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あなたの大切なモノって何ですか?【鳥取・江府町】~前編~

  • 2024年02月26日

ひるまえ直送便で放送している旅コーナー「あなたの大切なモノって何ですか?」。今回は、大山のふもとに位置する鳥取県江府町を旅しました。前編は、少人数ながら頑張っている部活の練習にお邪魔しました。

(NHK広島放送局キャスター 村上史)

あいにく雲がかかっていましたが、南側から見る大山は山肌が荒々しく雄大でした!

訪ねたのは、2022年に小中学校が合併して開校した「江府町立奥大山江府学園」。こちらに少人数ながら頑張っている部活があると聞いて訪ねてみました。

音楽室で練習に励んでいたのは、吹奏楽部の皆さん。中学生にあたる7~9年生の8人で活動しています。この少人数で、ことし鳥取県大会で金賞を受賞し中国大会に進みました。どんな練習をしているのか、顧問の北垣球(きたがき・まり)先生に聞いてみました。

顧問の北垣球(きたがき・まり)先生
北垣先生

少人数だと厚みに欠けるので、打楽器を多用しています。一人2役以上こなして色をつけるっていうか。コンクールでは、もう一人8個ぐらい楽器をやっています。大移動しながら管楽器の子がこっち行って打楽器やって、今度は打楽器の子が管楽器やって。少ないからこそ組み合わせてできることもあるので、すごく良いなと思いますね。

奥大山江府学園の吹奏楽部は、それぞれが担当パート以外に打楽器も練習します。木琴からドラム、さらには和太鼓まで使って迫力ある演奏を実現しているんです。

小学4年の時にトランペットを始め、中学、高校と吹奏楽部だった北垣先生。吹奏楽の顧問は、5年前ここに赴任した時が初めてのことでした。初めは生徒たちをうまくリードできなかったといいます。

北垣先生

最初は分かんないからがむしゃらにやってて、多分一人で暴走してた時期もあったと思うんですね。ちょっとしたことでも「何してるの」とか…怖いですよね。生徒がなんか離れていっているって言うか、うまくまとまらないっていうのが感覚としてあって。どうすればうまくいくんだろうって。

状況を変えるために指導法を見直した北垣先生。

北垣先生

子どもともっとやり取りするようになったって言うか。子供と一緒に考えるようにちょっとずつ変えていきました。キュッとするのと、ホワっとする。メリハリをしっかり意識するようになってからは、関係っていうのも変わってきたのかなと思ってます。こうした先生の指導を子どもたちはどう感じているのか聞いてみました。

「先生はたまに怖いけれど面白いし、何か色々例えたりする時の例がすごいおもしろいので楽しく部活できて嬉しいです。」「大会とかでも『みんなを1位に、上に持っていく』みたいな本当に熱量がすごくて、それに答えたいなって頑張っています。」と生徒の皆さんは話してくれました。

校長先生は、北垣先生の指導をどう感じていますか?

校長先生

小学校の時に吹奏楽には全然縁がない子ども達なんです。ところが、その初心者が夏のサマーブラスコンサートに向けて練習していくと、スキルも上がってますし、こんなことまでできるようになっていくんだと。子ども達の姿を見るにつけ、指導をされる北垣先生の情熱みたいなのを子どもたちの姿から感じるっていう気がします。

生徒たちを全力でリードする北垣先生。そんな先生の大切なモノを見せてもらいました。

現れたのは、派手派手なシャツ!思わず、えーっ!と叫んでしまいました(笑)

北垣先生

シャツが大好きで。ここ5年間でだんだん集まっていったものです。いろんなステージで本番のスイッチを入れるために買って。

演奏する曲に合わせてシャツを選んでいるという北垣先生。気合がすごい…!このシャツに身を包んで、飛び跳ねながらのダイナミックな指揮がお客さんに人気だそうです。

北垣先生

社会に出てから辛い経験や壁にぶち当たったりとかありますけど、あの時頑張ったよな、やれたよっていう経験があるとないでは違うかなって思って。それのお手伝いができたらなって。ちっちゃい町で少ない人数だけど、目の前の子ども達に何ができるか考えているだけなので。その思いだけでやらせてもらってます。

取材中もずっと笑い声が絶えなくて、子どもたちと先生の強い絆を感じました。実は私も中学生のころ吹奏楽部だったのですが、練習が厳しくて顧問の先生と親しく話した記憶というのはあまりなく…。皆さんの家族のような雰囲気にとても憧れました!きっと、生徒たちにとって、この時間は宝物になると思います!
そして、奥大山江府学園吹奏楽部は、昨年12月に行われたアンサンブルコンテスト鳥取県大会でゴールド金賞を取り中国大会に出場を決めました。おめでとうございます!これからもずっと応援していますよー!

(NHK広島放送局キャスター 村上史)

~後編に続く~

  • 村上史

    NHK広島放送局キャスター

    村上史

    熊本県合志市出身。「ひるまえ直送便」を担当して3年目。好きな広島弁は「~しんちゃい!」

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