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G7サミット閉幕 広島の被爆者は諦めず世界に訴え続ける

  • 2023年05月26日

被爆地・広島で初めて開催されたG7サミットが閉幕しました。この3日間を、広島の被爆者は「一定の意義はあった」「残念だった」とさまざまに受け止めていました。一方で共通していたのは「諦めずにこれからも核兵器廃絶を訴え続ける」という強い意志でした。

15歳で被爆 下級生を火葬した 切明千枝子さん

切明千枝子さん(93)
核廃絶へのね、糸口になっていってくれるといいんだがなぁということを願っておりましたけど、なかなかそこまではいきそうな気配はないので。でも広島へ来られて、原爆資料館をご覧になったり、被爆者の証言もお聞きになったりしたということですから、何か心に響くものがあって、核兵器廃絶へのほんの入り口でもいいんですけど、そこへ足を一歩でもいい、二歩でもいい、踏み込んでいただけたらうれしいがなと思いましたね。諦めて投げ出してはいけないと思うんですよ。だから「まだそんなこと言ってるんか」って言われようが、「もう聞き飽きた」と言われようが、もう繰り返し繰り返しね、やっぱり証言していかないといけないことだろうと私は思っておりますけどね。

14歳で被爆 母を亡くす 森下弘さん

森下弘さん(92)
歓迎すべきことだったと思うんですけども、原爆資料館を実際に見た内容も分からないし、それから、それをどう感じたかということも伝わってこない。悲惨さを見て、そういうことになり得るということまで、どこまで感じ取ったかということについては分からないということで、本当、なんかもどかしい感じですね。ここの地である程度実感されたということはね、今度はそれぞれの国に帰って、そのことをまた思い起こして、改めて、具体的な核や戦争をなくすために、自分の国としてどういう政策が必要なのか、どういう協議が必要なのかということを、着実に進めていってもらいたいですね。

14歳で被爆 山本定男さん

山本定男さん(91)
G7各国だけでなく、インドやブラジルなど招待国の首脳たちが平和公園を訪問して、原爆慰霊碑に祈りを捧げたことは、非常にインパクトがあり、世界に平和を発信する強いメッセージになったと思いますね。広島ビジョンについては核兵器廃絶に向けた具体策が示されませんでしたが、核保有国を含むことを考えると、そこまで踏み込むのは難しかったのだと理解しています。一歩ずつですね、前進するしかないんですよ。今回のサミットは入り口に立ったんですよ。これからどう展開していくかが大事なんです。途中で歩みを止めてはいけない。私も微力ですが、小中学生や外国の方に被爆の実相を伝える証言活動を続けていきたいと思いますね。

3歳で入市被爆 箕牧智之さん

箕牧智之さん(81)
原爆資料館を見たと、被爆者からの声を聞いたというだけでOKではなく、内容がどうだったのか。なげやりになってはいけないので、私たちは限りなく上り坂を上り続けていく。10年先に広島のサミットはよかったという言葉が出れば一番ありがたい。あれから核兵器の問題などが少しずつ解決していって最後は国連で核兵器の廃絶までいけばね。

生後9か月で被爆 佐久間邦彦さん

佐久間邦彦さん(78)
サミットの期間は私たちにとっても一生懸命G7に向けて要求を出したわけですね。その要望がほとんど聞き入れられない状況になったので、そういう面では非常に残念です。しかしこうしてけさ(22日)見てみますとこのように多くの方が広島を訪れている、平和公園を訪れている。ということはやはり核兵器をなくさなきゃいけないと願っている方が多いと思います。私もその姿を見てやはりやらなきゃいけないということを改めて感じました。1日でも早く核兵器がなくなる日が来るよう負けずに頑張っていきたい。

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