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夏の大雨 函館でも「内水氾濫」に注意

  • 2023年6月22日

~バーチャル防災解説動画 制作の舞台裏~

アナウンサーの向井一弘です。函館・道南のみなさん、去年8月の大雨、覚えていますか?「あっ!」という間に産業道路も冠水。夜、家路を急ぐ車の中で怖い思いをした人もいたのではないでしょうか。この時起きていたのが「内水氾濫」という現象です。

函館でも「内水氾濫」に注意!

コンクリートに覆われた市街地では大雨が降っても地面に水が浸透しにくく、下水道や側溝などに集中して流れ込みます。そして短時間に集中して大雨が降ると、排水が追いつかず水があふれてしまうことがあります。それが「内水氾濫」です。大雨の浸水被害は川の氾濫や堤防の決壊によるものだけではないのです。
では、去年8月の雨とはどんな降り方だったのでしょうか。函館地方気象台によりますと、8月8日夜からの雨で、函館市美原で1時間に64ミリ、函館空港で1時間に81.5ミリと、それぞれ統計開始以来最も多い雨量を観測。短時間に想定を超える雨が降って「内水氾濫」が引き起こされたのです。およそ2万人に避難指示が出された函館市では、人的被害は報告されませんでしたが道路の損壊や浸水などの被害が相次ぎました。ことしも大雨が予想されるときはこの「内水氾濫」に注意が必要です。

ほっとニュース函館「道南DEぼうさい」2023年3月28日放送から

函館の制作風景 期待の若手たちとおじさん
さて、最新のバーチャル技術を駆使して皆さんに防災を呼びかけるこの解説動画の制作部隊は3人。営業や視聴者サービスが専門の髙橋佑征(たかはし・ゆうせい)職員、SNSの発信や効果検証が得意な朝山憲太(あさやま・けんた)職員、そしてアナウンスの私(向井)です。
カメラマンもディレクターもいないのは不思議かもしれませんが、全国でも圧倒的に職員の数が少ない函館局では、もともとの専門以外の仕事を増やそうと取り組む人が増えているのです。髙橋職員は今年度すでに「ほっとニュース函館」の人気コーナー「ドキュメント7.2時間」も制作しているんですよ。
『道南ドキュメント7.2時間』#2 ~ 大型連休中の七飯町・道の駅にて~
私より20歳以上若い2人が生き生きと働く姿を見て、おじさんも日々刺激を受けています。

朝山憲太職員  髙橋佑征職員   筆者

とは言え不慣れなメンバーの集まりで、機材も普段テレビではあまり使わないものばかり。撮影は苦戦しました。下の写真はCG空間に合成するための人物の動きやセリフを台本に沿って収録している様子です。仮設のグリーンバックを自分たちで組み立て、スマートフォンで撮影したのですが、「コメントが尺に入らない」、「動いたときに足先がはみ出した」など何度もやり直しが発生。6種類のカットを撮るのに結構時間がかかってしまいました。

老いも若きも一丸でやっております!
撮影した映像は東京に送り、専門の職員がワンカットずつ特殊なパソコンでバーチャル空間と合成してくれます。すると、こんな感じになります。

合成された映像素材が手元に来たら、残るは“編集作業”です。映像を並べ、テロップを入れ、効果音をあわせ、音の大きさやバランスを調整しながら完成させます。これも期待の若手にやってもらったのか?おじさんは臭い演技をしただけなのか?…いや違います。
編集を担当したのは、最年長の私。

今月で47歳になる向井も、髙橋職員のように「やれることを増やそう」とマルチスキル獲得に取り組んでおります。
全国のNHKの中でも函館放送局は非常に小さな規模ですが、道南の皆さんの暮らしにとって欠かせない存在になれるよう、老いも若きも職種を越えて毎日一丸となってコンテンツを作り上げているのです。

防災情報は「ほっとニュース函館」の「道南DEぼうさい」でも毎月お届けしています。大雨への備えなど、去年の放送内容も参考になさってください。

過去の「道南DEぼうさい」はこちらから
まさかは必ずやって来る ~道南の災害記憶を次世代へ~

向井一弘の書いた記事はこちらもどうぞ
道南の〝防災意識〟を高めたい
たった一人の剣道部員 北海道森高校 剣道部

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