今金町で旧石器時代の歴史を学ぶ
- 2023年8月1日
シリーズで3回お伝えする「つくって学ぶ!道南資料館」のコーナー。1回目は、今金町にある旧石器時代の遺跡、「ピリカ旧石器文化館」です。
国指定史跡「ピリカ遺跡」
今金町には、「ピリカ遺跡」という今から約1万年から2万年前の旧石器時代の遺跡が見つかっています。面積は約20万㎡もあり、そのうち99,090㎡が国の史跡として指定されています。
1978年に、ダムの建設をするための土質調査で石器が見つかり、遺跡が発見されました。この「ピリカ遺跡」は、美利河ダムのすぐそばに位置しています。
歴史を紹介!ピリカ旧石器文化館
その遺跡を紹介する建物が、遺跡のすぐ近くにあります。
「ピリカ旧石器文化館」です。
学芸員の宮本雅通さんに案内してもらいました!
館内には、「ピリカ遺跡」で出土した多くの石器が展示されています。
こちらは、「尖頭器」と呼ばれる石器です。木の棒の先につけて槍として使用していました。
一般的に石器ときいてイメージする、三角形をした矢じりです。
また、「ピリカ遺跡」には、重要文化財に指定されてる物もあります。
こちらは、「ピリカ遺跡」を代表する石器。先ほどと同じ尖頭器ですが、とても大きいんです!左の白いのが25センチ、右の黄色いのが33センチもあります!
ただ大きいだけではなく、薄く作られていて、石器を作る上での高い技術力があったことがわかります。
しかし、なぜこれだけ大きい物を作ったのか?また、出土した際にはバラバラに壊されていたということで、なぜ壊したのか?まだまだ謎は多くあるそうです。
資料館の外には、発掘現場をそのまま残した「石器製作跡」という建物がありました。
実際にこの場所で調査を行い、そのときのまま保存してあります。
土が小さなタワーのようになっているのは、石器が出てきたところの高さをそのまま残して、どの高さにどの石器が出てきたかを記録するためなんだそうです。
なかなか発掘現場を見ることができないので、とても貴重な場所ですよね!
展示されている石器も実物なんだそうですよ!
石器づくりに挑戦!
展示を見た後は、「石器づくり体験」をさせていただきました!
作るのは、展示でも見た矢じりです。
宮本さんに、石器の作り方をを教わりながらすすめていきます。
使う石は、黒曜石。鹿の角を使って、余分なところを押し剥いでいきます。この、押し剥ぐ作業が難しい!角を押し当てる場所、力の入れる角度などによって、うまく剥がれるかが決まります。
私も教わったとおり石器づくりに挑戦です!!
黒曜石の割れた破片でけがをしないように、ゴーグルと軍手をします!また、体験したいという場合は、長ズボン、くつをはいてきてくださいとのことです。
宮本さんに手伝ってもらいながら黙々と作業を続けること1時間半・・・。
完成です!!!
左が体験前。右が体験後の完成した矢じりです!
どうでしょうか?かなりきれいな矢じりになったと思います!きれいに破片がとれると楽しくて、大人も子どもも夢中になってしまうなと感じました^^
この「石器づくり体験」は、開催日が決まっています。今年度は、あと3回です。8月12日と、9月16日、9月23日です。
また、「石器づくり体験」の他にも様々な旧石器時代を感じることができる体験があります。
旧石器時代の歴史を見て、体験して、学んでみてくださいね!