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広島大学で「プロフェッショナル大学生応援塾」

  • 2023年07月24日

「プロフェッショナル仕事の流儀」を担当してきたNHKのディレクターが、大学生の質問に答える特別講義が行われました。「やりたいことが見つからない」「大学院に進学すべきか、就職すべきか、人生の選択に後悔したくない」 。将来に不安を感じる大学生たちの率直な思いに、ディレクターたちはどう答えたのでしょうか。

(NHK広島放送局 前川萌)

 制作者が語る「心に残った『仕事の流儀』」

7月5日(水)、広島大学で「プロフェッショナル大学生応援塾」と名付けた特別講義が行われました。これは、超一流のプロフェッショナルに密着し、その仕事を徹底的に掘り下げる「プロフェッショナル仕事の流儀」の制作を担当した3人のディレクターが、学生たちの悩みに答え、多くのプロたちから学んだ、社会でいかせるヒントを大学生に伝えるもので、会場には134人が詰めかけました。

左から 奥ディレクター、宮田ディレクター、新保ディレクター

講義は、取材相手から引き出した珠玉のことばを用いながら進められました。例えば、石川佳純さん(卓球選手)を取材した奥翔太郎ディレクターが、感銘を受けたという流儀は…。

「勇気出したほうが勝ち」

密着した当時は、東京オリンピック代表選考の真っただ中。 プレッシャーで試合に勝てなくなり、どん底まで落ち込んだ時、石川さんはこのことば通り、勇気を出して選考試合に挑みます。その結果、見事にプレッシャーをはねのけて勝利し、最終的にオリンピックへの切符をつかみ取ったのです。

人生の選択において、大きいものでも小さいものでも、勇気を出して向き合ったほうが、後悔が残らない。少しの勇気を持つことで人生は少しずつ変わることを、奥ディレクターは石川さんから学んだということです。 

一方、宮田千帆里ディレクターは、日本を代表するパティシエ・西原金蔵さんを取材しました。当時、宮田ディレクターは、仕事とプライベートとのバランスに悩んでいた時期でもあり、西原さんに「何かを失うと分かっていても、前に進むべきですか」と尋ねてみました。すると、お店の閉店や妻の病気など、数々の経験をしたプロフェッショナルが語ってくれた流儀は…。

 「得るものもあれば、失うものもある」

人生は得ることばかりではない。しかし、失うばかりでもない。それを受け入れて、バランスを取っていくことが人生だと教えられたと話していました。 

大学生の悩みや疑問に制作者が答える

講義の中では、会場からあがった悩みや疑問、そして事前に集めた質問に、3人のディレクターが答えました。

大学生

やりたいことが見つからない

石川佳純さんを取材した奥ディレクターは「『職業』で自分の将来を考えず、もっと分解をして考えてみて」と話し、「なぜ」を5回ほど繰り返す手法を紹介しました。
就職に限らず、自分が好きなことなど、「なぜ好きなのか」「なぜ興味があるのか」「なぜ楽しいのか」など、「なぜ?」を繰り返して突き詰めていくうちに、その人が本質的に大切にしている価値観が分かってくると話しました。

大学生

大学生の間に人生の方向性が決まってしまう気がする

この質問に対して、新保真生ディレクターは「どんな選択をしても、安堵と後悔を繰り返す」と話し、 過去に取材した造園職人・小林徹さんのことばを紹介しました。 

「人生は、終わりなき、答え合わせ」

人生の岐路に立ち、何かを選択したとしても、テストのように正解・不正解が決まるものではなく、その後どう生きるかが大切だと話していました。

 講義の後、学生の皆さんから感想が寄せられました

講義が終了した後にNHKが集めたアンケートでは、3人のディレクターに対して、大学生の率直な感想をたくさんいただきました。その中から一部をご紹介します。

講義後の様子 学生から多くの質問が寄せられた

いま、具体的な仕事は分からないのですが、やりたいことはいくつかあって、悩んでいる状況です。きょう話を聞くことができて、刺激を受けました。

今後の人生で何か悩みが出てきた時や、人生の岐路に立った時に、ふっと頭に浮かんでくるようなことばや話が多く、とても印象に残りました。

今回、話をした奥ディレクターは、いま、NHK広島放送局で番組を制作しています。
▼毎週月曜~金曜 午後6時10分~「お好みワイドひろしま」
▼毎週金曜日 午後7時30分~「コネクト」
▼8月4日(金)午後7時30分~「いのちのうたフェス2023」をぜひ見てほしいと話していました。

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