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そうだったのか テレビの電波「道北オホーツクの中継放送所」

  • 2023年1月25日

皆さんのご家庭に、どんな仕組みでテレビやラジオの電波が届いているのか、ご存じでしょうか。「中継放送所」といわれる道北オホーツク地域の電波を運ぶネットワークをご紹介します。

1.基幹放送所と中継放送所

皆さんがご覧になっているテレビやラジオの放送は、テレビ局から電波に乗って、まず起点になる放送所に送られます。道北地区は旭川(旭山)放送所を起点、オホーツク地区は網走(天都山)放送所を起点にしています。起点になる放送所を「基幹放送所」と呼ぶこともあります。

起点となる放送所から、電波をキャッチして、さらに新たに送信するのが「中継放送所」です。下記の図のように、中継放送所では、基幹放送所や、ひとつ前の中継放送所から電波を受けて新たに送信します。各中継放送所で使用するチャンネルなどを調整することで、電波が混信しないよう設計されています。

2.道北オホーツクの中継放送所ネットワーク

道北オホーツク地域では、いくつもの中継放送所を経由して、地域の隅々まで放送を送り届けています。下記の図で、赤い字で書かれているのが起点となる放送所で、白い字で書かれているのが「中継放送所」です。(実際にはもっと多いですが、おもな放送所だけを記しています)

例えば稚内地区には、旭川(旭山)の基幹放送所から、和寒→名寄→知駒の中継放送所を経由して電波が届きます。富良野地区には、旭川(旭山)の放送所から、上富良野を経由して届きます。興部地区には、網走(天都山)の放送所から、紋別などの中継放送所を経由して電波を届けています。
道北オホーツク地域の多くは、高い山に囲まれた盆地と、海岸線の平野部です。地域にあまねく効率的に放送をお届けするために最適な場所に中継放送所を整備し、ネットワークを構成しています。

3.テレビ放送所

テレビの放送所の多くは、見通しの良い山の上などに設置しています。理由のひとつは、見通しが良い高所から電波を送信すると、受信いただける地域を広く確保できるためです。高所だと、基幹放送所やひとつ前の中継放送所からの電波を確実に受信(中継)できる利点もあります。またテレビのアンテナは比較的小型なので、山の上に設置する鉄塔にも取り付けやすい特徴もあります。(FM放送についても、基本的に同じ考え方で放送ネットワークが構築されています。)

4.ラジオ放送所

ラジオ第一放送、第二放送(以下、中波ラジオ)の放送所では、放送局から伝送された番組をラジオの電波にして送信しています。ラジオの電波はテレビやFM放送と比べて広いエリアをカバーできるため、中継放送所の数が少ないという特徴があります。ラジオの放送所は設備も大きく土地も広さが必要なため、テレビのように山の上ではなく、平坦な土地に設置することが多くなっています。中波ラジオの放送所は、おもに赤白に塗り分けられた高い鉄柱(以下、中波アンテナ)が目印で、市街地に設置されている場合もあります。みなさんも見かけたことがあるかもしれません。
中波アンテナと地面の下に広く埋められたラジアルアースと呼ばれる設備を用いて、テレビより大きな電力で電波を送信しています。このようにラジオの放送所では敷地内の見えないところにも設備があります。

テレビやラジオの放送を良質な電波で皆さんにお届けするために、これからも持続可能な整備や保守運用を継続していきます。

 

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