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広島ドラゴンフライズ 感動をありがとう Bリーグ 2022-23 ドラフラ語録 後編

  • 2023年05月30日

今シーズン、新しい歴史を刻んだ広島ドラゴンフライズの軌跡を選手やコーチなどの言葉から振り返る「ドラフラ語録」。今回は後編です。2023年が始まり、シーズンは後半に入ります。

(広島放送局 アナウンサー 武本大樹)

2023年1月 新しい年が始まる

カイル・ミリング ヘッドコーチ
(連勝を6に伸ばす。ホームでも11連勝)
連勝は本当にうれしい。サンプラザでも福山でも熱いファンが応援してくれる。選手、スタッフもホームゲームを本当に楽しみにしている。

ケリー・ブラックシアー ジュニア
(強さの要因をどう感じているか)
「ミリングメンタリティ」の昨季からの積み上げがあると思う。今は練習中も試合中も誰もが励ましあっている。僕の経験では後半に集中力が上がるチームは強い。今は選手全員がお互いを信じあっているので、試合終盤に集中力が高まっているのではないかと思う。

辻直人
(チームの強さはどういうところに)
単純にやっぱり雰囲気がすごくいい。勝っているし、順位もいいところに付けているのですごくいい雰囲気で練習もできている。ただ、あと30数試合ある中で、悪いときは必ず来る。僕は今シーズンキャプテンを任せられているので、その時にチームの力になれたらと思う。

岡崎修司ゼネラルマネージャー
(青木保憲選手が仙台へ移籍)
プレータイムが減り、移籍の話を進める際にも、青木選手は一度も手を抜くことなく、努力を続け、チームにも献身的に働きかけてくれました。試合エントリーができない日には、朝早くから体育館に足を運び、強度の高い練習をするなど、常に全力で物事に取り組む姿に、私を含む全てのクラブスタッフが彼の奮起に期待をしてきました。誰よりも努力するだけでなく、チームが良い時も悪い時もリーダーシップを発揮する姿は、他のチームメイトやクラブの支えになっていたのは間違いありません。広島のために一度も手を抜くことなく、戦ってくれた青木選手には、本当に感謝をしております」

2023年2月 強豪相手に苦戦

カイル・ミリング ヘッドコーチ
(渋谷に10点以上をひっくり返されて逆転負け)
非常に難しいゲームになった。シーズンの中でこういう悪いゲームは必ず1、2試合はある。しっかりと整理して次の試合に臨みたい。
(辻選手がスリーポイント0本に抑えられた)
相手のコーチのプランが当たったのだと思う。辻さんにもこういうゲームがある。次のゲームに切り替えてもらいたい。辻さんを全面的に信頼している。

寺嶋良
第2クウォーターに歯車が狂ってしまった。切り替えなければいけないけど、その原因が相手の策略なのか、自滅なのか。もし策略なら、他のチームがやってくる可能性があるので、気を付けないといけない。この負けで落ち込むどころか、みんな刺激になると思うので、これから連勝していきたい。

三谷桂司朗
(特別指定選手としての期間があとわずか)
一日一日無駄にできない貴重な時間。高校生(広島皆実高校)の時は、Bリーガーになる目標を叶えるための経験という気持ちだったが、今は違う。経験するだけではなく、活躍するためにどういう準備が必要なのかということを常に考えている。

朝山正悟
(41歳、現役を続けられる原動力は)
今日が終わった、それは明日のための準備。明日を迎えられれば、またコートに立てる。それに対して自分が最大限の感謝と最大限の努力をする。その繰り返しだと思います。

五十嵐圭(群馬クレインサンダーズ/42歳)
(かつての同僚、朝山選手と久しぶりの対戦)
年齢は1つ下ですけど、本当に同期のような選手。すごく刺激になりますし、そういった後輩がいてくれるというのはすごくありがたい。
常にコートに立てば年齢は関係ない。もちろん今まで経験してきた部分は多い。コートに立てている時はその経験を出せればと思うし、気づいたところは声をかけていきたい。
(広島での試合も久しぶり)
広島は僕にとって大切な場所。2006年の世界選手権で日の丸をつけて戦えたのは僕のバスケ人生において大きな出来事。コートに立った時に広島の皆さんに「まだまだ五十嵐圭が頑張っているな」と思ってもらえるようなプレーをしたい。

五十嵐圭選手と朝山正悟選手

寺嶋良
(フィリピン出身のカイ・ソット選手の加入が決まる)
もともと映像を見たことがあったんですよ。岡崎GMと話した時もいい選手ですよね、という話をしていた。2メートル20センチのアジア枠ってすごいじゃないですか!僕や辻さんもそうでしたけど、岡崎さんが熱意をかなり伝えたんじゃないかと思います。

2022年3月 新戦力が加入

カイル・ミリング ヘッドコーチ
(カイ・ソット選手が加入して初白星)
いい活躍をしてくれた。カイは私たちチームに大きなインパクトを与えてくれている。どうやってカイの強みを生かすかを私たちが考えていかなければいけない。
(声出し応援解禁でブースターと一緒に「勝ちじゃけえ」を言えた)
声を聞けて本当に良かった。もっともっと「勝ちじゃけえ」を言えたらと思う。これが文化になるようにもっともっと勝っていきたい。

カイ・ソット
(コート近くでフィリピンの人たちが応援)
わかっていた。フィリピンの人たちがサポートしてくれるのはありがたいこと。これからも引き続きサポートしてほしい。
(今日はニックネームの“怪獣”にふさわしいプレーができたか)
怪獣レベルまでは行っていないが、個人的にはいいプレーができた。みんなが一人ひとりチームに貢献できたと思う。
(まだ2試合目だが、Bリーグの印象はどうか)
Bリーグにはエゴがないと感じる。広島ドラゴンフライズが特にそうで、自己中心的なものがない。そのおかげで自分もすぐに順応させてもらっている。

2023年4月 勝負の終盤 ついに

アイザイア・マーフィー
ルーキーとしてチームに入ってかなり苦しいシーズンもあったが、僕としても素晴らしいシーズン。プレーオフをねらえるチームになった。
(もともと攻撃力が持ち味だが、今シーズンは守備への意識も高いように見える)
広島の誇りを持ってディフェンスに取り組んでいる。過去2シーズンで、プレーオフに行けるチームはディフェンスのいいチームだということを学んだ。まずはディフェンスを一人ひとりが意識することが大事だと思うし、自分もその一員として取り組んでいる。

ドウェイン・エバンス
(カイ・ソット選手に生活面で何かアドバイスしていることはあるか)
うーん、アドバイスはまだ与えていない。アドバイスするなら、ラーメンいっぱい食べなさいと伝えようと思う(笑)この前、カイも含めて外国人選手みんなと、辻さんの家に行った。辻さんの息子の誕生日だったので、誕生日会をした。カイも含めて飲んだり食べたり。(日本語で)イイ、フンイキデスネ。

朝山正悟
(島根に勝って、ついに初めてのチャンピオンシップ進出を決める)
本当に今シーズンのベストゲームと言ってもいい試合内容だった。見ている皆さんにも、これがバスケットだという試合をお見せすることができたのではと思う。
(ブースターの方も目の前で決めてくれたことが本当にうれしかったと)
はい、もう本当にそのまま僕たちも同じ気持ちです。皆さんの前で決められたことはすごくうれしかった。ホームで試合をする時の力の大きさをいつも感じているが、本当に大きく感じ取ったゲームだった。B2からB1に上がった時も無観客だったことなどいろんなことがよみがえってきてすごく感慨深いものがあった。

ニック・メイヨ
(チャンピオンシップ進出は決まったが、どういう気持ちでプレーしたか)
ここ数試合、あまりシュートが入らない試合が続いていたが、チームメイトが僕のことを信じてくれてパスを回してくれた。それを決められたことは本当に良かった。

上澤俊喜
(強いチームの一員であることをどう感じているか)
今まで経験してきたチームの中で、一人ひとりの技術、ポテンシャル、総合的に見て一番強いチームでプレーしているなという率直な気持ち。でも、やっぱりそこにいるだけではなくて、自分ももっともっと貢献したい、まだまだやっていきたいという気持ちがある。
(せめぎあっている試合の中で、ポッと出る難しさはないか)
短い時間で結果を出すというのはやっぱり難しい。でも、それはプロの世界なので。いかに短い時間で結果を出せるかというのが、これからのプレータイムの獲得につながる。いるだけじゃなくて何か自分からアクションを起こしていきたい。

船生誠也
(500アシストを達成)
きょう500本だったというだけだが、かれこれ(プロとして)8年目でこれだけアシストできた。やっぱりいろんな人といろんな選手とバスケットをしてきた。同じチームにずっといるタイプの人間ではなかったので、本当にたくさんの選手とプレーする機会を与えてもらって。アシストというのはつながりだと思う。すごく光栄なことだと思うし、また1000本、2000本と出していきたいな。

カイ・ソット
(練習生として日々のトレーニングをサポートしてきた南アフリカ出身のチリジ・ネパウェの存在)
練習の時にはコーチから「チリを止められればクーリー(琉球のセンター)も止められる」と言われている。チリとマッチアップしていると毎回疲れるし、節々が痛くなる(笑)。彼のおかげでいい強度の練習ができるし、彼は人柄も良い。本当にそういうことは、ファンの皆さんにはあまり見えない部分。彼の存在、彼の働きも知ってほしい。

カイ・ソット選手とチリジ・ネパウェ選手

2023年5月 集大成へ

寺嶋良
(いよいよ最終節。疲れもたまっているのでは)
疲れもあると思うが、考えないようにして(笑)。もう後はやり切るだけ。出し尽くして終わりたい。

辻直人
(辻選手としてはチャンピオンシップでどこと対戦したいか)
どこ?千葉でも琉球でも。個人的に言えば、川崎とファイナルで対戦したいというのはありますが。とにかく自分たちがいい雰囲気で、いい状態で臨めるかだと思います。

船生誠也
(船生さんは経験した4回のチャンピオンシップはすべて別のチームで)
たぶんリーグの中でもなかなかいないと思う。そもそも4回移籍しないと無理なので(笑)今年の広島はチャレンジャーで行った方がいいと思う。それは初出場だから。もちろん優勝をねらえる力はあるが、そこは気負わず、最初のチャンピオンシップをチャレンジャーとして思い切りやること。うちがそういう気持ちでやってくることは相手も怖いと思う。すごく楽しみですね。

(昨季と比べて船生さんのパフォーマンスが大きく上がったように感じる)
去年はけがもあったし、1年目は難しいんですよ。4回移籍しているので、その分、得るものもたくさんあって。ひとつはヘッドコーチ。ヘッドコーチというのはスポーツチームの柱。ヘッドコーチに自分の良さをアピールすることは、最初の年だけでは難しい。それはスポーツに限ったことではない。人間関係や他人を知るためには時間が必要。ことしは明確にこういうことができると表現できて、コーチもこういうことがしてほしいということがはっきりしている。個人的にはまだまだチームの力になれていない部分をすごく感じるが、役割は明確なので迷いはない。

カイル・ミリング ヘッドコーチ
(最終戦を上澤選手の劇的なブザービーターで勝利)
シーズン初勝利はサド(佐土原)のブザービーターで始まり、最終戦はトシ(上澤)のブザービーターで締まった。面白いような始まりと終わりだった。まだシーズンは終わっていない。チャンピオンシップが残っている。チャンピオンシップに向けてしっかり準備していきたい。

上澤俊喜
これまでで一番の喜びだった。これまでブザービートを決めて勝つという経験がなかったので、本当に最高の瞬間だった。みんなに頭をくしゃくしゃにされて(笑)勝てて終われたことが何より良かった。

(シーズンの終盤で存在感を示した。何が変わったのか)
出られない試合、出られない期間が長かった。どうしたら自分の居場所、信頼を勝ち取れるかを常に考えていた。自分の武器はシュート。シーズン最初はどうしても待っていて、来たらシュートを打つというスポットシュート的な役割だった。終盤にかけて自分で仕掛けて点を取ったり、アシストしたりということができてきた。そこは成長できた。

辻直人
(主将としてレギュラーシーズンを終えた)
初めてのキャプテンで今までにないストレスもあった。自分の未熟さ、もっとこうしたら良かったと思うところがある。でも、結果としてチャンピオンシップに出られた。このクラブにとって一歩大きく前進できた。みんなに声をかける場面も今まであまりなかったのでそういうところもできた。僕自身もクラブと同様、一歩前進できたかな。
(チャンピオンシップへの意気込み)
千葉に勝ってその勢いのまま優勝したい。あくまでも今シーズン掲げてきたのはチャンピオンシップ優勝なので、そこは揺るぎない気持ちで挑みたい。ここ数試合あまりいいパフォーマンスができていないので、いいパフォーマンスをしてチームを盛り上げていきたい。それが勝利につながる結果になれば今より数段、テンションが高く記者会見ができると思う(笑)
(去り際に深々と頭を下げ、「今シーズンもありがとうございました!」)

2023年5月15日 すべてを出し尽くしたその先に
広島〇72-70千葉 広島●69-98 広島●91-96

辻直人
本当に悔しい結果に終わってしまった。もう少しというところで常勝チームとの差が出てしまった。ただ、最後の最後までチームとして諦めずに戦えた。40分、戦えたこのチームを誇りに思う。最高のチームだった。
(試合終了のブザーは今季の終わりを告げるブザー。最初にどんな感情がわいたか)
えー・・・、なにか感情が出てきたかというとあまり出てこなかったかもしれない。本当にすっからかんというか。ただ本当に歓声は聞こえていた。「広島」というコールをしてもらったのも聞こえた。このクラブにとって新しい歴史を作れた。その場に立てたことが光栄なこと。この結果に満足しているとは言えないが、本当に力を出し尽くしたという気持ちです。

寺嶋良
(個人として、チームとして、成長できた部分は)
個人としてはゲームキャプテンという役割をもらってどういうリーダーシップを発揮できるかと考えながらやってきた。なかなかそれが難しかった。結局答えは出なかったが、もがき苦しんで戦い続けて、チャンピオンシップに来られたのはその過程は成長につながったと思う。チームとしてはコミュニケーションをとり続けた。何度も負けてダメなところがいっぱいあっても、みんなが目をそらさずにその課題に向かってやり続けた。結果として強豪の千葉に惜しくも負けてしまったが食らいついていった。そこは成長できている。良かったなと思います。

カイル・ミリング ヘッドコーチ
2年、3年前を思い出してみてほしい。私たちはB1の最下位からスタートした。今、クラブ初となるチャンピオンシップを戦うことができた。第8シードが第1シードの千葉に第1戦で勝つことも歴史的快挙だと思う。課題はたくさんあるが、これからももっともっといいチームにしていきたい。
(戦う集団になれたのは何が一番だったか)
一人ひとりが練習に行きたいという姿勢で来た。一生懸命すると同時に楽しみながら練習をしていた。一人ひとりがバスケットボール選手として素晴らしいだけではなく、性格も素晴らしかった。素晴らしい人柄の選手たちが集まったことで大きなステップを踏めたと思う。
(広島のファンに向けて)
(日本語で)トテモ、スバラシイデス。千葉にもブースターが来てくれて声援を送ってくれた。最後は千葉のブースターからも広島のチャントが聞こえた。シーズンで私たちが掲げていたゴールのひとつは、みんなに愛される、応援されるチームになろうということ。今日の試合を見ていると、それが達成できたのかな。ファンの皆さんに恩返しできたのかな。本当にありがとう。

ドラゴンフライズのクラブの理念は、「HIROSHIMA PRIDE」。私はこの言葉が大好きです。「屈しない魂」「歴史に学び、未来を切り開く情熱」。広島県民としての誇りです。来シーズン、どんなチームになるのか。今から楽しみでなりません。
ありがとう、ドラゴンフライズ。来年こそ、「頂」を。

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