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広島かわ知り②小瀬川

~身近な川に潜むリスクに備える3つのポイント~
  • 2022年05月17日
    流域の河口部に人口が集中

    広島と山口の県境を流れる小瀬川は流域の9割が山間部ですが、残り1割の河口部などに人口が集中しています。昭和51年の台風17号では県内各地で被害が相次ぎ、小瀬川でも住宅が浸水する被害が出ました。水害から命を守る3つのポイントを順に紹介していきます。
                                   (広島放送局 渡邊貴大)

    Point①「上流部の氾濫」に注意!

    廿日市市の上流部は水の流れが速く、大きく蛇行する地域があります。

    平成17年9月の台風14号による廿日市市内の氾濫

    平成17年9月の台風14号による大雨では道路の崩壊が相次ぎました。流木でせき止められた水が川からあふれ出し、流域の5戸の家屋が流出し30戸近くが浸水しました。小瀬川の上流部は、年間降水量がおよそ2500ミリと県内で最も多い地域です。川幅が狭く急激に水位が上昇する上流部では、大雨が降ったら速やかに避難して下さい。

    Point②「下流部の2つの観測所」をチェック!

    小瀬川の河口からおよそ6キロ上流にある、大竹市と山口県岩国市を結ぶ両国橋の近くには水位観測所が設置されています。大竹市の市街地に住む人は、河口から最も近い場所にある両国橋の観測所の水位を確認してください。さらに、早めの避難につなげるためにチェックしてほしいのが、両国橋から5キロ余り上流に位置する小川津の観測所の水位です。

    平成30年の西日本豪雨の際、小川津では両国橋よりおよそ1時間早く水位の危険な上昇を捉えていました。国土交通省の「川の防災情報」のサイトで、最新の画像や水位が確認できます。

    Point③「弥栄ダムの水位」に注意!

    弥栄ダム

    中流部にある弥栄ダムは下流部に流れる水の量を調整します。河口から10キロあまりと、比較的市街地に近い場所にあるのが特徴です。大雨が続いてダムの水位が基準を超えた場合、通常より多い量を川に流す「緊急放流」をせざるを得ないことがあります。

    河口部にはコンビナートや住宅が広がる

    ダムを管理する国は、緊急放流する事態になった場合、氾濫する危険があるため下流の住民にサイレンを使って直ちに川から離れるよう求めることにしています。弥栄ダムで緊急放流の判断をする水位は標高124点8メートル。平成17年の大雨では、この水位まであと8メートルほどの高さに上昇しました。

    太田川河川事務所 山本英利課長
    「緊急放流した場合、下流の水位が急激に上昇することになりますので、速やかに避難をしていただくようにお願いしたいと思います」

     

    命を守るための3つのポイントがこちらです。こうしたポイントに注意して、日ごろからハザードマップなどで避難所までのルートを確認し、早めに避難できるように備えて下さい。

    ▼「NHKニュース・防災アプリ」 https://www3.nhk.or.jp/news/news_bousai_app/index.html
    ▼国土交通省 「川の防災情報」 https://www.river.go.jp/index

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