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カープ・2年目 末包昇大選手 プロの壁 乗り越えて

  • 2023年02月15日

2月1日から、宮崎県日南市で広島東洋カープの春季キャンプが始まりました。連日ひときわ大きな声を出し練習を盛り上げているのが、プロ2年目の末包昇大選手(26歳)です。大きな体格からのパワフルな打撃が持ち味の末包選手。これまでの野球人生は、常に壁の連続でしたが、その都度乗り越えてきました。レギュラーを目指してプロの壁に挑戦する姿に密着しました。
(広島局 今井志郎ディレクター)

「もがいていたら終わっていた」 悔しかったルーキーイヤー

ロングティー打撃で声を出す末包選手

「第1クール最終種目ロングティー。山まで放り込んで行きましょー!!!」キャンプ第1クール最終日。末包昇大選手は、訪れたファンとチームメートが見守る中、最後までバットを振り続けていました。昨シーズンは、新人で開幕戦に7番・ライトで先発出場し、3安打を放つなど大きな注目を集めましたが結果は続きませんでした。5月下旬に2軍落ち。その後、1軍に上がる機会はほとんどありませんでした。プロの厳しさを感じた1年でした。

(末包選手)スタートがよかっただけに、もっともっとやりたかったなというのはあります。1軍に戻ろうと思って必死にしていたら終わっちゃったっていう1年間でした。

原動力は“悔しさ” 故郷・香川の思い出の地をたずねて・・・

去年12月末。末包選手は地元、香川県へと帰省しました。「うどんは、帰ってきたら絶対食べます。マストです」。

香川県でうどんを食べる末包選手

プロになって初めての帰省。行くと決めていたのは、母校、高松商業でした。母校は、壁にぶつかった当時の自分を思い出させてくれる場所です。

母校、高松商業の野球部長尾監督

恩師の長尾健司監督は、高校時代、末包選手が味わった悔しい思いを知っていました。

(長尾監督)最後の夏、4番(末包選手)が打てば勝ててましたよね。でも、(ケガもありましたから)しょうがないですね。末包選手は、野球好きなんですよ。その執念っていうか、その好きさが彼を成長させたんじゃないかと思っています。

末包選手は、高校3年生の4月、練習試合でデッドボールを受け、手首を骨折しました。ボルトを埋め込むことで何とか間に合わせた夏の大会では、3回戦で4番としてヒットを打てず、負けました。

今も右手首にはボルトを入れたまま

進学した大学では控え選手、レギュラーにはなれませんでした。それでも、“まだ成長出来る”と自分を信じて、社会人でも野球を続けました。その3年目、長打力を見込まれ、ドラフト6位ながら念願のプロ入りを果たしました。野球をひたむきに続ける原動力は何なのか、聞きました。

少年野球の選手にサインする末包選手

(末包選手)やってて悔しいのが原動力かなと思います。試合で負けて、試合で打てなかった。でも、まだ悔しいと思える自分がいたんで。打てなくても別にいいやって思ってたんだったら、もう野球はやってないかなと思いますね。

去年の悔しさを糧に・・・課題の“見極め”磨く日々

末包選手は、壁にぶつかりながらも、悔しい思いを原動力に野球に向き合ってきました。今、克服しようとしているのが、昨シーズン苦しんだ変化球の見極めです。昨シーズンは厳しいコースに投げ込まれるプロの変化球を見極められず、空振りが続きました。キャンプの練習では、打ちにいった時にボール球になる変化球に手を出さないために、左足で踏ん張れるように意識する練習に取り組んでいました。

踏む込む左足に意識して打撃練習に取り組む

(末包選手)調子が悪い時は変化球が増えてきた中で、何でもかんでも振りにいってしまう状態でした。打ちにいってもボール球を見極められるように取り組んでいます。

打撃フォームをスマートフォンで確認する末包選手

さらに、打撃フォームを細かくチェックするため、新たにチームで導入された測定機器も駆使していました。練習中のバッティングの内容が全てチェックできるような機器です。バッティングフォームのほか、打球の速度や角度、それに回転数、飛距離まで解析してくれます。末包選手は、空いている時間に自身のフォームの動画をスロー再生するなどして熱心に研究していました。プロでぶつかった壁も乗り越えて、レギュラーへ。末包選手の勝負の1年が始まっています。

練習に励む末包選手

(末包選手)やっぱり昨シーズンの悔しさが原動力というか、去年と同じ失敗をしないでおこうだったり、絶対に去年以上の成績を出してやろうっていう。去年よりという思いでできると思います。レギュラーを狙っていきたいなと思っています。

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