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栄冠は、広島県江田島市産のオリーブ

  • 2023年02月17日

1月22日に広島で開催された都道府県対抗の「全国男子駅伝」。
優勝チームに贈られたのは、広島県江田島市産のオリーブの葉で作られた冠です。

(NHK広島放送局記者 諸田絢香)

江田島産のオリーブ冠

優勝チームに贈られたオリーブの冠

新型コロナの影響で、3年ぶりの開催となった「全国男子駅伝」。中学生から社会人までの幅広い年代の選手がタスキをつなぐこの大会で、優勝した長野チームに贈られた冠は、江田島市特産のオリーブを使って作られました。

手作りのオリーブ冠

オリーブの冠は大会の2日前、ボランティアの市民らが作りました。
中心的なメンバーの1人、オリーブ振興室の職員、濱西浩仁さんです。

江田島市オリーブ振興室・濱西浩仁さん

(濱西さん)
「平和の象徴でもあり、地元の江田島産のオリーブの冠をぜひ全国に知ってもらいたいです」

制作に使われたのは、瀬戸内海の海辺でたっぷりと太陽を浴びた枝や葉です。たくさんの枝の中から葉っぱが上向きに生えそろっているものをえりすぐります。

そして、切り取った枝を輪っかに形づくり、葉のついた小枝を思いを込めながら巻き付けていきます。およそ1時間半の作業で、優勝チームの監督や選手など13人分の冠を完成させました。

なぜオリーブ栽培に取り組むのか

オリーブの木

江田島市が本格的にオリーブ栽培に乗り出したのは13年前。温暖な気候を生かして、耕作放棄地を解消することが目的でした。市民の苗木の購入に補助金を出しているほか、栽培したオリーブを搾油する機械を市が用意し、家庭でもオリーブオイルを楽しめるようにしました。市民と連携する取り組みの輪は広がり、これまでに販売した苗木の本数は1万7000本あまり。オリーブ栽培に利用された耕作放棄地は、令和3年度時点で19.4ヘクタールに上ります。

そして、江田島産オリーブの知名度を高めようと、9年前から始めたのが冠作り。オリーブの花言葉は「平和や勝利」。これまでに「全国男子駅伝」のほか、フィギュアスケートのNHK杯で羽生結弦さんにも贈られたことがあります。

栄冠は輝く

「全国男子駅伝」当日、レース会場には濱西さんの姿もありました。濱西さんは大会の審判員も勤めていて、フィニッシュ地点で優勝チームの誘導を担当します。

長野チームのアンカーは、監督として立教大を55年ぶりに箱根駅伝へと導いた上野裕一郎選手。大会新記録で1位でフィニッシュすると、すぐにボランティアの高校生からオリーブの冠が贈られました。

(右)上野裕一郎選手

(上野裕一郎選手)
「優勝した人しかかぶれない特別な物で、かぶり心地は最高です。作ってくださる方や、こういう形で贈呈してくださる方に感謝をしています。また、来年の優勝チームもこういう気持ちが味わえるように作っていただきたいと思います」

(濱西さん)
「優勝した長野県チームに渡すことができ、作っていただいた皆さんの気持ちも届けられたかなとほっとしています。これからもオリーブの島を目指して振興に努めていきたいです」。

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