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星空に音楽 ロマンあふれる大人たち

  • 2023年8月24日

岩内町の滞在も終盤です。この日は、ローカルフレンズの目黒沙弥さんから、星を見てくるようにというミッション。

早速車を走らせて、岩内町から共和町に入ったところにある神仙沼へ向かいました。海抜およそ750メートルの高原に沼や湿原が広がっています。周囲に光を出す建物などがほとんどなく、道内でも有数の星空観察地なんです。

神仙沼レストハウスで出迎えてくれたのは、水産加工会社を営む石塚貴洋さん。その手には、カメラ。

実は石塚さん、レストハウスのオーナーでもあり、これまでに何度も神仙沼の星空を撮影してきたそうです。そしてこの日は石塚さんが企画する、星を見るイベントが開かれました。

あいにくの曇り空に不安になっていると、石塚さんから「今日は星空が期待できる」と力強いひとこと。その言葉を信じ、待ちます。

だんだん日が落ちてきた夕方。カメラを持った人たちが次々と集まってきました。みなさん揃って腹ごしらえ。お弁当を食べています。

町の料理店が、イベントに合わせてつくったお弁当。星型のニンジンやオクラ、ごはんには黄色いとうもろこしが星のようにちりばめられています。

お腹も満たされ、すっかり辺りも暗くなり、いよいよ外へ。真っ暗です。

雲間から息を呑むような満天の星がのぞきました。カメラのシャッター音も、歓声も、鳴りやみません。

石塚さん
「神仙沼がいい場所だって全国に知ってもらいたい。なんなら世界に知ってもらいたい」

沼や湿原が広がる夜空に輝く、無数の星。ロマンが感じられるオススメスポットです。

目黒さんに連れられ、とある場所へ。現れたのは、すてきなハットをかぶり、みごとに楽器を弾きこなし、動物と心を通わす男性。

大工の福嶋勇さん。目黒さんと、とあるご縁があるようで……。

こちらの黄色いトラック。目黒さんのお母さんが持ち主です。「人形劇をしながら旅をしたい」という夢を聞いて福嶋さんが「かなえて差し上げたい」とつくった特別な一台。

トラックが停まっていた奥には、「配送センター」と書かれた建物。もともと空き物件だったところを福嶋さんが買い取り、改装中なのだそう。

中へ入ると、トランポリンや色とりどりのガーランド。なんだか楽しそう。

はじめに案内してもらった部屋には、ギターやドラムなど楽器がずらり。天井を見上げてみると、メロンの梱包材が一面に貼られています。

福嶋さん
「岩内や共和でとれるメロンの梱包材。吸音に最高」

目黒さん
「(福嶋さんは)遊びの天才です」

ロックに傾倒した青春時代。アメリカを旅したときには、音楽を鳴らせる場所が自分を受け入れてくれたと言います。

今度は、自分がそんな場所を作る番。この建物をみんなが集まれる場所にしたいという思いで、改装を進めています。

福嶋さん
「ここから羽ばたいていってくれる人がいたら、それが僕の一番の夢ですかね」

別の部屋へ行くと、ギターが大好きだという男性が「いつかギターを作りたい」と材木を乾燥中。
さらに別の部屋では、陶芸にのめりこみ、海外で展示会を開くまでになった女性が、制作活動をしていました。

夢を追う人たちのために、福嶋さんがつくる秘密基地のようなこの場所。岩内町で最後に出会ったのは、自由を愛する人たちでした。

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