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【解説】統一地方選挙前半戦 北海道で起きたことは?

  • 2023年4月11日

“春の政治決戦”統一地方選挙。北海道では4月9日、前半戦として知事選挙や道議会議員選挙、札幌市の市長選挙と市議会議員選挙が行われました。北海道で起きたことは? (NHK北海道選挙取材班)


北海道知事選挙 鈴木氏が圧勝 与野党対決を制す

北海道知事選挙は今回行われた知事選挙の中で唯一、与野党が全面的に対決する構図となりました。

与党側が支援した鈴木氏は4年間の実績を強調し、道政の継続をアピール。
対する野党側支援の池田氏は道政の奪還を訴え、激しい選挙戦が繰り広げられました。結果、鈴木氏が勝利。得票率は75%を超えました。

鈴木直道氏(当選確実の報道を受けて)
「長引く新型コロナや物価高の影響から、道民の皆さんの暮らしを守っていく。エネルギーやデジタル、それに食の分野などで北海道の価値を押し上げて、道民の皆さんの信任にこたえられるように一日一日、北海道を前へと進めていく」


一夜明け 鈴木氏は

鈴木氏は選挙から一夜明けた10日朝、みずからの選挙事務所を訪れて集まったスタッフにねぎらいの言葉をかけました。
そして、当選を祝うメッセージが書かれたケーキをほおばり、顔をほころばせていました。

また、みずからの当選を伝える新聞の紙面に目を通し、選挙結果を振り返っていました。
このあと、鈴木氏は記者団に対し、2期目の道政運営について、「物価高騰の影響を受ける道民の生活をしっかりと支えていくことが喫緊の課題で、追加の対策を検討・指示し、機動的に対応していきたい。169万人を超える方が私の名前を書いてくれたことは身が引き締まる思いで、信任に応えられるよう頑張っていきたい」と抱負を述べました。


札幌市長選挙 秋元氏が新人2人を抑える

冬のオリンピック・パラリンピック招致の是非が最大の争点となった札幌市長選挙
招致推進を掲げた現職の秋元氏を与野党が相乗りで支援。対する市の元局長、高野氏と共産党が推薦した木幡氏はともに招致反対を訴え、主張を戦わせました。結果は、秋元氏が次点に22万票余りの差をつけて勝利しました。

秋元克広氏(当選確実の報道を受けて)
「新型コロナウイルスというこれまで経験したことない感染症との戦いで、やっと元の状況に戻りつつある中、物価高やエネルギー価格の高騰など、市民の皆さんの生活は厳しい状況にある。その札幌市の課題を皆さんと一緒に解決していく市政の継続を訴え、理解をいただいたと思う。オール札幌の態勢で行政課題に対応できるよう頑張っていくので、協力をお願いしたい」


一夜明け 秋元氏は

秋元氏は選挙から一夜明けた10日朝、札幌市中央区にある後援会の事務所に入り、みずからの当選を伝える新聞の紙面に目を通しました。


そして、「コロナ禍で傷んだ経済の再生や目の前の物価高への対応など、市民は生活に密着した政策を望んでいると実感しており、すぐに取り組んでいきたい」と抱負を述べました。
また、争点となった冬の大会招致について、「選挙期間中に賛成と反対の声を聞き、市民の議論をもっと深めていかなければならないと改めて感じた。住民が意思表示をでき、また、できるだけ多くの方の意向を確認できる手法を検討していきたい」と述べました。


北海道議会議員選挙と札幌市議会議員選挙は

北海道議会議員選挙は定員100。自民党は選挙前と同じ49議席を獲得しました。公明党は8人の候補者全員が当選し、選挙前の議席を維持しました。自民・公明両党であわせて57議席と、過半数を占めました。鈴木知事は引き続き、安定した基盤のもと道政運営にあたることになります。立憲民主党は23議席で、選挙前から1つ減らしました。共産党も選挙前から1つ減らして2議席。一方、日本維新の会は札幌市東区で新人1人が当選し、道議会で初めて議席を獲得しました。

札幌市議会議員選挙は定員68。自民党が26議席を獲得して第一党を維持しました。一方、6人を擁立した日本維新の会は札幌市議会で初めてとなる5議席を獲得し、躍進しました。各区にわたって有権者が日本維新の会に支持を寄せたと見ることができます。


道議会議員選挙 札幌市東区はわずか6票差で…

日本維新の会は道議会で初めての議席、札幌市議会では5議席を獲得しました。日本維新の会が道議会議員選挙に唯一、擁立した札幌市東区の山崎真由美さんは、与野党5党が候補者を立てる中、接戦を制しました。次点との差は、わずか6票でした。

山崎真由美氏
「奇跡が起きた。大阪での維新の改革を全国に広める中で、道議会で1議席を獲得できたことは意義ある結果だ。党が掲げる議員が最初に身を切る覚悟を持って、議員定数と議員報酬の3割削減を訴えていきたい」


相次ぐ現職の落選 その背景には…

今回、目立ったのが現職の相次ぐ落選です。道議会では7人。前回より2人増えました。また、札幌市議会ではあわせて9人が落選しました。

道議会議員選挙では定員が1減って激戦となった釧路市で、道議会議長を務める自民党の現職、小畑保則さんが落選。立憲民主党の現職、壬生勝則さんも届きませんでした。

小畑保則氏
「不徳の致すところです。立候補するかどうかギリギリまで悩んだことや道議会議長という立場でなかなか地元に帰ってくることができなかったことなどが一因だったかもしれない。釧路市民が選んだ結果であり、皆さんには『これまで大変お世話になりました』と言いたい」

一方、同じ釧路市では新人の鶴間秀典さんが当選。組織的な基盤を持たない無所属の候補が自民党や立憲民主党の候補をしのぐ得票で初当選を果たしました。

鶴間秀典氏
「応援してくれた皆さんに感謝したい。選挙戦では、釧路の衰退を止めたいという思いが直接届いたと思う。人材育成、特に農業高校や理科系学科の誘致設立に注力していく。鈴木道政には協力していきたい」

札幌市北区でも市民ネットワーク北海道で市議会議員を務めてきた石川佐和子さんが無所属の候補として道議会に転身。自民党の現職を破って当選しました。

今回のこうした結果について、専門家は。

武庫川女子大学  金崎健太郎教授
「有権者が現状の政治、政治家、政党に必ずしも満足はしていなくて、それに変わる選択肢を求めているのだろうなと思います。そういう意味では、現職とか既存の政党というものが、非常に厳しい状況になってきていると思います」

一方、女性の当選者は道議会で17人と過去最多となりました。札幌市議会でも21人と、過去最多だった前回より1人少なくはなったものの、同じ水準を確保しました。今回行われた全国の道府県議会議員選挙でも女性の当選者は過去最多となっています。
統一地方選挙は後半戦が始まります。今月23日の投開票日に向けて、道内の地域の動きをお伝えしていきます。

2023年4月11日

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