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「トランスジェンダーで制服が耐えられない」「オンラインなのに制服」…寄せられた30件の声

9月9日放送のクローズアップ現代+放送後、こちらの投稿フォームに1週間で31件のご意見が寄せられました。お送りくださった方々に感謝いたします。
その中には、現役生徒や教員、保護者の立場から“校則がつらい”という切実で多様な声や、“ルールだから黙って従う”という校則の風潮が現在の社会課題の要因になっているのではという指摘まで、ハッとさせられるご意見ばかりでした。その一部をご紹介いたします。
※いただいたご意見・情報は趣旨を変えずに一部表現を修正させていただくことがあります。

9月9日放送 クローズアップ現代+「その校則、必要ですか?」
テキストダイジェスト版はこちら

トランスジェンダーの私には、性別ごとの制服が耐えられなかった

3月まで在籍していた中学校は、性別ごとの制服がありました。トランスジェンダーである私はそれに耐えきれず、一時通学ができなくなりました。去年、全校生徒の意思決定機関である生徒総会で性別に関係なく制服を選択できるようにする案を提出。たくさんの質問や意見をもらった上で、賛成多数で可決。教員によると、以前より「男女別」になっているものに問題意識があったり、解決しようと取り組んだりする生徒は増えており、トランスジェンダーに限らず、自分の着たい制服を着ている生徒は増えたそうです。髪型や身だしなみ、制服の規定、特にそれが性別ごとに分けられている場合、それは本当に必要ですか?生徒に人権教育をする前に、まずは学校が自ら考えてみてほしいです。
(10代・女性)

ご本人が改正案を出したことで賛否さまざまな意見に向き合うことになり、精神的な負担も大きかったのではと想像しました。32歳の私自身、中学生のときには性的マイノリティーの存在を知らず過ごしてきましたが、当事者の方々が声を上げたことで課題がみえてきた今、当たり前と思われた“制服”のあり方を考え直すときがきているように感じました。

“ポニーテールがホウキみたいだね”

高校1年生の時こと。元々茶髪で、外で活動する部活で髪が焼け、さらに明るい髪色になってました。服装頭髪チェックで先生に個別で呼び出されると「髪色が明るい・傷んでるから染めたのか」と言われ、最終的には「ポニーテールがホウキみたいだね」と言われました。 コンプレックスである髪色を注意され、心無い言葉を聞いてその先生への信頼が無くなり、卒業までその先生との関わりを避けました。
(20代・女性)

“校則でコンプレックスが隠せずつらい”という声を、これまでの取材でも多く聞きました。服装や頭髪のチェックの際、多くの生徒や教員の前でひとりひとり確認し、違反した場合はみんなの前で指摘される「公開処刑」とも言われる状況もあるそうです。この女性の声から、指導の域を超えて生徒を傷つける可能性はないか、見つめ直す必要もあるように思えました。

“ルールだから”でいいのか? 教員も違和感

元教員です。教員には校則に疑問を感じず従ってきた「優等生」が多いと感じます。校則の意味や意義を聞くと、「ルールはルールです」と答える同僚たちに囲まれた職員室のなかで、生徒の疑問や不満に正面から向き合い続けましたが、こちらの心が折れてしまいました。
(40代・男性)

大阪府の教員です。まさしく今生徒会の風紀委員を中心に髪型の校則を変えているところです。社会では清潔感を出すツーブロックが校則では奇抜な髪型になっています。ポニーテールも禁止でしたが、なぜ 禁止されたのかを調べると「女子がうなじを見せるのは良くない」という理由でした。生徒の自治力を育むために、生徒同士で話し合わせ、生徒会が全生徒や教職員に校則改正をプレゼンしています。ただ何でもOKするのではなく子どもたちで新しい校則を作っています。もっと早くこうしていればよかったと、ひしと感じています。
(40代・女性)

先生たちへの取材では「生徒に説明がつかないルールは指導していてつらい」という声をよく伺います。自分たちの生徒指導に納得できず離職したという教員の方もいました。校則は、生徒の成長と安全を願ってのルールかと思いますが、そうした理念に立ち返り、先生にとっても納得いくものになってほしいと、2人の先生方の声から考えさせられました。

“娘が怖がっている…”“息子が絶望している…” 保護者がみた校則

娘は、皆の服装がそろっている教室の雰囲気を怖がり学校に行けない日が続いています。コロナ禍で休校でも「オンラインは制服」は必要のない締めつけに思えます。そろっていることのメリットは学校が管理しやすいからではないか、その延長には管理しやすい社会人を望むいまの社会があるのだと思えてしかたないです。子どもは敏感に感じ取っています。この先、周りに合わせることに慣れ切ったあと、働く人の権利・女性の権利が守られない社会のレールに乗せられるのだろうということを。人間はそれぞれ異なる特質を持って生まれていることにもっと敬意を払う学校に、社会になってほしいと思います。
(50代・女性)

息子が中学校入学するにあたり、入学説明会で「なんで制服は男子はズボン、女子はスカートって決まっているのか?」「なぜ靴の色は白、靴下も白、下着も白と決まっているのか?」等々質問して、「きまりだから」と言われて、怒りと絶望にうちひしがれていました。私は今までそういうものと思っていたことにハッとさせられました。息子は学校が窮屈で息苦しさを感じ、なんとか不登校にはならないながらも、遅刻多数で登校しています。 ホームページに載っていた中学3年のサヤさん と全く同じような考えです。
(40代・女性)

現代の子どもたちは幼い頃から多様性を学んでいるからこそ、校則・制服についての大人が気づかない問題に気づいているのかもしれないと感じたご意見。現在の校則改革の波は、こうした子どもたちの違和感が広がっていることが要因なのかもしれません。大人が“大切だ”と伝えてきた価値観を“決まりだから”と否定する矛盾に、私自身も向き合う必要があるように思えました。

“いつのまにか、管理されなければ何もできない大人に…”

昭和30年代に群馬県で中学生活を送った高齢者です。当時のほうが現在より先進的で生徒の自主性が尊重されていました。校則も動議が提出されると生徒総会で話し合い改正していました。教師も時々意見を挟む程度で見守ってくれました。現在は学校が管理するための校則に変わってしまいました。何時の間にか管理されなければ何もできない大人が増え、子どもも管理されなければ問題を起こすことが増えてきました。教師もまた厳しい管理を受けています。社会全体が校則に限らず真剣に生き方を考え直す時なのではないでしょうか。
(70代以上・女性)

校則(学校)といえば、昔のほうが厳しく、現代のほうがゆるやか…というイメージをもたれる方もいるかと思いますが、“真逆だ”という指摘。なぜそうなっていったのか?その先にどんな社会が待っているのか?校則問題を学校の課題に押しとどめず、もっと広い意味で考える必要があると気づかされたご意見でした。

寄せられたご意見からは、校則の問題に真剣に向き合っている思いがにじんでいました。「校則はだいたい中学1年から高校3年まで、6年ほどの短いルールだから、そのぐらい我慢すればいい」という意見も伺いますが、こうした切実な声を聞くたびに、見過ごしてよい問題ではないと感じます。子どもたちの“いまの学校生活”にとっても、成長した先の“未来の社会”にとっても、大きな影響を与えるテーマだと気づかされました。改めて、ご意見を寄せてくださった皆さま、ありがとうございました。
取材班は引き続き、皆さんの声を募集しています。

「実際に校則を改革した」「自分たちの学校の校則を改革したい」…
こちらの投稿フォームから声をお寄せください

この記事の執筆者

報道局 社会番組部 ディレクター
藤田 盛資

2011年入局、金沢局と首都圏局を経て現職。
「教員の働き方」や「校則改革」など学校現場を取材。

みんなのコメント(12件)

みさっぴ
40代 女性
2021年11月22日
私は天然パーマがひどく、中学・高校生の頃にパーマは禁止だったのですが、ストレートパーマをかけました。とくに、先生方に注意される事もなく、むしろ天然パーマが戻って来た際にパーマをかけたんじゃないかと疑われました。それってどうなんでしょう・・・
むー
2021年10月13日
義務教育は子どもが学ぶ権利なのに、校則が原因で、その権利を奪われ、さらに心に傷を背負った子どもがいるなんて。校則の見直しは社会の価値観のアップデートにも繋がるかもしれないですね。
ジェンダーという言葉は最近、よく聞くけど、私自身、実際、どれだけ腹に落とし込めているか。
女子のスラックスが導入されている学校は聞くけど、戸籍上の男子がスカートをはいてもいいよ?。という学校はあるのかな?
きら
40代
2021年9月27日
ツーブロックって、80年代の流行に対抗して作られた校則なんだろうなぁ・・
組織の理論として、禁止することは素早く決めるけど、何かを止める・無くすというのは責任とりたくないからできないだろうなぁ・・
ボトムアップで下からとか外部からの要請とかで動かすのは難しいでしょうね。
かといって、トップダウンで政治家が動くにしては話が小さい。
実際は文部科学省からの通達1つで解決する問題なんでしょうけどね。
Shun
20代 男性
2021年9月26日
通っていた学校の校則は厳しくもなく緩くもなかった。
納得できなかったのが中学の「ヘアワックス等の整髪料禁止」だった。ヘアスタイルは染めたりしない限り男女共に自由で、生徒手帳の校則事項には「整髪料禁止」とは書かれてなかった。厳しい性格の先生に注意されたので反論もできず、こちらから手を引かざるを得なかった。
中高生は「大人と同じ事をやりたい」という気持ちが強くなっていく人が多い。
aaa
2021年9月24日
非常に恐ろしい話。校則は独裁者の典型的な手口に思える。このまま放置すると独裁者が出現しかねない。
千葉県の高校での事
20代
2021年9月23日
私も校則によって、というより
校則を武器化して楽しむ教員達の餌食に
なった一人です。
居場所を失い退学を余儀なくされました。
私はノンバイナリーですが中性的な容姿から入学式から目をつけられ、「なんか気に入らない」という一言から教室に入らせてもらえず毎朝数人の教員に容姿を罵倒され帰らせられる日々が続き、友達も出来ず鬱が発症し死を考える日々で幸い、母に助けられ退学しました。今でもまだ大人が怖いです。
にこ
40代 女性
2021年9月23日
息子が今ツーブロックでずっと学校側の言うことを聞かず指導され続けています。
髪を染めたり派手にしているわけでは無いので校則違反とは把握しておらず、初めて息子から聞かされた時はびっくりしました。
教師の言い分は「校則だから」「そんな髪型では勉強に身が入らなから」「こんなことしていて行ける大学あると思うなよ」など。
バカバカしくて息子に「ルールだから守りなさい」と言い切れずにいます。
えぃみぃ
女性
2021年9月23日
うちの娘は色白で生まれた時から前髪に特に癖の強いウェーブがあり、しかも他の子より髪の色素が薄かったので高校入学時に証明書を提出したにもかかわらず、登校時に髪をグイッとつかまれて、しかも、顔はメイク落としシートで拭かれて、何だスッピン?とか、それが嫌で早朝早起きして毎日アイロンあててストレートにしたり、またストパーあてたりと気を使ってたにもかかわらず。じゃあ、あの証明書は何だったの?だし
2ブロックは理にかなっている
40代 女性
2021年9月21日
そもそも人類の進化の過程で毛が残っているのは、必要だから。
人間誰しも大事なところに毛が生える。
頭もしかりで脳と強い紫外線(外的刺激)から皮膚を守るため。
ひと昔前には校則で坊主が指定とか、野球部は坊主とかざらにあったが本当にありえないと思った。
とはいえ代謝の良い10代の子達は汗をかく。運動部の子は滴る程に。
頭を守りながら首元の風通しも良く汗も拭きやすい。熱中症予防にも◎と思う
あいぼん
50代 男性
2021年9月21日
下らない校則(拘束)です。
管理する側の大人のエゴだと思います。
かょかょかょかょかょ
50代 女性
2021年9月21日
現代、いや過去に遡ってみても、もはや日本の学校生活における最大にして早急にとりかかるべき『テーマ』なのでは…??軍隊ではないのだから。 
自分にあてはめてみても高校時代の校則おかしいなと感じていましたし、ツキイチの服装検査がとてもイヤでたまりませんでした。理不尽な校則から解放されるために早く卒業してしまいたくて、高校生活を心から楽しめていなかった。…とても残念です
サバちゃんのママ
40代 女性
2021年9月21日
息子の高校は実業系高校です。
進路で就職になる子も半分くらいいます。
年に何回も頭髪検査があります。
学校の言い分は就職の際に服装や頭髪などが面接で見られるポイントだからしっかり校則で縛っているというお話でした。
ツーブロックや女子生徒の耳より下で縛るといった髪型や服装について、高卒生を就労させる企業側や進学先の大学がどこまで許容するのか意見を聞いてみる機会が欲しいです。