新型コロナ ストレス危機① DV・虐待対策を緊急要望
新型コロナウイルスの感染拡大を受けて 自宅で過ごす時間が増える中、ストレスや経済状況の悪化に伴い、家庭内の性暴力や、虐待、DV(ドメスティックバイオレンス)が増える恐れがあるとして、先月30日、国に対策を求める要望書が提出されました。
対策を求めたのは、全国のDV被害者の支援団体で作るNPO法人「全国シェルターネット」です。すでに団体のもとには、「夫が在宅勤務になり、子どもも休校になったため、ストレスがたまり、夫が家族に身体的な暴力をふるうようになった」、「夫から妻や子どもへの暴力が増え、妻も子どもへの暴力をしてしまう状況が起きている」といった声が届いているそうです。
また、相談や支援につながりにくいという課題も見えてきています。「新型コロナの影響を気にして、電車に乗るのも怖く面談に来られない」、「相談中の被害者が、夫と子どもが家にいるので、電話での相談が困難と思われ、連絡が途絶えている」「女児は児相に保護されたが、部屋が足りず、男児は児相に保護されないでいる」といった声も寄せられているということです。
団体は要望書で、すでに起きている状況や 寄せられている相談内容を明記するとともに、次のことを求めました。
▼感染が拡大する状況でもDVや虐待の相談窓口を閉鎖しない
▼電話相談の回線、DVシェルター、児童を保護する施設などを増やすなどの体制整備をする
▼相談窓口が開いていることを周知する
▼直ちに一時保護につながるよう、支援につなぐ体制の情報を共有し、命にかかわる事態を防ぐ
▼一時保護期間が2週間としている都道府県が多いが、柔軟に期間延長をする など
全国女性シェルターネットの共同代表・北仲千里(きたなか ちさと)さんは、今の状況を、過去の震災後と重ね合わせ、一刻も早く 支援体制を整える必要があると言います。
「阪神淡路大震災や東日本大震災などでは、避難生活を長い期間にわたって強いられた中、大勢の人がストレスを抱え、多くの被害が発生しました。もし、今後も外出の自粛が続けば、事態はますます悪化していくことが予想されます。国と話し合い、新型ウイルス対策の状況をふまえて、柔軟に対応しながら、支援を途切れさせないための対策を練っています。
悩みを抱えている人は、誰かに相談することを あきらめないでほしいです。」
※虐待・DVに関する相談窓口・支援団体は「ハートネット 虐待・DV『相談窓口・支援団体』」をご覧ください。
今月30日(木)放送の『クローズアップ現代+』では、新型コロナウイルスの感染拡大で募るストレスの影響と対策について お伝えする予定です。
【緊急募集】みなさんは、休校や在宅勤務などで 自宅で過ごす時間が増える中、どんなストレスを抱えていますか? 悩んだり、困ったりしていることはありますか? また、どのようにストレスと向き合っていますか?ご意見募集ページから お寄せください。
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