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函館市長選挙 工藤寿樹氏インタビュー

  • 2023年3月11日

全国でも有数の観光地として知られる函館。その一方で、約24万3900人の人口のうち65歳以上が35%を超え、道内でも高い水準で少子高齢化が進行しています。新型コロナウイルスの影響による経済的な打撃も大きく、まちの活性化など課題が山積しています。
こうしたなか、函館のリーダーを決める函館市長選挙が4月23日に行われます。4期目を目指して立候補を表明している現職の工藤寿樹氏(73)に、掲げる政策やまちづくりの展望などを聞きました。(函館放送局  毛利春香)


函館の魅力と課題

函館市の最大の魅力は。

すごく難しい。いっぱいあるから1つだけ選ぶのは無理だよ。
例えば観光名所はたくさんあるわけだし、海に囲まれていて四季折々の風情もあるし、開港の歴史から来る西部地区の独特の町並みもあるし、函館山からの夜景もある。それから港があって空港があって、高速道路もあってという交通の要衝だとか、さまざま。そして海産といったグルメも。そうしたなかで、多くの人が考える魅力というのは、観光とグルメかなと思いますね。


函館の最大の課題は。

地方に共通している人口減少と、それに伴う地域経済の縮小。
人口が減っていくことによって市場も小さくなっていく。日本全国の地方が抱える最大の課題で、それ以上のものはたぶんないと思う。地域経済をどう活性化していくか、人口減少を少しでもやわらげるために少子化対策をどうするか、その2つですよね。いずれにしても地方経済の衰退が人口減少から来ていることは間違いない。


掲げる政策は

函館をこれからどんなまちにしていきたいですか。

簡単に言ってしまうと、「活気に満ちてすべての人にやさしいまち」。
一貫して言ってきたのは、日本一の健康福祉都市。それから、子育て支援の先進都市。快適で美しいまちづくり、ガーデンシティ函館を推し進めますよと。それから経済。活気に満ちているという以上は、やはり経済の活性化もやる。

「すべての人にやさしいまち」というのが、私の中の究極の目的です。財政を立て直して美しいまちづくりを進め、福祉の充実したまちにしようというのが、私の最終目標。年齢や性別、国籍、障害の有無などに関わらず、すべての人にやさしい。悩んでいるお母さんたちやひきこもり、ヤングケアラー、障害のある人、1人暮らしの高齢者もそうだし、LGBTも。そういう人たちにもやさしいまちをつくりたい。


「すべての人にやさしい」を実現するのはとても難しいのではないでしょうか。

例えば低所得層や子育ての対策で、予算的に金銭的な給付でできる支援と、もう1つは偏見をなくしていくこと。経済的な支援だけではなくて、どこかに寄り添えるものをきちんと制度的につくる。私の中では市内10か所の福祉拠点をつくったのは、まずその始めなんですよ。これをもっと拡充することで支える。金銭面での支援も充実させていく。その両面でやっていかないといけない。


改めて、そうしたまちにするために、どのような政策に力を入れますか。

大きく言っているのは人口減少対策で、一番の原因は少子化ですよね。少しでも子どもを産んでもらおうという支援。子ども医療費の無償化はやったし、就学援助もまず全国でもトップクラスまで拡大したけども、次は学校給食の無償化といった支援と共に、民間の企業に働きかけながら女性の働く環境を整えていきたい。

もう1つは経済再生。特に新型コロナの影響を受けた観光の立て直しです。若者の雇用の場を創出して若い人たちの転出を少しでも抑える。この2つが大きいかな。そのほか一般的な福祉とか教育ももちろんやっていくんですよ。


新型コロナ

新型コロナウイルスについて3月にはマスク着用が個人判断となり、5月にはインフルエンザと同様の5類に引き下げられる見通しです。今後の新型コロナ対策はどうしますか。

今の段階では、予算的にはワクチンの予算を組んだり感染防止の予算を組んだり今まで通りのことをまだやっている状態です。その後の変化というのは、国の方針をきちんと確認したうえで対応します。


コロナ禍前に戻りつつある中で新型コロナにとらわれない新たな政策への考えはありますか。

外へ出かけて函館を営業することが私も職員もできなかった。イベントの開催や交流人口を増やすこと、観光客を呼び込むことが一切できなかった。函館はやっぱり観光の町だから、コロナの影響がより大きく、マイナスになったんですよね。
だからそれを取り戻す政策をやっていかなければいけない。それは新年度予算ですでに国内国外両方の観光プロモーション経費、コロナ前の状態以上にあげているんですよ、走り回れということで。自分もこの3年はどちらかというと内政的な、コロナの支援策、福祉教育の充実を図ってきた。でも一番自分が得意とする外へ出て営業することが全く封じられてしまっていた。早く元の活気を取り戻していきたいなと思っています。


強みと弱み

現職と新人それぞれに強みと弱みがあると思いますが、工藤さんの強みは。

役所でいろんなことをやってきたというのはあるんだけども、私は政策だったりいろんなことを考えてつくりだすのが好きなんですよね。企画力とそれを決める決断力、それをやっていく実行力。この3つが自分の強み。一番はやっぱり自ら政策をつくれるということ。下から上がってくるまで待っていられない、待っているだけでは今の時代もう全然話にならない。


逆に弱みだと感じる部分は。

弱みってね、そんな感じたことないんだけどね。病気はいっぱいしてきたけど生き残ってきたから、それが弱みだとは思わない。人と比べてここは優れているとか劣っているとかそういうのは誰でもある話でね。弱みとはちょっと違う気がする。


多選と高齢に対する批判的な声がありますが受け止めは。

今回、立候補したのは、コロナ禍の3年間というのは非常に不本意だったことがある。自分が得意とする外に出て営業することができず、企業誘致や交流人口の拡大もあまりできなかった。国や政治家への要望、企業にも行けなかった。そういうなかで自分の3期12年のうち、あとの3年間はやった感がないなと。コロナ対策は確かにやったし支援策もほかの年よりやったつもりではいるけども。
年齢については初めて市長になるときから、先頭を走れなくなったらいつでもやめるって言っているし、まだ先頭を走る元気はあると思っているので。


2人の関係  上司と部下

同じく立候補を表明している大泉潤さんがいます。弟の大泉洋さんのこともあり、今回の選挙が注目されていますがどう感じていますか。

タレント本人が出てくればまた話しは別だけど、本人じゃないから。有権者の多くはきちんと人柄や資質、あるいは政策を見る。単純にタレントの兄だからということだけで選ぶ人がたくさんいるというほど有権者は愚かではないと思う。


同じく市長を目指すもう1人として、大泉さんのことをどう見ていますか。

相手や相手の動きがどうだということが、いま自分の中にほとんどなくて、まずは自分のやるべきことやろうと思っている。


おふたりは上司・部下の関係であり師弟関係だったという声もあるが、実際にそうだったのでしょうか。

師弟という意識はない。派閥とかもつくらないし。大泉に限ったことではないが、育てようという意識はあった。私の育て方は自分の周りに置かずに、自分でやってみろという育て方をする。私から離れて自分でやっていける人間でなきゃだめだから。大泉はそれができなかった。毎日のように部長になっても私のところに来るから、俺は観光市長じゃない、自分でやれと言ったこともある。


大泉さんを次の市長候補、後継者として考えていましたか。

全く考えていなかった。私の後継としてはね、全くない。


大泉洋さんの影響

大泉洋さんの影響は大きいと感じていますか。

結果としてどうなるかはわからないけれど、大きいというよりそれしかないと思っている。お互いに本人同士の戦いではなくて、私は本人じゃなくて、なんとなく弟たるこのタレントと戦っているような感じになる。


「厳しい戦いになる」ともおっしゃっていましたが、その思いは。

有名タレントの兄だということだけでマスコミが過剰にとりあげて、話題が先行してしまった。マスコミの取り上げ方には、危機感を持っているよね。普通の選挙じゃない。そういう意味で今まで厳しいって言っている。その取り上げられ方が向こうに有利な取り上げられ方しているから。公平じゃない感じ(笑)。


選挙戦へ向けて

選挙戦をどう戦い、何を訴え、アピールしていきますか。

私が次の4年間でなにをやるかという政策を愚直に訴える。改革と挑戦の締めだから。ずっと最初から改革と挑戦って言ってきて、今は愛をこめて最後の戦いと。もういずれにしても最後ですから。

(インタビューはことし2月に行いました)

函館市長選挙 大泉潤氏インタビュー

2023年3月8日

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