“手作りの楽しさ”伝える 坂町の革製品教室
- 2023年09月29日
坂町に移住し、革製品を手作りすることの楽しさを伝えていきたいと取り組む夫婦がいます。
(NHK広島放送局記者 北畑有紀乃)
手作りの革製品
神奈川県出身の平澤雪絵さん。
夫の勇太さんとともに、坂町で革靴や革を使った小物を作る教室を開いています。
東京の靴教室で出会った2人は、広島市で暮らしたあと、6年前に坂町に引っ越してきました。
子育てとものづくりの作業をしやすい家を探していたところ、ぴったりの古民家を坂町で見つけました。週2回開いている教室。この日の参加は3人、バッグやかばんのひもを作っていました。
参加者たちに聞いてみると…
「革製品はすごく好きだったけれど、自分が作るとは思っていなかった。今ではきれいに作りたいと思い始めて楽しい」
「出来上がった時の、出来た、これ私だけのものっていうのがすごいある」
必要なものは手作りで
平澤さんは身の回りのものも、自分たちで手がけます。小学校に通う娘と息子のランドセルも作りました。入学当時まだ体が小さかった娘のため、肩のベルトを体に沿うように調整するなどの工夫も。
「走るときとかにランドセルがぴったりするから、すっきりする」
工作が大好きだという子どもたち。ランドセルの製作にも携わりました。
横のフックやポケットの部分を縫ったそうです。
坂町の子どもたちにも手作りの楽しさを!
地元・坂町の子どもたちにも、ものづくりの楽しさを感じてほしいと、先月、平澤さんたちの工房で教室が開かれました。
作ったのは、革を使ったキーホルダーや、ヘアゴム。
平澤雪絵さん
子どもの方が思い切りがいいんですよね、迷いがないというか。ああやっぱり子どもはすごいなっていつもこちらがびっくりさせられます。
坂町でこれからも
2人にとって新たな故郷となった坂町。革製品を通して、自分の手で作ることの楽しさを少しずつ伝えていこうと、これからも取り組み続けます。
平澤雪絵さん
革ももともとは命なので、使って捨てる、というのではなくて、作った物はどこまでも直せるので、愛着を持って使ってもらって、傷んできたら直してまた使うということができるのはすごく大きい魅力じゃないかと思います。
職人技ではなくて、自分のお財布だから自分で作るとか、自分の履く靴だから自分で作るっていう、難しく考えないで、やってみたら楽しいよっていうことを伝えていきたいです。
平澤さんの工房では、1日で作れる定期入れやメガネケースのほか、およそ4か月かけて作る靴など、さまざまなものを作ることができます。