シラベルケーネ! 国道沿いにサルの看板 どんな意味が?
- 2024年05月01日
みなさまからの疑問や質問にお答えする「シラベルケーネ!」。今回は林真子さんからの投稿です。「2号線沿いにお猿さんの看板があり、笑ったり、泣いたりしている。何か意味はあるの?」という疑問について調べてきました。
(NHK広島放送局記者 淺津賢吾)
その看板は、国道2号沿いの海田町から広島市に入ったところにありました。
だれが、どのような目的で、サルの看板を設置しているのか。しかもなぜか泣いています。なぜわざわざ悲しげな表情になっているのか。なぞは深まります。
看板のあるビルの持ち主が関わっているとの情報を得て、さっそく向かいました。
サルの看板を設置していたのは、松本則正さん(79)。このビルの持ち主で、印刷会社を経営しています。
松本さん
「お猿さんはあの3つの表情があって、前日の広島県の交通死亡事故を表しているんです」
サルは県内の交通事故の状況を示すものでした。しかも表情は3種類。手作りの看板です。前日の交通死亡事故がゼロの場合「笑い」。1人でも亡くなった場合は「泣き」。さらに亡くなった人が未成年か70歳以上の場合は「怒り」です。交通死亡事故の情報は、土日や祝日などを除き、毎朝松本さんか会社のスタッフが県警に問い合わせています。
「ゼロですねありがとうございました」
うかがった日の前日は交通死亡事故がゼロ。さっそく、その結果をカレンダーに書き込みます。
松本さん
「きのうが『泣き』でしたからきょうは『笑い』になりましたから『笑い』に付け替えになります」
向かったのは屋上です。作業は松本さんが1人で行います。まずは前の日の看板を下ろす作業から。
つぎに「笑い」の看板を準備します。重さはおよそ10キロ。これをロープで引き上げます。
松本さん
「風が強い時は、やっぱりあおられたりしますから、特に下ろす時が大変」
松本さんは、出張や台風などを除いて看板を付け替えてきました。
看板を設置したのは、20年前。小学校のPTAに参加し、子どもが巻き込まれる事故の多さに胸を痛めたことがきっかけだといいます。
松本さん
「半年で6名も交通事故に遭ったんです。なんとかしなきゃ、PTAなんだから、と交通安全ということに当時取り組んだんですよ」
自社ビルの看板で交通安全を呼びかけることを思いつきました。
松本さん
「どんな絵にするかっていったら、たまたまサル年だったということで。事故が去るまでということで『サル』にされているのですか、というお話が出て、そこまで考えてなかったんだど…そうなればいいねってことでね」
松本さんはこの20年、カレンダーに記録を残してきました。始めたのは2004年。交通事故で死亡した人は180人あまりでした。
松本さん
「怒りがやっぱり多いですかね。何日も続いて、10日くらい連続で続いているのがありましたね」
なかなか減らない交通死亡事故。松本さんは今後も看板で交通安全を呼びかけていくつもりです。
松本さん
「ハンドルを握っている限りは、絶えず緊張感がないといけないんじゃないかな。楽しくみんな運転できるためにも交通事故がないようにと思いますね。いつもサルが笑い続けて、というのは1つのお願いですけどね」
投稿を下さった方のように、看板の意味が伝わっていない人もいるのでは?と松本さんに伺ったところ、意味を知ったときに気を引きしてめてもらえればいいと思う、というお答えでした。目立たず、しかし世のためにメッセージを送り続ける姿がとてもすてきだなと思いました。
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https://www.nhk.or.jp/hiroshima/okonomi/shiraberukeene/
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