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そうだったのか テレビの電波「ハチや雪と戦っています~放送所の定期点検~」

  • 2023年2月1日

皆さんのご家庭にテレビやラジオの電波をお届けするための設備「放送所」。放送所はふだん無人で運用されています。基幹放送所といわれる大きな放送所は、基本的に毎月、技術者が設備を点検します。中継放送所といわれる普通の規模の放送所でも、年に数回、点検します。今回はこの定期点検についてご紹介します。

点検準備

点検は準備から始まります。
必要な機材や測定器など持ち物を検討し、作業スケジュールなど計画をたて準備して放送所に向かいます。点検内容によって、機材や測定器は異なり、時期や場所によっては装備や除雪道具、時には雪上車の手配が必要なこともあります。

夏は虫 冬は雪に注意

放送所の敷地内の建物に入る前には注意が必要です。
夏は建物のまわりにハチの巣などの危険がないかを確認します。建物に近づく途中でハチを見つけると、近くに巣があるのではないかと警戒します。下記の写真のように放送所の建物やすぐそばにハチの巣ができていることがあります。ただ見つけたらすぐに警戒するので実際にハチに刺されることはそれほどありません。

秋から冬にかけて気温が下がると、放送所の熱を求めて虫が群がっていることがあります。寄ってくるのは、ハエやガ、てんとう虫など。見えにくいところに大量に潜んでいることもあって、見つけたときは「うわー!」っと驚くこともあります。注意が必要です。

冬の点検の大敵は雪です。測定器や放送機器を持ち込むため、雪で転んだりしないようしっかり除雪を行い、建物の中に入ります。雪上車を使うほどではないかと思って放送所に来て、大雪で進めなくなることもあります。そういうときは、スノーシュー(かんじき)を履いて(時には1時間かけて)歩いて放送所を目指します。

3.放送機の点検

放送所に着いたら点検です。
放送機は故障に備え基本的に2台整備されており、1台が故障しても、もう1台で放送が継続できるようになっています。設備点検では、各放送機の運転状態をメーターや測定器、監視装置などを用いて測定、時には放送機の調整をしながら、機器に異常が無いか確認します。
万が一でも誤って電波をとめることがあってはいけません。放送機の操作では、複数人によるダブルチェックを行いながら、誤って電波を止めることがないよう細心の注意を払っています。
また、数年おきにオーバーホールや放送機メーカーによる詳細点検を実施することで、故障の未然防止に努めています。

4.非常用発電機や電源系の点検

非常用発電機や電源系の点検も大切です。
放送所が停電となったとき、活躍するのが非常用の自家発電機(ディーゼル発電機)です。自家発電機の燃料の軽油は地下タンクに入っています。点検では、実際に自家発電機を動作させて運転状況に異常がないかを確認します。受配電盤などの電源設備も点検し、発電機の電源系統への切り替え動作に問題がないかを確認しています。非常用発電機、受配電盤ともに、NHK保安規定(電気工作物の維持・運用・保安に関する規定)に則り、分解・精密点検を実施しています。

5.アンテナ設備の点検

放送所には電波を発射するための送信アンテナ設備が鉄塔に取り付けられています。おもに目視や監視装置で異常の有無を確認しています。あわせて、鉄塔に上がってアンテナ設備の詳細な点検を定期的に実施しています。

6.建物ほかの点検

建物についても、痛んでいるところ、補修が必要な場所はないか、換気扇など付属設備は問題なく動作するかなどを確認します。

7.放送を休止する点検作業

放送機やアンテナ、電源設備点検の中には、放送をお休みしなければ実施できない内容も多くあります。通常このような作業は、深夜帯に放送を休止して実施しています。ご迷惑をおかけいたしますが、放送設備の維持管理のための、ご理解のほどよろしくお願いいたします。

※なお、NHKホームページには、「放送休止のお知らせ」が掲載されています。いつどこの地域で放送休止予定があるのかお知らせしております。

このように日常的な点検(健康診断)に加え、専門会社などによる点検(人間ドック)を行いながら、安定した電波で放送をお届けできるよう取り組んでいます。

 

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