坂町の広島翔洋高校珠算部 日本一の練習に迫る!
- 2023年02月03日
坂町にある高校の珠算部が、そろばんや電卓を使って計算のスピードと正確さを競う「ビジネス計算競技大会」の全国大会で優勝しました。どんな練習をしているのでしょうか。
(NHK広島放送局記者 福島由季)
広島翔洋高校珠算部
ものすごいスピードで電卓やそろばんを弾くのは、創部80年を超える広島翔洋高校珠算部の生徒たちです。2022年7月に行われた「全国高等学校ビジネス計算競技大会」で団体戦のそろばんの部門では17年ぶりに優勝。電卓の部門では準優勝しました。
珠算部の部員は、商業科目を学んでいる9人。平日は3時間、土日は6時間、部活動に励んでいます。取り組んでいるのは、大会で出題される計算問題の練習です。
10桁の10個の数字の足し引きを制限時間内にどれだけ正解できるかや、「読み上げ算」を練習しています。「読み上げ算」は、出題者が読み上げる数字を順番に足し引きします。顧問の先生が「7億254万8593円なり516万9076円なり29万3720円なり86億3180万4235円なり9473万6148円なり・・・・・・・」と出題すると、すぐさま「236億6863万5386円です」と答えます。部員の皆さんに、どういうところにやりがいを感じるのかを聞いてみました。
珠算部の生徒
珠算部で優勝したお姉ちゃんに憧れて入りました。出来なかった問題が解けるようになったときとか、大会中でも難しいと思う問題が解けた時にうれしくて面白い。
珠算部の生徒
こういう問題も、ひとつひとつのやり方の違いによって何秒か短くなったりしていて、その1秒の積み重ねが全国につながると思っていて、それを研究したりするのがとても楽しい。それから、お金の計算がすぐに出来て便利です。買い物は自分が計算してお母さんに何円だよっていいます。買い物は暗算で、頭にそろばんがあります。それを勝手に自分の脳内でたまを動かして計算します。
個人戦でも優勝 内堀八栄子さん
3年生の内堀八栄子さんは、2022年の全国大会では個人戦でも優勝しました。5歳のころにそろばんを始め、最高段位の10段を取得しています。
内堀さん
そろばんは、やればやるだけ絶対結果が返ってきて、そろばんが上手な方がよく『練習はうそをつかない』っていう風におっしゃるんですけど、本当にそのとおりだなと思って、そこが一番の魅力だと思ってずっと続けています。
内堀さんが得意なのは、「応用計算」と言われる文章問題。例えばこんな問題です。
問題の意味を理解するだけで時間がかかりますが、内堀さんは、1分ほどで答えを導き出します。しかも、早く答えを出すため式を書きません。
内堀さん
自分の強みは式を書かなくても、頭の中やそろばん面だけで必要な情報の処理が早いところです。応用計算の正確さは負けないかなって思います。
計算の能力は、簿記の授業でも生かされています。この日返ってきた日商簿記検定2級に相当するテストでは100点。同じ授業を受けている生徒も注目しています。
一言でいうと、天才です。いつもすごいです。自分にもその能力が欲しいです。
将来は頼られる公認会計士に
そんな内堀さんも、点数が伸び悩んで落ち込むこともあるそうです。先生から励ましを受けたり、とにかく練習を続けたりして、乗り越えてきました。
内堀さん
先生にすごい声をかけてもらって、そのときに『敵は相手ではなく自分自身だ』という風に言われて、もう自分は周りの相手を気にしてすごい『ああ点数が出ない』って落ち込んだりしていることが多かったので、やっぱりそういう、自分に勝たないとっていう気持ちをずっと持ってやっていました。
内堀さんの将来の夢は、数字に強い自分の特性を生かして公認会計士になること。人の役に立ちたいと話します。
内堀さん
数字とか計算とか、商業科目などに携わることができる職業がいいなと思っています。どんな人でも気軽にご相談してもらえるような、頼りにされて、この人だったら任せられるというような公認会計士になりたいです。
珠算部の生徒たちは、ことしの夏に行われる全国大会で連覇できるよう練習を重ねたいと話していました。頑張ってください!