祭りや、市役所や教育関係の方がイベントで使っているそう。

    案内されたのは、保健室。きょうはここでお話を伺います。

    一同きょうはよろしくお願いします。

    後藤

    よろしくお願いします。

    さぼ

    いちき串木野市の自然でおすすめのスポットをいくつか教えてください。

    後藤

    まずは冠岳ですね。20分ほどで頂上に行けちゃうのですが、本当にきれいな山で、桜、新緑、紅葉に、水墨画のような冬景色、四季折々の顔を持っている。あとは、洞窟があったり、鎖場といって、鎖を使って登ったり下りたりする場所があったり、周辺にスコーンがおいしいカフェがあったり、そんなバラエティーに富んだ山です。市の公式SNSアカウントから冠岳のPR動画も公開しているんです。
    あとは照島神社の赤い橋の欄干越しに見る夕陽は、神社の荘厳な雰囲気、穏やかな波と相まって、本当にダイナミックできれい。夕陽でいうと、羽島、小瀬、長崎鼻から見る夕陽も他とは一味違いますね。

    さぼ

    冠岳の動画について、反響は?

    後藤

    一番かけてもらった言葉は、「自分が想像していた山とは全然違う」というもの。あとは、何度も行った人からは、「映像を見たら、自然とか身近にあるものにもっと目を向けてみようと思った」という声を頂きました。

    ずっきー

    今までずっとあるものに改めて焦点を当てて、ピックアップして発信することで、こんな魅力があったのかと再発見につながるんですね。今回でいうと改めて登ってみようかなという意欲にもつながってくると思うので、すごくいい取り組みだなと感じます。

    後藤

    ありがとうございます。いちき串木野市の市長が、シビックプライドを醸成したいとおっしゃっています。シビックプライドは市民の誇りというか街への愛着みたいなものなんですけど、新しくできたお店とかをPRするのもすごく大事で、活気づいてますよというのアピールはできるんですけど、やっぱり今あるものを取り上げて、「皆さん気付いてないかもしれないですけど、こんなにすばらしいんですよ」というふうに発信していくことが必要なんじゃないかな。

    さぼ

    いちき串木野市の中で、ここ最近の活動や地域の住民との交流とか、実際どんなことをされているのかお聞きしてもいいですか?

    後藤

    廃校になった小学校で、小学校高学年向けのイベントをしたり、いちき串木野市と姉妹都市であるアメリカのカリフォルニアのサリナス市との交流を描いたパネル展をしたり、市内の外国人や技能実習生、留学生とかいっぱいいるんですけど、その人と日本人の市民が仲よくなれるようにということで日本語サポーター養成講座を開いたり。あとは、今年はベトナムの料理教室をやったりとか、英語で職業体験をしたり、日本語教室をしたりしました。英語とか外国語の文化を学ぼうというコンセプトで形を変えていろいろな活動につながっている感じです。

    ももりん

    いちき串木野市でずっと活動されていて、課題だと感じるところはありますか?

    後藤

    あくまで、地域おこし協力隊って協力隊なんですよね。私がゼロから地域おこしをするというよりかは、地域おこしをしたい人を助けるとか、私と誰かが地域おこしするみたいなイメージです。なので、私が地域おこし協力隊として感じる課題は、主体がないということです。だから、アイデアは出るんだけど、やる人がいない。あるいは、仲間はいっぱいいるけど、私が言いださないとなかなか進まないということもあって、私が例えば地域おこし協力隊を卒業していなくなったとして、誰がこの続きをやるんですかとなっちゃうんじゃないかと。
    やっぱり地元の人たちが自分たちで企画して自分たちでそれを回していけるような、そういう仕組みづくりができたらいいのかなというふうに思っています。

    ももりん

    例えばいちき串木野のこの場所を使ってこんな事してほしいみたいな、自然に関わるアイデアを言っている人はいましたか?

    後藤

    農家さんが自分の畑とか果樹園を生かして収穫体験とか、何かできたらと考えている人が多いように感じます。

    ずっきー

    あまり知られていないのに、かなりすごい!みたいな場所はありますか?

    後藤

    自然で、ですよね?

    ずっきー

    自然でなくても…

    後藤

    あ、思い出した!いちき串木野市のマチュピチュと言われている場所(※)があるんですよ。
    市役所の、シティセールス課の係長の方が教えてくれたんですけど、広い棚田で、鹿児島弁で何という名前だったっけ、、、
    (※編集部注)おごっ段の華の棚田・・・いちき串木野市荒川大河内地区にあり、中山間地域に広がる自然石で作られた石積みの棚田。

    ずっきー

    いちき串木野市の中にも、まさかのマチュピチュ・・・。そういう発見とか冒険心をくすぐるというか、そういうものを核として観光を盛り上げていくというのが大事なのかなと。そこをどこまで注目させるかで、観光地化してしまうんですけど、1つのツールなのかなと思いました。
    そういった場所に人を呼び込めたとして、どうやったらリピーターを増やせるようになるのでしょうか。

    後藤

    表面的なところで釣ることがある程度必要かなと思っていて。その後は、町のホスピタリティーとかで引っ張ってくるしかないかな。でも、それをするためには、まずは本当にたくさんの人にいったん来てもらうとか、気付いてもらうというのが重要だと思っています。

    さぼ

    まずは来てもらう仕掛けが必要なんですね…

    インタビューを終えて

    ずっきー

    1つのテーマを中心に関連するアクティビティやコンテンツを融合させ、まずは地元にあるものの良さを再発見すること、理解してもらうことが重要だということがよく分かりました。今後に生かしていきたいと思います。

    さぼ

    これから自然をPRの切り口にしていくために必要不可欠なこと、発想の起点になるようなことをお聞きすることができました。

    ももりん

    地域おこしについて、実際にやる人がいないということがよく分かったので、私たちは何ができるのかいろいろ模索してみたいと思います。

    後藤

    市外の皆さんが注目して取り上げてくれるだけで地域の人も行政の人も喜んでもらえると思います。きょうのことを、これからのプロジェクトに生かしてもらえれば。きょうはお話できてとても楽しかったです。ありがとうございました。

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