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広島ドラゴンフライズ 上澤俊喜選手 仕事の流儀 木村文子さん STU48諸葛望愛さん インタビュー

  • 2023年11月14日

先月、開幕したBリーグ。来年5月まで続く長いシーズンが始まりました。広島加入2シーズン目、ポイントガードの上澤俊喜選手が「ひろしま コイらじ」に初出演!試合の勝負所で起用され、結果を残す上澤選手に”仕事の流儀“を聞きました。

(広島放送局 アナウンサー 武本大樹)

 

木村文子さん 上澤俊喜選手 諸葛望愛さん

ファーストシュートを大切に

 

提供:広島ドラゴンフライズ

上澤俊喜選手は、富山県出身の25歳。身長1メートル76センチ、77キロのポイントガードで、3ポイントシュートが最大の持ち味です。去年、地元の富山グラウジーズから広島ドラゴンフライズに加入しました。昨シーズン、琉球ゴールデンキングスとのレギュラーシーズン最終戦で、「ブザービーター」の3ポイントシュートを決め、チームを劇的な勝利に導きました。今シーズンは開幕から全試合に出場し、すでに3試合で二桁得点をあげています。「トシ」の愛称で、チームメイトからもブースターからも愛されています。

諸葛)さっそくですが、トシさん、「ブザービーター」とは何でしょうか?
上澤)試合終了のブザーと同時にシュートを打ってゴールを決め、勝つことです!ブザーが鳴っている間にボールが離れていれば、ゴールが認められます。一番盛り上がる、バスケットのだいご味ですね。
諸葛)私はまだドラゴンフライズの試合を見に行ったことがないので、その瞬間をぜひ見てみたいです!
上澤)ぜひ見に来てください!
武本)昨日(10月29日)の試合は第2クオーター途中から出場し、最初のシュートとなる3ポイントシュートを決めるなど、11得点をあげて勝利に貢献しました。活躍をどう振り返りますか?
上澤)自分の仕事はシュートです。特に日ごろからファーストシュート(最初のシュート)を意識しています。昨日もファーストシュートを決められたのはとても良かったです。
武本)なぜファーストシュートを強く意識しているのですか?
上澤)僕の今の立ち位置は、途中から試合に入っていくベンチプレイヤーです。最初のシュートを決められるかどうかが、その後の出場時間の獲得につながってきます。ヘッドコーチからの信頼の獲得にもつながると思っています。

開幕1か月を振り返って

木村)ドラゴンフライズは開幕から1か月を戦って、3勝6敗。ここまでの戦いをどう感じていますか?
上澤)結果としては負け越している状況ですが、僕たちのバスケットが展開できれば勝利がついてくるというのはわかっています。ここまでの3勝を振り返っても僕たちのバスケットができている。それをこれからいかに増やしていけるかが大事だと思います。まだ始まったばかりなので、これからどんどん勝っていきたいです。
木村)ここまでホームゲームには4000人を超えるお客さんが詰めかけていますね。選手としてはとても力になるのでは?
上澤)それはもう、本当に力になっていますよ。今シーズンは、2026年に始まる新しいリーグ「Bプレミア」の参入に向けて、クラブとしても平均4000人以上の動員を目指しています。4000人のお客さんが入ると、特にシュートを決めた時の「ワーッ!」という歓声が格別ですね。ものすごく力になります。
木村)昨シーズンはレギュラーシーズン7割近くの勝率。初めてチャンピオンシップにも出場しました。昨シーズンとのチームの違いはどこですか?
上澤)ことしは昨シーズンの課題だった「ディフェンス」と「リバウンド」に特に力を入れています。その2つはここまでよくなっていますが、昨シーズンよかったシュート確率や得点数で苦戦しているので、そこが改善点だと思います。

 

提供:広島ドラゴンフライズ

チームの一体感

木村)今シーズンは上澤選手を含めて10人が残留。お互いを知っている仲間と戦えるのは大きなメリットですよね?
上澤)本当に大きいことですね。強豪チームはメンバーがあまり変わらない。10人も同じメンバーで戦えることはそれほどあることではないと思います。昨シーズンでき上っていたチームからさらに積み上げができる。すごく大きなメリットだと思います。
諸葛)上澤選手が仲の良い選手は誰ですか?
上澤)みんな仲が良いのですが、年齢の近い寺嶋選手や、高校の後輩でもある中村拓人選手はよく一緒にいることが多いですね。
諸葛)外国人選手もたくさんいますが、どうやってコミュニケーションをとっているのですか?
上澤)基本的には英語に合わせようと思っているので、僕たちは頑張って英語で伝えようとします。でも、外国人選手もみんな日本語を学ぼうとしてくれていて、特にエバンス選手はもうペラペラです(笑)。カイ・ソット選手も日本語を教えてくれとよく言いますし、積極的に日本語を学ぼうとしている。試合中は英語でコミュニケーションをとることが多いですが、ふだんは結構日本語でしゃべることも多いですね。
木村)試合中の英語でのコミュニケーションはどんなものが?
上澤)例えば、チームファールが5つになると相手にフリースローが与えられるのですが、4つになった時には「ウィー・ゴット・フォーファール!」とか「ノーモアファール!」とみんなで言い合う。共通意識を持つために声を掛け合うようにしています。
木村)開幕直前にはカープの試合でキャプテンの朝山正悟選手が始球式を行いました。選手全員で応援に行っていましたね。
上澤)練習場以外のところでチームとしての活動をすることで一体感も増すと思います。みんな食べて飲んでダンスをして純粋に楽しんでいましたね(笑)みんなで楽しむこともチーム力が高まることにつながると思います。

あいつはあいつ俺は俺

木村)上澤選手のお気に入りの一曲が湘南乃風の「夢物語」。どんな思い入れがあるの?
上澤)すごく歌詞がいいなと思って好きになりました。歌詞の中に「比べるもんじゃない あいつはあいつ俺は俺」というフレーズがあります。もちろん常に理想の形でいられたらいいですが、それはなかなか難しい。理想でなかったとしても自分は自分。そこで輝ければ主役だよね、というメッセージがとても心に刺さりました。

 

昨シーズンの成績を記録したノート

武本)私はドラゴンフライズの選手の出場時間や得点をノートにつけています。大きな数字が得点(〇がついている選手は先発メンバー)、隣の小さい数字は出場時間です。昨シーズンのノートを見返すと、上澤選手は開幕から7試合得点はゼロ。8試合目で初得点をしているのですが、出場時間は数分という試合が続きました…。
木村)移籍1年目でなかなか試合に出られなくて焦りはなかったでしょうか?
上澤)焦りは結構ありましたね。昨シーズン、ドラゴンフライズに加わった日本選手は僕だけ。ほかの日本選手は少なくとも1年は一緒にプレーしている中で、共通理解の遅れはあったと思います。それでもプロの世界は1年でどうなるかがわからない厳しい世界。なかなか結果を出せなかったことで焦りはありました。
木村)どんなことが支えになっていましたか?
上澤)やっぱり応援してくれている人のことばや、ことばを直接聞くことができなくても応援してくれている人がたくさんいるということを改めて知ることができました。とても支えになりました。
諸葛)試合に出られない中、どうやってチームに貢献しようと思いましたか?
上澤)高校、大学ではキャプテンをしていましたが、試合に出られない時もありました。やっぱりチームのために声を出して盛り上げたり、ここはこういうふうにしよう!と声を出したりすることを心がけていました。出られない時こそ、得られるものがある。ベンチに座っている時にいかに相手がどういうプレーをしているかを分析して、自分が出た時はこうしようと考えることができる。試合に出られない時こそ学びがある、勉強になると思って取り組んでいました。

何か自分からアクションを起こすこと

武本)チャンピオンシップ進出争いが佳境に入ってきたシーズンの終盤。3月下旬の古巣・富山との試合で4本の3ポイントシュートを決めるなど、上澤選手の存在感が大きくなってきました。私が取材をした時にとても印象に残ったことばがありました。「短い時間で結果を出すというのはやっぱり難しい。でも、それはプロの世界なので。誰でも出場時間を与えられれば、たぶん持っているものを出せると思う。いかに短い時間で結果を出せるか。いるだけじゃなくて、何か自分からアクションを起こしていきたい」と。このことばはどんな思いで?
上澤)みんなプロなのでみんな上手。みんな出場時間をもらえれば、絶対結果を出せる能力はあると思うんですね。でも先発では5人しか出ることができない。ほかの選手はベンチスタート。ポッと出された時に、いかにヘッドコーチやチームメイトの信頼を得られるか。出た時にただボールが来るのを待つのではなく、自分から動いて得点をする、スティールをする。いつ呼ばれてもいいように常に準備をするのはもちろん、何か自分からアクションを起こすこと。それがプレータイムの獲得にも、信頼の獲得にもつながると思っていました。

 

練習の虫

木村)オフの日の過ごし方は?
上澤)僕はわりと家にいることが多くて、動画サイトを見たり、映画を見たり。結構一人でいることが好きですね。ゆっくりとした時間を過ごしています。
木村)チームでただ一人、練習場のある廿日市市に住んでいると聞きました。どうして廿日市市に住むことにしたのでしょうか?
上澤)僕はまだ25歳で若いほうなので、たくさん練習したいなと思いまして。いろんな人にどこに住んでいる?と聞いたのですが、休みの日も練習したかったので近くのほうが良いなと思って、廿日市市に住むことにしました。
諸葛)すばらしいですね。お気に入りの場所はありますか?
上澤)とんかつ屋さんが僕の家の近くにあるのですが、そこはお気に入りです。チームメイトともよく行きますよ。
諸葛)自炊もされますか?
上澤)そうですね。なるべく自分で作るようにしています。得意料理といえるものはあまりないのですが、豚キムチなど肉を作った料理をよく作ります。本や動画を見ながら頑張っています。
木村)料理男子ですね?
上澤)そこまで言えるかはわからないです(笑)アスリートなので、栄養を気にして頑張って作るようにしています。
諸葛)広島で行ってみたい場所はありますか?
上澤)尾道や福山ですね。福山で試合もあるのですが、ゆっくり観光したことがないので…。
武本)リスナーの方から、木や川の水など自然のものに触れて過ごす「アーシング」にはまっていると。
上澤)トレーナーの森田さんと朝山選手に行こうよと誘っていただいて、自然はエネルギーを持っていると。大きい木を触っているだけで力をもらったり、川の水に足や手を入れているだけでピリピリと力をもらったりするよと教えてもらいました。「アーシング」で力をもらえますし、リフレッシュにもなると思うので、習得しました!
武本)来年5月まで続く、60試合の長いシーズンは始まったばかり。今後の目標は?
上澤)チームとしては今シーズンもチャンピオンシップに出て、優勝という目標があります。先は長いですが、一戦一戦が大事だと思うので、ひとつひとつ勝ちを積み重ねていって目標を達成したいと思います。
木村)最後にブースターの皆さんにメッセージをお願いします!
上澤)今は負け越している状況ですが、僕たちのバスケットはまだまだこんなもんじゃないです。もっともっと楽しんでもらえるように僕たちもたくさん練習して、たくさん勝っていきます。そのためには皆さんの応援が本当に必要です!本当に力になるので、引き続き応援よろしくお願いします!
木村・諸葛・武本)上澤選手、ありがとうございました!

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