安芸高田市の川根小学校で閉校式 148年の歴史に幕
- 2024年04月16日
安芸高田市の川根小学校で3月24日、閉校式が行われました。148年の歴史に幕を下ろした小学校の、思い出を振り返ります。
(NHK三次支局 下井田和恵)
「ただいまから安芸高田市立川根小学校の閉校式を挙行いたします」
川根小学校の閉校式。小学1年生から6年生まで9人の児童をはじめ、地域の人たちや卒業生、約250人が集まりました。
川根小学校は明治9年に開校。最も多いときは296人の児童がいましたが、徐々に人数が減少。148年の歴史に幕を下ろすことになりました。
子どもたちは、支え続けてくれた地域の人たちに感謝のメッセージを送りました。
「ぼくたちはこれまで川根の豊かな自然のもと地域のみなさんに支えていただき最後の1年間を9人で楽しく元気に過ごしてきました。ぼくたちは川根が大好きです」
川根小学校は地域とのつながりを大切にしてきました。毎年、地域の人の畑で特産のゆずを収穫。ゆずの加工所も見学し、地域の産業について学んできました。
去年7月には、70年前に卒業した大先輩10人が小学校を訪問。伝統として受け継がれている一輪車を披露して歓迎しました。
子どもたち
「みなさんこれまで川根小学校を応援していただきありがとうございました。ぼくたちはこれからも頑張ります」
式にかけつけた卒業生も、小学校の姿を心に焼き付けていました。
広島市から
「昭和29年卒業生。もう感無量じゃね。涙が出る。本当に学校へ感謝するのと先生へ感謝の気持ちでしょう」
広島市から
「いつまでたっても小学校は小学校。貴重な場所が1つなくなっちゃうなという感覚があります」
福岡県から
「自分がこういうところで育ったというのを息子に見せたいなというのがありましたね。小さいころはとても不便で住みにくいところだったんですけど、そういうところだったからいろんなことを感じられるようになれたんじゃないかと今では思っています」
最後の在校生となった子どもたち。思い出を胸に、新たな一歩を踏み出します。
子どもたち
「悲しかった」
「先生との思い出をつくった」
「いい小学校だったです」
「大切に私の中に残しておきたい。つらいときに思い出したい」
「算数の九九を早くできるように頑張ります」
「いままでぼくたちのことを見守っていただいたりとかしてくれてありがとうございました。これからも僕たちの姿を見ていて下さい」
「川根小学校ありがとう」
子どもたちは4月からスクールバスに乗って川根小学校から13キロ離れた高宮小学校に通います。地域の人たちはこれからもさまざまな行事を通して子どもたちとのつながりを保ち、川根を盛り上げていきたいと話していました。