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三次市で子育てをしながら造形作品 作品に込める思い

  • 2023年05月31日

三次市で造形作品を手がける女性。2人の子どもを育てながら、作品の制作を続けています。家事や育児、それに農作業など日々の仕事に追われるなかで、思うように作品がつくれないことも。作品に込めた思いを聞きました。

(NHK三次支局 下井田和恵)

的場由樹さんと作品

金属造形作家の的場由樹さんです。大学でデザイン工芸を学び、卒業後は個展を開いたり、審査のある公募展に出品したりしています。

作品「Mother’s tree」

こちらは「Mother’s tree」という作品。土台を母親に、枝にある大小さまざまな丸いオブジェを子どもに見立てています。見る方向によっても形が変化しそれぞれの個性を表現しています。

作品「ココロマチ #2」

こちらは「ココロマチ #2」という作品。妊娠中の母親を表現したもので、2017年に第5回新県美展で大賞を受賞しました。花は子どもを愛おしく思う気持ちを表現。金箔を貼ることで母親に華やかであってほしいという思いを込めました。

的場由樹さん
「鉄は硬いんですけれども、ぱっと見た感じ冷たい感じがするんですけれども人の手が入ることによってのみ、あったかさを感じる形が作れるというのがすごい魅力だと思うんですよ。赤いと形を変えやすくて、私でも表現できる素材だなと思うので」

悩みながらの作品制作

的場さんは結婚を機に北広島町から三次市に移り住みました。2人の子どもを育てながら、作品の制作を続けています。家事や育児、それに農作業など日々の仕事に追われるなか、思うように作品がつくれないこともあると言います。

的場由樹さん
「学生の時は、もう一日中作品のことを考えて、それに対して妥協もしないとかいうところがあったんですけど、家のこともしながらちょっと自分の時間が持てる時に集中して考えるんですけれどもやっぱりある程度妥協をしないと進めない所もあって、いまの私の中の精いっぱいかなと思います」

いま取り組んでいること

カタクリをスケッチする的場さん

的場さんは新たな作品にとりかかっています。それは、カタクリをモチーフにした作品です。構造を理解しようとじっくり眺めながら、イメージを膨らませます。

的場由樹さん
「この時期だけとか、この出会いとか、守っていかないといけないとか、そういうキーワードを作品に盛り込めたらいいのかなと思ったりしながら」

カタクリをモチーフにした作品を制作する様子

三次市で、家族との生活を大切にしながら、的場さんはこれからも作品を作り続けたいと考えています。

的場由樹さん
「作品作りを続けていくことで、田舎でもこういうことができるんだっていうか、好きなことを目指すことができるんだっていうのを発信していけたらなと思っています」

的場さんは、11月には三次市の美術館で仲間と一緒に作品展を開く予定だいうことです。

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